1月27日 編集手帳
大相撲の平幕、
栃ノ心の出身国が、
ロシア語由来の「グルジア」から英語発音の「ジョージア」に変わったのは約3年前である。
故郷の国はかつてロシアと武力衝突を経験した。
以降、
国の名をジョージアとするよう世界に訴えて、
日本でも正式に呼称が改められたことによる。
その運動にどれほど貢献したかは定かではないものの、
栃ノ心が祖国のために英語名の缶コーヒーを愛飲する、
という記事をスポーツ紙で読んだ覚えがある。
大相撲初場所は13日目を終え1敗は栃ノ心のみ。
横綱鶴竜が3連敗を喫し、
初優勝に大きく近づいた。
2敗力士はない。
あと一番である。
祖国の名が改まるまで力を出すのを待っていたわけではないと思うが、
30歳と若くはない。
新入幕の折には将来を嘱望されながら、
けがに泣き一時は幕下55枚目まで陥落した。
そこからはい上がっての優勝となれば、
誰もが目を見張ることになるだろう。
かつて琴欧洲が活躍したとき、
相撲部屋の冷蔵庫は故郷ブルガリアの名を冠するヨーグルトで満たされた。
ジョージアの飲料会社はどうするだろう?
あら、
いけない。
ちょっと気が急(せ)いた。