評価点:76点/2012年/イギリス・フランス・ベルギー・イタリア合作 /101分
監督:ケン・ローチ
とてもかわいらしい映画。
ロビー(ポール・ブラニガン)はずっとうだつがあがらない青年だった。
路肩に駐車しようとしてきた車の青年に因縁をふっかけ暴力をふるった。
そのことが原因で刑務所に行くことになり、出所後、彼女が妊娠した。
10ヶ月我慢していたがやはり暴力沙汰を起こしてしまい、社会奉仕300時間を言い渡された。
赤ん坊が生まれることを機にやり直したいという気持ちが強くなってきたが、仕事も見つからずにいた。
ところが、社会奉仕に行った先で知り合ったハリー(ジョン・ヘンショウ)に教えられたウィスキーの聞き酒をしているうちに、興味がわいてくる。
最近見つかったという幻の樽のウィスキーを知り、ある計画を立てるが……。
とにかく何かを見たかったので映画館に駆け込んだ一本。
あまり前評判も知らずに、時間が合ったので見に行くことにした。
単館上映がほとんどだろうから、見に行ける条件にある人は少ないかもしれない。
コメディの要素が強い作品だが、大笑いするような場面は少ない。
人生にある、ばかばかしい、ほほえましい場面が多い。
アメリカ映画に慣れた人はこんな映画見もしないかもしれないが、そういう人には向かない映画だ。
私は、こういう映画、大好きです。
▼以下はネタバレあり▼
冒頭からずっとほほえましく観られる映画だ。
人間って本当に馬鹿だよね、でも人生ってすてきだよね、というそういう映画だ。
この映画に教訓めいた要素を求めるのは間違えているし、常識なんていうのはこの映画に必要ない。
重箱の隅をつつくようなことを考えると、この映画は多少強引だし、多少無理がある。
この映画を包んでいる雰囲気は、そんなことを問題にしないような、温かさがある。
だから、おもしろいし、幸せな気持ちになれる。
しかも、タイトルは「天使の分け前」である。
ほとんど原題のままの邦題だが、非常にうまい。
この映画の雰囲気そのものを表しているかのような、そんな温かさがある。
この映画を観ていて、私はどこか懐かしい気持ちになった。
考えていけば行くほど、私にはこの物語が「桃太郎」なんだと思えてくる。
三人(三匹)のお供をつれて、鬼退治(権威)を倒して、宝(大金)を得る。
「桃」はまさに、彼が授かった天使からの贈り物、つまりウィスキーを見抜く舌と鼻である。
だから、この映画は「ロビーが大人になる物語」なのだ。
ちょっと論理に飛躍があるので、丁寧に書いておこう。
桃太郎の話は、成長譚である。
桃太郎の絵本を見ると、ほとんどの場合桃太郎は前髪を残している。
なぜなら、桃太郎は未成年だからだ。
鬼退治という試練を乗り越えることで、桃太郎は大人になる。
故郷に錦を飾るという言い方があるが、桃太郎は鬼退治することで宝を持って帰り、故郷に錦を飾るのである。
ロビーは社会奉仕を言い渡される、未人間である。
何をやってもうまくいかないし、何より、彼には血縁からの因縁がある。
だから、這い上がろうとしても、這い上がれない。
それはどれだけ「自由」な世界になってもどこにでもある現実だろう。
日本でも地域によって強力なコミュニティが生まれ、そのコミュニティから逃れるのは容易ではない。
アメリカ映画の「ザ・タウン」は記憶に新しい。
やくざでなくても、ギャングでなくても、地域のつながりはなかなか断ち切ることはできない。
そんな彼は、まさに天使からの贈り物のように、一つの才能を授かる。
それが、ウイスキーを見分ける舌と鼻である。
一生懸命に勉強してのめり込んだことが、その才能を開花させるきっかけとなるが、そんな泥臭い話ではない。
それは天使がくれた、「ギフト」なのだ。
