10月3日から5日まで四国をバス旅してきました。2日夜22時に静岡発の夜行バスで神戸まで行き、3日朝7時50分発高知行きに乗り換えて昼12時前に到着。バス旅は慣れてるけど、こんな長時間乗りっ放しってのは初めて。さすがに腰が辛かったけど、四国に行くのは初めてで、明石~鳴門大橋を渡る時は、妙にワクワクし、当たり前だけど「日本の道ってつながっているんだな~」と感動しちゃいました。
今回の四国行きの第一目的は、3日13時から高知県立県民文化ホールで開かれた『第9回新事業創出全国フォーラム in Kochi 』。経産省の外郭団体・中小企業基盤整備機構と公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会が主催する年に1度のニュービジネスフォーラムで、毎年各地のニュービジネス協議会が主管・運営し、各地で開催しています。今年は高知、来年は静岡で開催するので、来年のPRを兼ね、静岡県ニュービジネス協議会でも20人が高知入りしたました。
静岡のほかの会員さんは、みなさん企業オーナーや重役さんたちですから飛行機や新幹線でゆったり高知入り。貧乏ライターの私だけが長時間だけど格安のバス旅、というわけです。
会場入りする前、バスの終点が、河田小龍(大河ドラマ『龍馬伝』でリリー・フランキーさんが演じてましたね)の碑&はりまや橋近くだったので、記念写真。
「観るとガッカリするよ」と言われていたはりまや橋、橋そのものは、時代劇のセットレベル(失礼!)ですが、“はりまや橋”という地名は駅名や道路標識にもあるし、何より高知を真っ先にイメージさせるブランドそのものになっている。・・・考えてみれば凄いことです。
第9回新事業創出全国フォーラムでは、毎年、全国各地のニュービジネス協議会から推薦を受けた企業の中から、【ニッポン新事業創出大賞】を選ぶコンペティションがあります。
今回は全国から36社がエントリーされ、12社が入賞。静岡県ニュービジネス協議会からは、LEDよりも長寿命で8割省エネという高効率照明「エネプライト」を開発した㈱TOSMO(磐田市)を推薦し、見事、アントレプレナー部門優秀賞を受賞しました。
また新事業を支援する団体・個人を表彰する支援部門で、富士市産業支援センターf-Bizの小出宗昭センター長が優秀賞を受賞しました。小出さん、残念ながら会場にはお見えになってませんでした。
大賞(最優秀賞)は、高知県土佐市の廣瀬製紙㈱。世界一薄い超薄葉不織布を造る技術を持ち、これを濾過フィルター膜に応用し、多くの製造現場で活用されているそうです。1958年に創業した会社がこの新事業に取り組み始めたのが2009年。50年目にしてベンチャーに挑み、新規の雇用拡大やグローバル連携を実現させた企業の姿勢そのものも、高く評価されたようです。
基調講演では、高知県立坂本龍馬記念館の森健志郎館長が『今、なぜ龍馬か?』と題し、グローバルな視点を持った人材育成の重要性を、パネルディスカッションでは高知県民総幸福度GKH(Gross Kochi Hapiness)のニュービジネスにおける視点について坂本家9代目当主・坂本登氏と企業人たちが語り合いました。私はその後の大懇親会の静岡プレゼン準備のため、聞きそびれてしまいましたが・・・。
18時30分から三翠園(土佐藩山内家下屋敷跡)で開かれた土佐の日代懇親会。“本物の豊かさ”や“出会いによる感動”、さらに“環境との共生”を実感できる県として全国に情報発信し、GKHを物差しに、土佐ならではのこだわりの人・物との出会いや交流を活性化するため、10月3日を「土佐の日」と定め、記念事業として2007年より毎年高知市で開催している交流イベントで、今年は新事業創出全国フォーラムと共同開催。よさこい踊りで賑やかに開幕しました。
ちなみに「大懇親会」とは、自由民権運動のとき、板垣退助や若き牧野富太郎たち運動家が、デモ行進のあと、当時の陽暉楼や周辺の河原で語り、宴会を催したときの呼び名だそうです。
大懇親会会場には、さすが土佐の日、高知県内各市町村から集まった郷土料理や旬の食材が集まり、地酒で乾杯。酒のイベントじゃないのに、乾杯は燗酒&お猪口でやるんですね。さすが酒豪県!
静岡県ニュービジネス協議会からの参加組は、会長の鴇田勝彦さん(TOKAI)、副会長の曽根正弘さん(テレビ静岡)、実行委員会の原田道子さん(総合ビジネスプレイン道)以下20名が壇上に上がり、富士山世界文化遺産のDVDを流し、静岡県観光&来年の全国フォーラムのPRを盛大に行いました。
ふじっぴーは高知の財界の皆さんにも大うけで、
坂本登さんも大喜び。私としては、ふじっぴーの“変身方法”を直に見られて興味津々(笑)。
鴇田会長も、日本ニュービジネス協議会連合会の池田会長(アルビレックス新潟会長)から「静岡の熱意に感動した」と激励されて上機嫌。新潟の銘酒『今代司』を手土産にいただき、会員さんの手から手へと回り、最後になぜか私のところへ。静岡まで後生大事に持ち帰る羽目になりました(苦笑)。
二次会では、静岡組一同で高知城ライトアップの眺めが楽しめる高知の老舗クラブへ。私は途中、一人でこっそり離脱し、地酒が呑める居酒屋へ。すでに23時を過ぎ、ガイドブックに載っていた店がクローズしており、店のスタッフさんにずうずうしく、地酒が呑める深夜営業の店はないかと訊ね、教えてもらった『ぼくさん』という地酒バーへ。
カウンターに座っていた男性3人が呑んでいたのは、なんと、初亀の【滝上】。静岡人が飛び込んできたので3人もビックリし、マスターを交えて地酒談議で大盛り上がり。手土産代わりにカバンに詰めていた高砂誉富士の300ml瓶を空けちゃいました。
さすがに夜行バスでほとんど寝てないのと宴会疲れで眠気が廻ってきたところに、後から6人ほどお客さんがやってきて混み合ってきたため、杯はあまり進みませんでしたが、地酒を愛する人同士だったからでしょうか、短い時間でしたが本当に密度の濃い楽しいひとときでした。
やっぱり旅先で、故郷の酒が大事に呑まれているシーンに出遭うと文句無く感動してしまいますね。静岡へ戻った6日、藤枝地酒フェスでお会いした初亀の橋本社長にさっそくご報告しちゃいました。
高知の酒、やっぱり吟醸以上の特定名称酒で限定流通されているものは、状態がよく、きれいでした。静岡で呑む高知の酒は、静岡の酒販店が静岡酒との違いを意識した商品をセレクトするせいか、香味の重い酒が多いんですが、地元高知のこういう店でそろえるラインナップは、ちゃんと酒杯が進むノド越しスッキリの酒が多い。個人的には『豊の梅』がよかったですね。(つづく)