1955年イギリス。
郊外にある閑静な住宅に住む名手サー・マグナス・パイ。
彼の屋敷に住むメイドさん? が密室状態で転倒し死亡した。
その数日前には息子に「死んでくれたらいいのに」と口論していた様子も目撃されている。
果たして彼女は事故で死んだのか、殺されたのか。
その息子のフィアンセが、探偵のピュントの元へ相談に来る。
しかし、事件性のない話にピュントは依頼を受けない。
そして数日後、今度はマグ . . . 本文を読む
1984年のロンドン。
極度に言語統制された世界では、あらゆる情報が絶えず政府に都合のよい情報に書き換えられていた。
その真実省に勤めているウィンストン・スミスは、テレスクリーンという監視装置の網目を縫って日記を書き始める。
「ビッグブラーをぶっつぶせ」と権力者にたてつく文言を書き連ねながら、自分が権力に屈せずに生きることを望む。
そしてまた一人、彼の同僚が忽然と姿を消した。
こちらもずっと積ん . . . 本文を読む
★ネタバレなし★
ずっと読もうと思っていたが、ついに文庫本になったことを知って購入した。
文庫本でもずっしりと重い分量があり、時間がかかってしまった。
基本的には歴史学者としての立場から、人間社会がこれからどのように変わっていくかということを描いたものだ。
「2030年」を読んだ後に、こちらを読み始めたので、こちらはずいぶんと悲観的な未来を描いている、という印象を受けた。
すでに多くの人が指 . . . 本文を読む
本屋を物色していると、たまたま見つけた文庫本。
あまり興味もなかったのだが、海外でも評価されたという帯を見て買ってみた。
衝動買いするにはあまりにも積ん読が多く、そしてなかなかのページ数だった。
川上未映子の印象はほとんどなく、読んだこともなかったので過去との比較はできない。
主人公の夏子はアラサーになってもまだ独り身で、生活も安定していなかった。
幼少の頃から貧困で、小説家を目指して文筆生活 . . . 本文を読む
クララはAFと呼ばれる人工知能を持った知覚できるロボット。
ショウ・ウィンドウで並んでいるとき、ジョジーという少女の目にとまり、購入されることになる。
だが、ジョジーは病弱で、特殊な環境にいた。
家庭環境をAFとして見続け、クララはジョジーのよい友人になっていくが……。
2021年3月に、世界同時に発売された新作。
読もう読もうと思いながら、結局手を出していないイシグロの作品だが、思い切って、本 . . . 本文を読む
繁藤修司は19歳の土木業従事者だった。
ある日、知り合った女性から明日会いたい、と言われて平日の二時、駅前で待っていた。
突如そこに通り魔らしい黒ずくめの男が、次々と通行人を刺して回った。
とっさに防御姿勢をとった修司も襲われたが、目の前にあった空き瓶で相手のフルフェイスを割ろうとした瞬間、相手はひるみそのまま彼はは意識を失った。
気づいた病院先で自分以外の4人の被害者は殺されたことを知る。
手負 . . . 本文を読む
ビジネス書に平積みしてあった本。
以前から少し気になっていたが、買ってはいなかった。
他の本を探しているときにたまたま目にとまって買ってみた。
値段はビジネス書らしく、安くはない。
いわゆるビジネスや社会で生きていくために必要な考え方について書かれた本。
52項目あるが、それほど目新しさはない。
劇的なブレイクスルーを目指そうとする人は手に取らなくて良い。
こういう本はわかっていることを再度復 . . . 本文を読む
ジャレド・ダイヤモンド「銃・病原菌・鉄」を妻に借りて読んでから、今度はハラリという人が話題らしいと聞かされた。
妻は「21 Lessons」の方を気にしていたが、私はこちらのほうが気になって、書店で衝動買いした。
おそらく「21 Lessons」もこの後読むことになるだろう。
この本はビジネス書に連ねられていることが多いが、ビジネスで生きるためのノウハウが書かれているわけではない。
教養のレベル . . . 本文を読む
★ネタバレなし★
今年話題の本と言えば、これだろう。
ビジネス関係のコーナーに必ずと言っていいほど置いてあるはずだ。
タイトルが英字なので、それを「ファクトフルネス」と読んでいない人も、表紙を見れば「ああ、見たことがある」となるはずだ。
それくらい、書店で目にすることが多い。
私はどんな本なのかわからなかったので、手に取らなかったが、他の本を探しているときに目について目次を確認して衝動買いする . . . 本文を読む
もちろん、「三四郎」に続く流れで読んだ。
三部作の最後の作品だ。
主人公の宗助は役所勤めであり、ひっそりと妻御米と暮らしている。
生活はそれほど余裕のない中で暮らしているが、叔父のもとに置いていた弟が、叔父が急逝したことから世話をどうするかという問題が持ち上がる。
だが、弟は宗助も御米も軽蔑している節がある。
それが分かっていることもあり、だが、10も年下のまだ学生の弟を無視することもできない。 . . . 本文を読む