それでもどうしようもない状況の打破として、彼は幻の樽を盗むことを思いつく。
発表会の日に忍び込み、夜にこっそり中身を盗もうというのだ。
同じく社会奉仕を言い渡された仲間アルバート、ライノ、モーとともに、彼らは計画を実行する。
その四人のでこぼこ具合は、猿、雉、犬を連れて行く桃太郎に見える。
桃太郎そのものも、聞き酒の才能があるという点以外は、彼もまた「未人間」なのだ。
しかし、彼には本物を見抜くすばらしいその才能があった。
その才能によって、未来を切り開く。
お金はあるが、酒を見分ける能力のない「鬼」たちを、盗み出すという方法で出し抜く。
何とも痛快ではないか。
彼らは権威を身にまとっていても、そこに本当の舌と鼻はないのだ。
だから「成敗」されてしまう。
私はこの映画を観ながら、桃太郎を想像しながら、そして「トレインスポッティング」を思い出していた。
大人になることは、痛みを伴う。
その痛みを、ユーモアと、アイロニーでうまく見せてくれた。
彼らの犯罪は、誰にも知られることはない。
こっそりと、いつのまにか、抜き取られているのだ。
まさに「天使の分け前」ではないか。
小品だが、とてもおもしろい、そんな作品だ。
監督:ケン・ローチ
とてもかわいらしい映画。
ロビー(ポール・ブラニガン)はずっとうだつがあがらない青年だった。
路肩に駐車しようとしてきた車の青年に因縁をふっかけ暴力をふるった。
そのことが原因で刑務所に行くことになり、出所後、彼女が妊娠した。
10ヶ月我慢していたがやはり暴力沙汰を起こしてしまい、社会奉仕300時間を言い渡された。
赤ん坊が生まれることを機にやり直したいという気持ちが強くなってきたが、仕事も見つからずにいた。
ところが、社会奉仕に行った先で知り合ったハリー(ジョン・ヘンショウ)に教えられたウィスキーの聞き酒をしているうちに、興味がわいてくる。
最近見つかったという幻の樽のウィスキーを知り、ある計画を立てるが……。
とにかく何かを見たかったので映画館に駆け込んだ一本。
あまり前評判も知らずに、時間が合ったので見に行くことにした。
単館上映がほとんどだろうから、見に行ける条件にある人は少ないかもしれない。
コメディの要素が強い作品だが、大笑いするような場面は少ない。
人生にある、ばかばかしい、ほほえましい場面が多い。
アメリカ映画に慣れた人はこんな映画見もしないかもしれないが、そういう人には向かない映画だ。
私は、こういう映画、大好きです。
▼以下はネタバレあり▼
冒頭からずっとほほえましく観られる映画だ。
人間って本当に馬鹿だよね、でも人生ってすてきだよね、というそういう映画だ。
この映画に教訓めいた要素を求めるのは間違えているし、常識なんていうのはこの映画に必要ない。
重箱の隅をつつくようなことを考えると、この映画は多少強引だし、多少無理がある。
この映画を包んでいる雰囲気は、そんなことを問題にしないような、温かさがある。
だから、おもしろいし、幸せな気持ちになれる。
しかも、タイトルは「天使の分け前」である。
ほとんど原題のままの邦題だが、非常にうまい。
この映画の雰囲気そのものを表しているかのような、そんな温かさがある。
この映画を観ていて、私はどこか懐かしい気持ちになった。
考えていけば行くほど、私にはこの物語が「桃太郎」なんだと思えてくる。
三人(三匹)のお供をつれて、鬼退治(権威)を倒して、宝(大金)を得る。
「桃」はまさに、彼が授かった天使からの贈り物、つまりウィスキーを見抜く舌と鼻である。
だから、この映画は「ロビーが大人になる物語」なのだ。
ちょっと論理に飛躍があるので、丁寧に書いておこう。
桃太郎の話は、成長譚である。
