杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

四国ぶらりバス旅(その4)~高松・栗林公園

2013-10-11 10:54:41 | 旅行記

 今日10月11日は、無事、○回目の誕生日。独りフリーランスで生きていくのは楽ではないけど、こうして時々旅をしたりして暮らしていけるのも、これまでの友縁・酒縁・筆縁の賜物です。心からの感謝をお届けします!

 

 四国バス旅の続きです。

 10月5日(土)、高松の栗林公園前で讃岐うどんを味わった後、14時22分発神戸行きのバスへ乗り換える前、栗林公園を2時間ほどゆったりお散歩しました。

 

 

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 季節的に見ごろの花がなく、しかもあいにくの雨模様。園内はひと気も少なく、とても静かでした。事前にほとんどリサーチしていなくて、静岡の駿府城公園レベルかと思っていたら、とんでもない!

 

 同じ徳川ゆかりの場所でも、初代高松藩主・松平頼重公(水戸光圀公のお兄様)以来、歴代松平家がバッチリ作庭・修築をし、明治以降は県立公園として一般開放され、昭和28年には国特別名勝となった回遊式大名庭園です。城下町といっても城主の居ない駿府と違い、将軍家外戚の財力をもった大名が支配した町だけあって、“抜かりがない”って印象でした。

 

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 この庭園に風格を与えているのは、なんといっても松の美しさ。園内には約1,400本の松があり、そのうち1,000本は完璧な手入れをしているそうです。

 

 こちらは大正時代に皇族の方々がお手植えされたもので、中央は英国王エドワード8世が皇太子時代に訪れて手植えされたものだそうです。英国王のスピーチで有名なジョージ6世のお兄さんで、離婚歴のあるアメリカ人女性との恋のため、王位を捨てた方ですね。

 

 

 

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 こちらは箱松とか屏風松といわれる複雑な樹形。こんな松、今まで見たことありませんでした。この園独特のもので300年以上にわたる手入れの積み重ねだそうです。

 

 

 

 

 

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旧日暮亭(きゅう・ひぐらしてい)は江戸初期の大名茶室を今に伝える貴重な建物。土間のある茶室は珍しいそうです。

 

 

 

 

 

 

 

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 小川の中に手水鉢があるというのも珍しい! 最近、茶道の歴史をかじるようになって、こういうところに眼が行くようになりました。

 

 

 

 

 

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 ここは富士山を見立てた「飛来峰」という築山。遠く離れた四国の大名庭園にもしっかり富士山が根づいているんだなあ~。

 

 

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 で、飛来峰側から見た風景がこちら。偃月橋(えんげつきょう)と鯉のコントラスト、これぞ大名庭園!って感じですね。

 

 園は北湖・南湖・西湖・芙蓉沼(ハス池)・群鴨池(ぐんおうち=鴨猟用の池)と、豊かな水辺に囲まれ、お天気がよければ舟遊びも出来るそうです。

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 ちょっと斜めに写っちゃっているけど、北湖に浮かぶ杜鵑嶼にはハート型のつつじが。カップルには「恋つづじ」と親しまれているそうです。つつじの開花時期にピンク色に染まると可愛いでしょうねえ!

 

 駿府城公園もつつじも名所のはずだけど、こういう遊び心が欲しいなあ~。

 

 なんだか地方大名の実力を見せ付けられたようで、江戸徳川生みの親であるはずの家康公お膝元の駿府城公園、もっとちゃんとしようよ!と活を入れたくなりました。

 

 5日夜、神戸に嫁いだ高校時代の同級生と久しぶりに会って食事をし、三ノ宮発21時25分の夜行バスで静岡へ戻りました。

 

 

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 静岡へ戻ったその足で、藤枝で開催された『藤枝地酒フェス秋』へ。さすがに眠かったけど、故郷の地酒の味にホッとしました。

 

 旅をすることで、人は自分の立ち居地を確認できる・・・あらためてそう感じます。