ブラジルが誇るトップミュージシャン、“ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ”の誕生の実話に基づく物語
ブラジル音楽は何となく聴いたことはあるが、あまり馴染みがないよね。ましてや“セルタネージョ”という音楽ジャンルがあるなんて・・・・。この映画で初めて知ったわけだこの“ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ”というデュオはブラジル国内で、何と2200枚を売り上げているトップスターらしい。ところで“セルタネージョ”とは何ぞやアメリカで言うところのカントリーミュージックと同じだとか。今や国民的な英雄となったゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ”がトップミュージシャンとして活躍する過程には父親の存在が大きく影響している。この作品では父フランシスコとトップデュオになった二人の息子の話が描かれている。
実はこの映画のチラシや予告編も観て気になっていた作品で、4月1日のファーストディに東宝シネマ二条にて、鑑賞した!
《物語》舞台は1962年のブラジル、ゴイアス州 シチオ・ノーヴォ村。見渡すかぎり畑しかないこの土地で、小作農のフランシスコ(アンジェロ・アントニオ)には愛する妻エレーナ(ジラ・バエス)との間に7人の子どもがいて、仲むつまじく暮らしていた。さえ買えない貧しい生活だったが・・・・。明るい一家の中心にあるのは、フランシスコの大好きなだった。
フランシスコには、息子たちをプロのミュージシャンにしたいがあった。長男ミロズマル(ダニエル・モレイラ)にはアコーデオンを。次男ミヴァル(マルコス・エンヒケ)にはギターを買い与える。ところがフランシスコはラジオで音楽を聴く以外、音楽そのものを全く知らないそんなフランシスコはやることなすこと全てトンチンカン村の人々はイカレていると噂する
他に遊び道具もない兄弟は次第に村の祭りなどのステージに立ち喝采を浴びるようになった。貧しさや苦しさがあっても明るい一家だったが、地代が払えず、とうとう土地を追い出されることにやむなく、州都ゴイアニアに移住することになった。雨漏りするで新しい暮らしがスタートしたが、子どもたちに食べさせるものが底をつく事態に・・・・・。そんな状態にするエレーナ。そんな母の姿を見たミロマズルは、少しでも家計の助けをしたいと弟エミヴァルとターミナルで路上ライブを始めた。
次第に路上ライブは評判となり、たちまち二人は人気者にそんな二人の元に、地元のタレント・エージェントのミランダ(ジョゼ・ドゥモン)から二人を連れて国中をまわりたいとオファー。大喜びするフランシスコだがエレーナは子どもたちと離ればなれになることに心配する。しかしツアーが一週間で終わるという条件で、渋々承諾する。でも実際に二人が帰ってきたのは、何と4ヶ月も経ってからだったやっと戻った息子たちを力いっぱい抱きしめるエレーナは安堵のを流す。フランシスコもツアーに出した事に後悔し、約束を破ったミランダに抑えようのないをぶつける。
それ以来、フランシスコは自分で子どもたちのエージェントをつとめようとだが何のコネもない彼には、ラジオののど自慢のブッキングさえ、ままならないそんなとき、フランシスコはミランダと再会ミランダはツアーの件をし、子どもたちの将来のためのもう一度チャンスをくれと、フランシスコに、説得するその真摯な態度に心打たれたフランシスコとエレーナは週一度連絡をいれることを条件に二人をツアーに送り出す
こうして再びミロマズルとエミヴァルのツアーは始まる。二人のは多くの人を楽しませる。いつしか自分たち自身も楽しめるようになっていった訪れる町が増えるたび、たくましく成長する二人最初のツアーでホームシックになったエミヴァルも今回は明るい表情だしかし、そんなエミヴァルに思いがけない悲劇がツアーの移動中、事故に巻き込まれるのだミロマズルとエミヴァルのミュージシャンとしてのキャリアは突然の幕切れに・・・・・
やがて大人になったミロマズルは、あきらめかけていたをもう一度再開“ゼゼ・ヂ・カマルゴ”と名乗り、サンパウロでソロアルバムを出す事に。結婚・二人の娘の父となり、音楽で何とか食べていけるようになっていたが・・・・・。自ら歌ったアルバムは売れず作曲家としては成功を遂げていたが、やはり歌での成功を苦しみ・悩むゼゼそんな時、11歳違いの弟ウェルソンがパートーナーになりたいと、ゼゼの元へやって来る。
こうして“ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ”が誕生1990年ゼゼが書いた「エ・オ・アモール」をリリース。この曲が父フランシスコの協力もあり、ラジオ旋風を巻き起こす100万枚の大ヒットを記録。ブラジルが誇るミュージシャンの誕生に・・・・。
「エ・オ・アモール」日本語で「これは愛だ」
ミロマズルとエミヴァルの歌声は素晴らしいものだったミロマズル役のダブりオ・モレ・イラ君は本作が役者デビュー。この作品以降もで活躍中歌うことはもちろん大好き。ハーモニカとアコーディオンは実際に弾ける。
弟エミヴァル役のマルコス・エンヒケ君は子役として出演経験あり。映画は初めてだそうだ。ダブりオ・モレ・イラ君同様、歌が大好きそしてハーモニカ・アコーディオンも実際に弾ける。二人とも才能豊かな少年たちなのだ
舞台となった雨漏りするは実際に彼らが住んでいたところだそうだ。フランシスコ役のアンジェロ・アントニオはここで撮影したことをこう語る。全てがシンボリックで、神秘的。そして強いエネルギーに満ちていた。その場所で撮影したことで、満ちているエネルギーを感じることができたと・・・・。
監督/ブレノ・シウヴェイラ
本作が監督デビュー作となる。なんと、クランクイン前日、フランシスコが乗る馬から墜ちて、腕を骨折するというアクシデントに見舞われたが、撮影を延長せず監督をつとめあげたドキュメンタリー映画からキャリアをスタート。その後数々の長編作品にも携わっている。ミュージックビデオ・CM撮影も手がけている。
ミロマズルとエミヴァルが凄く可愛い歌声もたまらなくいいこの二人の素晴らしい演技にも注目です。