私が20数年の地酒取材の集大成として取り組んでいるドキュメンタリー映画『吟醸王国しずおか』は、とりあえず、本日(12日)夜の青島酒造蔵人打ち上げ会をもって、撮影にピリオドを打ちます。
思えば、ちょうど3年前の2007年5月、静岡市が製作した映像作品『朝鮮通信使~駿府発二十一世紀の使行録』が完成し、その直後に、朝鮮通信使の監督だった山本起也さんとカメラマンの成岡正之さんに、自分が長年取り組んできた地酒のドキュメンタリーを映像化したいという夢を打ち明け、相談に乗ってもらったことから、プロジェクトはスタートしました。
映画の作り方などまったく知らない素人が、よくそんな大胆な事を…と、我ながら呆れてしまいますが、当時は、朝鮮通信使の制作に関わって、未経験の大きな仕事を経験したことへの興奮と手応えが、どこか妙な使命感―映像化は、長年地酒を取材してきた自分に与えられた使命かもしれない―に変貌し、自分を駆り立てたのでした。
その後の経緯は、当ブログのカテゴリー『吟醸王国しずおか』をご覧いただくとして、本日(12日)から、吟醸王国しずおかホームページの成岡正之さんコーナー『映像世界の杜氏を目指して』で、朝鮮通信使の制作秘話がスタートします。
このコーナーは、映像カメラマン成岡さんの波乱万丈の半生を私が聞き書きしたもので、第1部ではカメラマンとして独り立ちするまで、第2部では映像制作会社の経営について綴ってきました。
そして第3部「朝鮮通信使から吟醸王国しずおかへ」で、私も間近に接してきたカメラマン成岡正之のプロの技と、成岡さんから見た映画監督山本起也のスキルの高さ、映画作りの現場の実態などを、それこそドキュメンタリータッチで綴ってまいります。
成岡さん(写真奥)も山本監督(写真手前)も、大きな組織からスピンアウトし、クリエーターたる生き方を貫こうとして、あちこちで衝突を繰り返しながらも、『朝鮮通信使』の厳しい制作現場では、プロのスキルをしっかり発揮しました。
・・・なんて素人の私がエラそうに言うのもおこがましい話ですが、私も組織に属さず、自分のライフワークを愚直に追い続けているので、こういうプロたちとのセッションが自分を大いに向上させ、吟醸王国しずおかという作品づくりへ導いてくれたと思っています。
今日から始まった『映像世界の杜氏を目指して第3部~朝鮮通信使から吟醸王国しずおかへ』は、そんな彼らへの敬意と感謝の結晶です。ぜひご覧くださいませ!