銅版画制作の日々

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母なる証明(2009)◆MOTHER

2009-11-08 | 映画:ミニシアター


永遠に失われることのない母と子の絆。
すべての“謎”の先に“人間の真実”が明かされる。

母の子供への無償の愛

殺人事件の容疑者となった息子を救うため、
真犯人を追う母親の姿を極限まで描く、
ヒューマン・ミステリー

11月6日、京都シネマにて鑑賞。頭をどつかれたような凄い衝撃を受けた。「チェイサー」といい勝負じゃないかな・・・・?!

冒頭から驚き!というより不思議な光景なのだ。母(キム・ヘジャ)が晩秋のすすき野原で突然踊りだすシーンである。何で踊るの?一体これは何を意味するの?唐突なシーンには監督の狙いがあるようで・・・・・。ここからちょっとネタばれになります。
何でも、観客に宣戦布告という意味が込められているらしく・・・・。つまり物語は予想とかけ離れた方向へと進むことを示しているというのです。
この作品を作りたいと思ったのには監督なりの理由があった。“韓国の母”キム・へジャと撮ってみたいという思いだった。また彼女は監督にとって、小さい頃から、キム・へジャには隠された裏があり、それは狂気だと感じた。つまりあの白昼の野原で一人踊る事自体、狂気に感じるし。この光景で、キムの持つ狂気を表現したかったんではないだろうか?

う~んなるほど。監督はキム・へジャの持つイメージを自分なりにそう感じ、キム・へジャの映画を撮ろうとしたようですね。

キム・へジャの演じる母は、子供トジュンに異常なまでの愛を注いでいる。それはまさしく無償の愛というものである。

そんな子供のような心を持つ純真無垢な息子が、ある日突然、殺人容疑で逮捕。トジュンに限ってそんな事をするわけがない!と無実を証明するために、母はたった一人で真犯人を追っていくことに・・・・。


愛息子のためにひたすら真実を見つけるべく母は奮闘するのだ。
キム曰く、人間の母ではなく、傷を負った動物的母親だと・・・・。


母が溺愛する息子、トジュン役にはウォンビン。“韓流四天王”と言われる韓国のトップスターだそうで。私は全く知りませんでした(汗)

兵役終了後の復帰第一作で、引きこもりのダメ男を見事に演じ、そのダメさが母の母性をくすぐるようである。一人では何もできなくて手がかかるが、母にすれば可愛くて仕方がいいのだろう。

需要と供給の関係?というと利害関係だが、結局2人の関係は利害関係ではないが、求めるものと求められるものが一致しているから、そういう親子関係が必然的に成り立つという風にも捉えることが出来る。

それにしても異常な母の愛は物語が進むにつれて、凄い緊迫感がオーラのように漂い、母とともに観客までが真犯人探しにいざなうような気分になる。

物語

「この子を守るのは私しかいない・・・。」

静かな田舎町。トジュンは子どものような純粋無垢な心を持った青年。漢方薬店で働く母にとって、トジュンの存在は人生の全てであり、いつも悪友のジンテと遊んでいることで心配の絶えない毎日だった。そんなある日、女子高生が無惨に殺される事件が起き、容疑者としてトジュンが逮捕されてしまう。唯一の証拠はトジュンが持っていたゴルフボールが現場で発見されたこと。しかし事件解決を急ぐ警察は、強引な取り調べでトジュンの自白を引き出すことに成功する。息子の無実を確信する母だったが、刑事ばかりか弁護士までもが彼女の訴えに耳を貸そうとしない。そこでついに、自ら真犯人を探すことを決意し行動を開始する母だったが…。


悪友ジンテ(チン・グ

最初、母はジンテが犯人ではないか?と疑い、ジンテの留守宅へ侵入。赤く染まった怪しいゴルフクラブを持ちだす。ジェムン刑事に届けるが、調査の結果、血の赤ではなく、単なる口紅の跡だった。


ジェムン刑事(ユン・ジェムン)は事件の早期解決をもくろみ、言葉巧みにトジュンを追い詰めていく。

母に疑われたジンテは母の行為に激怒!慰謝料を要求。怯えながら、彼の要求に従うしかない。その後、殺されたアジョンについて、謎解きをするジンテだった。

ジンテの言葉を聞いた母は、すぐに遺体現場へと駆けだす。どしゃぶりの雨の中、現場に辿り着いた母の眼前には、町中が一望出来る景色が広がっていた。遺体を放置するにはあまりにも目立ちすぎる。
「誰も信じるな。その手で犯人を捜すんだ」とジンテの言葉を胸に、真犯人を追うべく、再び母はたった一人で走りだす。

母はこの事件の重大な鍵を握る男を目撃した事を息子トジュンから聞き出します。この男が真犯人かもしれません。その男は、廃品回収業の男でした。すぐさまその男の住むところを訪ねます。ここで重大な目撃証言を聞くことになる母ですが・・・・。この後、とんでもない事態になっていきます。このことは母が一番否定したいような事実でした。その事で母は思いもよらぬ行為をしでかします。

その結果が冒頭の踊るシーンへと繋がります。と思えば、場面が一転してあの薬草を鉈で切るシーンへ・・・・・。そして事態は急展開へ。

ラストのバスの中で母を含め女性たちが踊るシーンも印象的です。母の思いもよらぬ行為の結末はどうなるのでしょうか?トジュンは母のした行為に気付いていたのでしょうか?

監督・原案:ポン・ジュノ監督

「殺人の追憶」「グエムル -漢江の怪物-」のポン・ジュノ監督がとある寒村を舞台に、息子の無実を信じてたった一人で真犯人探しに奔走する母親の執念の姿をスリリングに描き出した衝撃のヒューマン・サスペンス・ミステリー。息子役には兵役後の復帰第1作となる「ブラザーフッド」のウォンビン。また、圧巻の母親を演じているのはTVドラマを中心に活躍し“韓国の母”とも称される国民的大女優、キム・ヘジャ。


ウォンビン


キム・へジャさん、映画とはまったく違いますね。お美しい


 

メディア 映画
上映時間 129分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開(ビターズ・エンド)
初公開年月 2009/10/31
ジャンル サスペンス/ミステリー/ドラマ
映倫 PG12

 

オフィシャル・サイト
http://www.hahanaru.jp/
Comments (3)
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