銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

わが母の記(2011)

2012-05-07 | 映画:シネコン

 たとえ忘れてしまっても、きっと愛だけが残る。

好き度:=60点

MOVIX京都にて鑑賞。

樹木希林さんの八重が素晴らしい。こんなに老け役を見事に演じる女優さんはいないでしょうね。その上に認知症を患うという難しい設定でですからね。どういうところからヒントを得て演技に挑むんでしょうか。

そしてその息子役には役所広司。娘には宮崎あおい。この3人が軸となって物語は進んで行きます。

役所さん演じる伊上洪作は幼少期、自分だけが両親と離れて育てられた経験を持ち、“母に捨てられた”との気持ちがいまだに拭えないままで、今もその事にこだわって生きていた。そのせいか自分の娘たちには必要以上に干渉。3人娘の三女琴子は特に父への反発を強めていた。

幼少期の実体験はかなり辛かったのかしら?


かなりトラウマなんでしょうね。多感な年ごろにそういう経験をするとそんなものかもしれませんね。

そう言えば私の父も実母からの愛情が薄かったということで、見る夢に出て来るのは仕事先でお世話になった奥さんだったとか。あまり恨んだりすることは無かったらしいけど、母への想いはあまりないと話していました。

洪作さんはかなり恨みが深かったようですね。数十年経った今も癒えない心の傷への思いを問い質すのだが、すでに認知症を発症しているため、母とは話しにならない状態。

その本心を知りたい。どうして自分を捨てたのか?複雑な感情が交差して何とも物悲しいものも感じます。

時間を追って次第に認知症の度合いがきつくなっていく八重の姿も印象的でした。それにしても介護の問題は昔も今も大変な問題。このお話しでは意外にも家族の連携が上手く取れており、皆えらいなあと感心します。特に三女の琴子は自ら買って出て祖母の面倒見るんですから。
今どきの若い人ならやりますかね?

 

 話は変わりますが、洪作さんの家庭がまたとても素晴らしい!そう今でいうイベントのようなもの。セレモニーっていうのか。一同そろっての夕食や、赤ちゃんのお食い初めをしたり、祖母の誕生パーティをホテルで開く。今ではあまり見られない光景ではないでしょうか?

全体的には淡々としたテンポな作品。そんな大きな感動巨編というパターンではありません。どちらかといえば静かな物語と言えるのではないでしょうか。

感動ものだと勘違いして見るとあれっ?!と思うかもしれません。

あらすじ(goo映画より)

1959年。小説家の伊上洪作(役所広司)は、父・隼人(三國連太郎)の見舞いに行った湯ヶ島の両親の家から東京の自宅に帰ってくる。妻の美津(赤間麻里子)、長女の郁子(ミムラ)、二女の紀子(菊池亜希子)が、伊上の新作小説にせっせと検印を捺している。それはベストセラー作家の家族の大切な仕事であったが、三女の琴子(宮崎あおい)の姿はない。自室にこもって夕食にも降りて来ない琴子に不満を募らせる伊上。深夜、持ち直したかに見えた隼人の訃報が入る。1960年。父亡き後、伊上の妹・桑子(南果歩)が母・八重(樹木希林)の面倒を見ているが、八重の物忘れはますますひどくなっていく。1963年。八重の誕生日に、川奈ホテルに集まる一族。伊上のもうひとりの妹・志賀子(キムラ緑子)、夫の明夫(小宮孝泰)、運転手の瀬川(三浦貴大)、秘書の珠代(伊藤久美子)も参加しての盛大なお祝い会。だが、八重の記憶はさらに薄れていた。1966年。結婚した郁子が赤ん坊を抱いて里帰りした日、湯ヶ島は大騒ぎになっていた。八重が、交通事故に遭って家で療養している明夫を罵倒するというのだ。しばらく伊上が引きとることになるが、八重を冗談のタネにする家族に、琴子が突然怒り出す。さらに話は伊上の子育て批判に発展、紀子までもが初めて父に反抗する。日頃から家族を小説やエッセイのネタにする父への不満が一気に爆発したのだ。琴子の提案で、八重は軽井沢の別荘で暮らし、琴子と瀬川、手伝いの貞代(真野恵里菜)の3人で面倒を見ることに。1969年。伊上が5歳の時から8年間、伊豆の山奥の土蔵で彼を育てた曾祖父の妾・おぬいの五十回忌の法要で、顔を合わせる一族。琴子はプロの写真家になり、瀬川と付き合っている。紀子はハワイへの留学を父に許される。八重は夜に徘徊するようになり、もう誰が誰かも分からなくなっていた。ある朝、おぬいに息子を奪われたという八重の言葉に感情を抑えられなくなった伊上は、初めて母と対決しようと「息子さんを郷里に置き去りにしたんですよね」と問いつめる。しかし、八重の口からこぼれたのは、伊上が想像もしなかったある“想い”だった。こらえきれず、母の前で嗚咽する伊上。母との確執を乗り越え、晴れ晴れとした気持ちで紀子を送るハワイ行きの船に乗りこむ伊上。だが、伊上のもとに八重がいなくなったという知らせが届く……。


希林さんこんなに小さくなっちゃった(笑)ホントこの人しかこういう役出来ないんじゃあ?


