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才能の宝庫か“遅咲きの新人”

2013-02-09 08:13:23 | 報道/ニュース


  2月5日 おはよう日本


  芥川賞を受賞した黒田夏子さんは75才。
  そして直木賞を受賞した葉室麟さんは61才。
  最近文学の世界では遅咲きの作家が注目を集めている。
  作家を目指す人が集う大阪文学学校。
  悪だ側賞作家の田辺聖子さんなど数々の作家を生み出してきた。
  かつては大半が若者だったが
  いまはシニア世代が切磋琢磨しながら作品作りを行っている。
  「人は笑うけどデビューを目指している。
   まだ燃えて終わってないから。」
  「死ぬまでやりたい。」
  (文学学校 小原政幸事務局長)
  「いろんな省がいろんな人に開かれている。
   その賞を目指そうとか書く欲求はどんどん膨らんでいく。」

  シニア世代からベストセラー作家が誕生するのではないか
  大手出版社も動き出している。
  才能あるシニアを発掘しようと
  60歳以上のみが応募できるミステリー文学賞を創設した。
  応募総数は200以上。
  編集者は社会人経験に裏打ちされた新しい作風に驚かされたと言う。
  (講談社 近藤憲二郎さん)
  「今までの社旗人経験や蓄積が作品に新たな完成として投影されるのでは。
   必ず 今いる人気作家とは違う描き方として小説をものにすると思って。」
  頂点に輝いた作品。
  謎めいた女性のまわりで次々と事件が起きていく。
  作者がサラリーマン時代に見聞きした業界の噂話をヒントにしたエピソードが評価された。
  「訴訟なんて怖くないさ。
   訂正記事を載せて和解金を払えばいいんだ。」
  「10万部はハケたな。
   久しぶりのホームランだ。」

  この作品の作者加藤眞男さん(62)。
  今は埼玉県で和装小物の店を営んでいる。
  大学を卒業後レコード会社に就職。
  その傍らで漫画家を目指していた。
  べ麺構成やストーリーの展開など漫画を描いた経験から独特のテンポを身につけた。
  加藤さんが本格的に小説に取り組み始めたのは53才のとき。
  (加藤眞男さん)
  「60年間生きてきたことは間違いない。
   いろいろな経験 知識 勉強して
   経験がいっぱいになってやっと溢れ出してミステリーが賭けるような境地になった。」

  遅咲きでデビューした作家の作品は活字離れがすすむなかで存在感を増している。
  (書店員 間室道子さん)
  「小説という形で世の中に出そうとするシニア世代がこれだけたくさんいて
   本になって成果を結んでいることはシニア世代の読者の励ましになる。」
  さらに若い世代の読者にも広がり始めている。
  「自分の祖父母と同じような年齢の人が受賞するのはすごい。
   自然に生み出された新しさというか。」
  「若い人が書くと共通点があるので絶対共感できると思うが
   あえて自分と全く違う時代を生きて
   違う感性を持つかもしれない人の作品を読むのも勉強になる。」  

  ミステリー作家としてデビューした加藤眞男さん。
  2作目の出版に向け準備を進めている。
  作家はデビューするとより多く売れる作品を書くことを求められる。
  編集者は読者の関心を引き付けるために
  随所にめずらしいエピソードを盛り込むことをリクエストしている。
  加藤さんを支えているのが中学生のころから書きためたアイデアノート。
  さらに商店を経営してきた加藤さんならではの知識もフル活用する。
  (加藤眞男さん)
  「売り場面積が半分になったら売り上げは半分になるかと思うが
   実際は売り上げは4分の1になる。
   たぶん3分の1にしたら9分の1になる。
   書きたいネタというかストーリーはいっぱいある。
   自分の時間と体力のある限り
   自分のやりたいことをやりたい。」

  積み重ねた経験から作品を生み出す遅咲きデビューの作家たち。
  不況に悩む文学界に吹き込む新たな風として期待を集めている。
  これまでに文学賞は才能ある作家を育てていくという意味で
  若い人に与えられるものが多かったが
  最近ではシニア世代にも才能を持つ人が数多くいるとわかり 
  出版社では新たな才能の発掘に力を入れ始めている。
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