8月17日 BIZ+SUNDAY
約3400社が上場している東京証券取引所。
今年1月 新しい株価指数が導入された。
JPX日経インデックス400
収益性の高さなどを基準に“稼ぐ力”の強い企業400社を選び出したもの。
8月7日 初めての銘柄の入れ替えが発表された。
入れ替わったのは31社。
外れる銘柄は ソニー スカイマーク ワタミなど
加わる銘柄は スターバックスコーヒージャパン パナソニック マツダなど。
1年に1回入れ替えが行われ
収益性が落ちると除外されてしまう厳しい株価指数。
海外の投資家たちも大いに期待している。
(フィデリティ投信 アレキサンダー・R/トリーヴス運用部長)
「日本企業が変わるという姿勢を示すことで海外からも注目されるでしょう。」
日経インデックスに採用されるかどうかの基準になっているのがROE(自己資本利益率)という数値。
利益 ÷ 自己資本 = ROE
ROEが高いほど企業の稼ぐ力が高いとみなされ投資家から資金が集まりやすくなる。
東京港区 大手精密部品メーカー ミネベア。
車や飛行機などに使われる小さなベアリングを生産し世界シェアは6割。
6万5千人の従業員が18か国で働いている。
この1年 利益が大幅に増えた。( ROE 14,4%)
その結果 8月 JPX日経400の銘柄に選ばれた。
(ミネベア 加藤木洋治専務)
「素直に良かったなと喜んでいます。
我々の今までの努力が実ったかなと思います。」
ROEを押し上げた要因は積極的な投資にあった。
まず研究開発への投資。
毎年100億円をつぎ込みスマートフォンに使われる導光板などを開発した。
これは画面を均一に照らし出すための部品でこの会社が持つ高い技術力が生かされている。
さらに行ったのが設備投資。
4年間で1000億円を導入しカンボジアなど4か国で6つの工場を建設した。
これらの工場で増産した導光板は世界で使われる高性能スマートフォンの7割で採用。
大きな利益を生み出す新たな稼ぎ頭に成長した。
(ミネベア 加藤木洋治専務)
「今やっとこの1年半前から需要が増えてきて経済が好転してきて
ちょうど我々が今までやってきた投資とマッチングする形で業績が上がってきていることがいまの状況です。」
いま会社では国が推し進めるスマートシティに欠かせない照明システムの研究を進めている。
次の一手をいち早く見つけ攻めの投資を続けていくことが高いROEにつながると考えている。
(ミネベア 加藤木洋治専務)
「利益率をさらに向上させることによってROEは良くなる。
新しい製品の開発と新しいマーケットの開拓をしていくというのが
より安定した成長をするには必要だと思います。」
神奈川県伊勢原 金属加工機械メーカー アマダ。
工作機械の製造で世界シェア25%。
約8千人の従業員が働いている。
JPX日経400に入ることを目指していた会社だが今年1月に発表されたリストに名前はなかった。
理由はROEの低さだった。(ROE 1,1% 去年3月)
(アマダ 岡本満夫社長)
「悔しいですね。
選出漏れという形でROEを高めないといけないと。」
そこで今年5月 社長の主導でROEを高める策を打ち出した。
新たに得られる自己資本を設備投資に使わず
2年間に限って科株主への配当などにすべて回すことにした。
通常あまり行わない方法で自己資本を小さくしROEを引き上げようとしたのである。
この会社では2年後にROEを7%まで上げたいとしている。
投資家にとって魅力的な企業になったうえでさらなる事業の拡大を図りたいとしている。
(アマダ 岡本満夫社長)
「海外の投資家を呼び込みたい。
ただお金をためているだけでは駄目。
やはりお金を転がして成長戦略に使えということになる。」