桃太郎の絵本を見ると、ほとんどの場合桃太郎は前髪を残している。
なぜなら、桃太郎は未成年だからだ。
鬼退治という試練を乗り越えることで、桃太郎は大人になる。
故郷に錦を飾るという言い方があるが、桃太郎は鬼退治することで宝を持って帰り、故郷に錦を飾るのである。
ロビーは社会奉仕を言い渡される、未人間である。
何をやってもうまくいかないし、何より、彼には血縁からの因縁がある。
だから、這い上がろうとしても、這い上がれない。
それはどれだけ「自由」な世界になってもどこにでもある現実だろう。
日本でも地域によって強力なコミュニティが生まれ、そのコミュニティから逃れるのは容易ではない。
アメリカ映画の「ザ・タウン」は記憶に新しい。
やくざでなくても、ギャングでなくても、地域のつながりはなかなか断ち切ることはできない。
そんな彼は、まさに天使からの贈り物のように、一つの才能を授かる。
それが、ウイスキーを見分ける舌と鼻である。
一生懸命に勉強してのめり込んだことが、その才能を開花させるきっかけとなるが、そんな泥臭い話ではない。
それは天使がくれた、「ギフト」なのだ。
それでもどうしようもない状況の打破として、彼は幻の樽を盗むことを思いつく。
発表会の日に忍び込み、夜にこっそり中身を盗もうというのだ。
同じく社会奉仕を言い渡された仲間アルバート、ライノ、モーとともに、彼らは計画を実行する。
その四人のでこぼこ具合は、猿、雉、犬を連れて行く桃太郎に見える。
桃太郎そのものも、聞き酒の才能があるという点以外は、彼もまた「未人間」なのだ。
しかし、彼には本物を見抜くすばらしいその才能があった。
その才能によって、未来を切り開く。
お金はあるが、酒を見分ける能力のない「鬼」たちを、盗み出すという方法で出し抜く。
何とも痛快ではないか。
彼らは権威を身にまとっていても、そこに本当の舌と鼻はないのだ。
だから「成敗」されてしまう。
私はこの映画を観ながら、桃太郎を想像しながら、そして「トレインスポッティング」を思い出していた。
大人になることは、痛みを伴う。
その痛みを、ユーモアと、アイロニーでうまく見せてくれた。
彼らの犯罪は、誰にも知られることはない。
こっそりと、いつのまにか、抜き取られているのだ。
まさに「天使の分け前」ではないか。
小品だが、とてもおもしろい、そんな作品だ。
ブログを見てください。お願いします。
h ttp://ameblo.jp/haru144/
第二次大戦前にヨーロッパでオーロラが見られたように、
アメリカでオーロラが見られました。
また、ダニエル書の合算により、
エルサレムを建て直せという命令が、5月15日だと理解できます。
エルサレムを基準にしています。
2018年 5月14日(月) 新世界
2018年 3月30日(金) ノアの大洪水
↑
この期間に第三次世界大戦が起きています。
↓
2014年 9月17日(水) 荒らすべき憎むべきものが聖なる場所で神だと宣言する
2014年 9月10日(水) メシア断たれる
↑
この期間に世界恐慌が起きています。
↓
2013年 7月3日(水) メシヤなるひとりの君が(天皇陛下)
2013年 5月15日(水) エルサレムを建て直せという命令が・・・
天におられるわれらの父とキリスト、
死者復活と永遠のいのちを確信させるものです。
全てあらかじめ記されているものです。
これを、福音を信じる全ての方、
救いを待ち望む全ての方に述べ伝えてください。
ダイエット法の記事をアップしましたが、また太り始めました。
そろそろランニングを始めないとまずいかな、と。
明日こそは、とこの二週間くらいもやもやしている私。
>はるさん
へ~そうなんですか。
それは大変ですね。
がんばってください。