銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

少年と自転車(2011)◇◆LE GAMIN AU VELO

2012-05-25 | 映画:ミニシアター

 ただ、一緒にいてくれたら、それだけでいい。

好き度:+8点=68点

京都シネマにて最終日鑑賞。

ダルデンヌ兄弟が贈る感動のヒューマン・ドラマ。前作「ロルナの祈り」がとても好きで、今回も楽しみにしていました。

内容はかなり深刻なものですが、意外に映像から受ける印象は優しくて明るい雰囲気です。「ロルナの祈り」とはまったく正反対ですね。

監督の話によると撮影をしたのが夏だったそうで、木々の緑や太陽を映し出したことが今回の作風をとても軽やかになったのだと、、、。

この映画のポイント→自転車 少年の人との繋がりを意味している。自転車で出会う人たちとの関わり。つまり自転車が少年の生きる糧の一つなのでしょうね。

哀しいときも嬉しいときも少年は自転車のペダルを踏みこみ力一杯走ります。その時々で表情を変えて走る少年の姿は印象的でした。

 父親探しをするときも自転車で、、、、。

自転車を奪われたり、取り戻したりとアクティブに動く少年の姿も何ともいえず。

さてお話は、、、、。(goo映画より)

シリル(トマ・ドレ)は、もうすぐ12歳になる少年。彼の願いは、自分を児童養護施設へ預けた父親(ジェレミー・レニエ)を見つけ出し、再び一緒に暮らすこと。電話が繋がらない父を捜すため、学校へ行くふりをして父と暮らしていた団地へと向かうが、呼び鈴を押しても誰も出ない。探しにきた学校の先生から逃れようとして入った診療所で、美容院を経営する女性サマンサ(セシル・ドゥ・フランス)にしがみつくシリル。“パパが買ってくれた自転車があるはずだ!”と言い張るが、部屋を開けるともぬけの殻。ある日、シリルのもとをサマンサが訪ねてくる。シリルの話を聞いて自転車を探し出し、持っていた人から買い取ってくれたのだ。“乗っていたそいつが盗んだんだ!”と憤るシリル。サマンサに週末だけ里親になってもらうことを頼み込み、一緒に過ごしながら、父親の行方を捜し始める。自転車の売り主はガソリンスタンドにあった“自転車を売る”という貼り紙を見て、手に入れたという。大切にしていた自転車を売ったのは父親だったのだ。貼り紙から住所を探し出し、ようやく父親と再会するシリル。

 「ロルナの祈り」ではドラッグ中毒役だったジェレミー・レニエが父親役。

父親は“お金がなくて迎えに行けない”と弁明する一方で、密かにサマンサに“重荷なんだ。会いたくないと伝えてくれ”と頼む。しかし、サマンサは、自分で告げるよう父親に言う。“もう会いに来るな”との言葉を残して、扉を閉める父親。これをきっかけに、サマンサはそれまで以上に真摯にシリルと向き合い始める。恋人との間に軋轢が生まれるほどに、彼女はシリルを大切に思い始めていた。どうしようもなく傷ついた心を抱えるシリル。ふたりの心は徐々に近付いていくかに見えた。けれど、ふとしたことで知り合った青年との関係が、シリルを窮地に追い込む……。

主演のシリル役にはオーディションで選ばれた新人トマス・ドレ君。等身大の悩める少年を見事に演じていました。

やっと見つけ出した父に追い返されるシリルは、自分がなぜ拒絶されるかわからず思わず顔をかきむしるシーン凄くリアルでしたね。状況が理解できず、イライラをコントロールできないシリルを見事に演じていました。

そんな彼に“密売人”と呼ばれる年上の少年が接近して来る。シリルの喧嘩の仲裁に入ったその少年は上手く言い寄るわけです。


結局強盗を強要される。ところが被害者に顔を見られたのが運のつき。年上の少年はシリルをばっさり切り捨て。奪った金をもらったシリルはその金を持って父親のところに、、、、。金によって父が受け入れてくれると思ったが、父親は関わることを避けるのである。

何とも哀しい場面でした。結局のところシリルはサマンサによって救済されることに・・・・。

 
ここでも自転車はシリルにとって必要なアイテムなんですね。

ラスト近くの場面で強盗した相手の少年に逆に追い撃ちをかけられるというとんでもないハプニングがあります。追い撃ちをかけられた末、木の上から転落。よもや死んだのかと思ったら?

結局のところ何事もなくラストを迎えるという事に、、、、。これは何を意味するのか?単に人生色々ありってとこですかね。

解説(goo映画より)

「ロルナの祈り」のダルデンヌ兄弟が、日本で開催された少年犯罪のシンポジウムで耳にした“育児放棄された子ども”の話に着想を得て作り上げた作品。出演は、「ヒア アフター」のセシル・ドゥ・フランス、100人の候補者の中からオーディションで選ばれた新人トマ・ドレ。カンヌ国際映画祭で、審査員特別グランプリを受賞。

メディア 映画
上映時間 87分
製作国 ベルギー/フランス/イタリア
公開情報 劇場公開(ビターズ・エンド)
初公開年月 2012/03/31
ジャンル

ドラマ

 
                                    ダルデンヌ兄弟

オフィシャル・サイト
http://www.bitters.co.jp/jitensha/
 
 
 
 
 
 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする