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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

ロルフ・ドベリ「Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」

2020-05-28 08:53:25 | 読書のススメ
ビジネス書に平積みしてあった本。
以前から少し気になっていたが、買ってはいなかった。
他の本を探しているときにたまたま目にとまって買ってみた。
値段はビジネス書らしく、安くはない。

いわゆるビジネスや社会で生きていくために必要な考え方について書かれた本。
52項目あるが、それほど目新しさはない。
劇的なブレイクスルーを目指そうとする人は手に取らなくて良い。

こういう本はわかっていることを再度復習するために読むものだと私は考えているので、私にとっては悪くない本だった。

▼以下はネタバレあり▼

特に目を引いたのは能力の輪という考え方。
人間にはそれぞれできることと、できないことある、できないことはその人の輪の外にあることなので、やろうとしなくてよい、というもの。
ただし、そのためには37%は一度手を尽くしてみないとそれが何なのかわからない。

やってみること、でも無理に追わないこと。
わかっているようでそのバランスは難しい。
できない自分を責めることはよくある。
そういう逡巡から少しは救われるかもしれない。

また、質問されても答えなくて良い、という発想も好きだ。
教えてほしいという人、知りたいという人に、わかってもいないのに答えてくれる人はたくさんいる。
けれども、わからないことはわからないでいいし、わかっている人に任せれば良い。
すべてに対して関心をもて、というようなことがいろいろなメディアや文脈で言われるが、果たしてそれは正しいのか。
少し前までなら(インターネットが普及する前)、それは通用したことなのかもしれないが、今子ども達の世代にそれを言ってしまえるのか。

考えなければならない、関心を向けなければならないことが多すぎる。
すべてを、それこそ関心と感情をもって接することはできない。
ミニマムに生きる、ミニマムを肯定する。

それは狭い世界で独りよがりなのではなく、自分の行動やことばに責任をもつということなのかもしれない。

私たちはあらゆる局面で「道徳的」に生きろと言われ続けてきた。
しかし、その道徳は、これほどの情報化社会の中で少し変わっていくべきなのかもしれない。

「専門家でないのなら、専門外のことに時間をつかう必要はない。
時間を与えるよりも、寄付をした方がいい。」


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