1月21日 編集手帳
「二つ名」というものがある。
個性あふれる人物に与えられる異名で、
歴史上の人物なら伊達政宗の「独眼竜」、
徳川綱吉の「犬公方」あたりが有名だ。
こうした呼称には、
その人の姿をまざまざと映し出す力がある。
最近、
プロ野球の星野仙一さん死去の報に触れて、
そんなことを痛感した。
「燃える男」。
その文字に、
仲間を叱咤(しった)する星野さんの厳しい表情がよみがえった。
もともとプロ球界は「傑作」の宝庫だ。
このほど野球殿堂入りが決まった松井秀喜さんは「ゴジラ」だし、
原辰徳さんは「若大将」。
ピッタリなじむ異名は一流選手のあかしなのだろう。
期待の新人、
清宮幸太郎選手は、
どんな名で呼ばれるようになるか。
そんな興味も膨らむ。
ここで、
ふと連想してしまうのが政界だ。
「ワンマン」「鈍牛」など、
昔はユニークな呼び名をもつ政治家も多かった。
それが、
近年はピンとくる例があまりない。
理由は様々だろうが、
国民の政治家への関心の低さが背景にあるとしたらちょっと心配にもなってくる。
あす22日には通常国会が召集される。
あだ名をつける気持ちで議員さんを見守るのも一興だ。