1月29日 おはよう日本
100万ドルの夜景とも称される年間400万人が観光に訪れる函館の夜景。
市街地の両側が海になっていて街の明かりが浮かび上がるのが特徴である。
降り積もった雪に街灯りが反射して
冬は夜景がいちばん美しく見える季節である。
北海道では冬に消費電力量が多くなる。
ところが北海道では全国で唯一7%という節電の数値目標が定められた。
消費電力量が最も多いのが照明である。
北海道内の原発がすべて止まって迎える初めての冬。
節電しながらや夜景の美しさは維持したいと
市や企業が独自の取り組みを始めた。
観光名所にひとつ五稜郭タワー。
これまでライトアップのために20機の大型ライトを使ってきたが
函館山から見えない面のライトを消すことにした。
とおっくからの見え方を担当者がチェックし
20機のライトのうち12機を消しても
函館山の見え方はほとんど変わらないことが分かった。
(五稜郭タワー節電担当 坂口誠さん)
「函館の夜景に貢献しなければならない。
なおかつ節電もしなければならない。
思い浮かんだ結果がこのような形になった。」
こうした取り組みは地元のホテルでも行われている。
できるだけ山側の部屋に泊まってもらい
山から見える灯りを少しでも増やそうというのである。
夜景を守るため日中の節電に励むところもある。
夜のライトアップが有名な旧函館区公会堂(国の重要文化財)である。
日中に多くの観光客が訪れるが
悩みはシャンデリアに使われる白熱電球の消費電力が大きいこと。
そこで観光客がいないときは照明を落とす。
観光客の出入りを常にモニターでチェックする徹底ぶり。
こうした努力で日中の電力量を11%削減することが出来た。
夜 色鮮やかに浮かび上がる旧函館公会堂。
日中の節電の甲斐あって幻想的な夜景を作り出すことが出来た。
何とか街灯りを守りたい函館。
それでも前より少し暗くなったと感じる人もいる。
そこで函館山では地元のボランティアガイドによる活動が新たに始まった。
(ボランティアガイド 佐藤喜久恵さん)
「節電電気を落としているんだけどもっときれいに夜景を見たい。
何かしたらみられるんじゃないかと考えて。
目を閉じて。ひとつ ふたつ みっつ・・・」
瞼を開けた時に飛び込んでくる強い灯り。
夜景の美しさを強調する裏ワザである。
いくつもの小さな取り組みが重なり合い
ひときわ輝く函館の夜景。
函館市によると今使われている街灯を
より節電効果の高いLEDライトに変更する案も出ているが
夜景の柔らかい光の味わいがなくなってしまうおそれがあり
LEDの導入には慎重にならざるを得ないということである。