長女役のキムラ緑子(左)。方言もナイスでした!

解説(allcinemaより)

昭和の文豪・井上靖の自伝的同名小説を役所広司と樹木希林の主演で映画化した家族ドラマ。子どもの頃に母に捨てられた記憶がトラウマとして残り、母とのわだかまりを抱えたままの主人公が、年老いていく母と向き合った日々を丁寧な筆致で描いていく。共演に宮崎あおい、南果歩、キムラ緑子、ミムラ、三國連太郎。監督は「クライマーズ・ハイ」の原田眞人。

メディア 映画
上映時間 118分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(松竹)
初公開年月 2012/04/28
ジャンル ドラマ
映倫 G

 

オフィシャル・サイト
http://www.wagahaha.jp/
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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別離 (2011) JODAEIYE NADER AZ SIMIN

2012-05-04 | 映画:ミニシアター

 はじまりは、愛するものを守るための些細な“嘘”だった――。

好き度:=60点

ベルリン国際映画祭で金熊賞を含む3冠に輝いたのをはじめアカデミー外国語映画賞受賞など世界中の映画賞を席巻したという話題作品を観て参りました。

実は前作「彼女が消えた浜辺」も鑑賞したのですが、どうも相性が悪い(爆)しかし今回は色々な賞を獲得したということもあって前作より期待度をあげて観に行ったのですが、、、、。どうもこの乗りにはついていかれませんでした。

多くのブロガーさんたちが大絶賛する中、合わない、乗れないという記事を書くのも何だか申し訳ないような気もしますが。。。。

ミステリーということですが、そんなに緊迫感を感じなくて。なんて言ったらいいのでしょうね。確かに身の潔白を正すには咄嗟に口から出まかせを言うことってあります。それがドンドン大きくなって収拾がつかなくなるっていうのはよくある。そのあたりを上手く描きだしたりしているのですが、惹きこまれるほどのミステリアスさは感じないです。

もちろん登場する人物は誰一人悪い人はいないんですが。己の潔白や保身を優先とするならば、こういう事になりゆるのは目に見えている。そのあたりの人間描写は凄いなあとは思いました。こんな人身近にもいるわと思わせるところはう~ん納得!

好きなシーン☆

冒頭の夫婦が家庭裁判所に離婚許可を申請する場面の2人のシーンは結構惹きこまれた。後は夫ナデルの父の認知症を演じた俳優さんの演技はとてもリアルで、びっくり!マジじゃあない?と思うくらい凄いなあと思いましたね。


ラジエーの子供役の女の子、良い味出していましたね。

 あらすじ(goo映画より)

ナデル(ペイマン・モアディ)とシミン(レイラ・ハタミ)は結婚14年の夫婦。間もなく11歳になる娘テルメー(サリナ・ファルハディ)とナデルの父の4人で、テヘランのアパートで暮らしている。娘の将来を案じたシミンは国外移住を計画し、1年半かけて許可を得たものの、ナデルの父がアルツハイマー病を患ったことが誤算となる。介護の必要な父を残して国を出ることはできないと主張するナデルと、たとえ離婚してでも国外移住を希望するシミンは対立。話し合いは裁判所に持ち込まれるが、離婚は認めても娘の国外移住は認めないと、ナデルが譲らなかったため、協議は物別れに。これを機にシミンは、しばらく実家で過ごすこととなる。そこで、家の掃除と父の介護のために、ラジエー(サレー・バヤト)という女性を雇うナデル。しかし、男性の体に触れることは罪ではないかと心配する敬虔なイスラム教信者のラジエーは、ナデルの父が失禁する場面を目にして激しく動揺。また別の日には、彼女が目を離した隙に、父がふらふら出て行ってしまうことも。そんなある日、ナデルとテルメーが帰宅するとラジエーの姿はなく、ベッドに手を縛りつけられた父が倒れ、気絶しているところを発見。ラジエーはほどなくして戻ってくるが、頭に血が上ったナデルは事情も聞かず、彼女を手荒く追い出す。その晩、ラジエーが病院に入院したことを知ったナデルは、シミンと一緒に様子を見に行き、彼女が流産したことを聞かされる。これにより、ナデルは19週目の胎児を殺した“殺人罪”で告訴されてしまう。ナデルはラジエーの妊娠を知っていて突き飛ばしたのか……?だとしたら、それは流産するほど強かったのか……?一方、ナデルもラジエーが父に行った行為に関して彼女を告訴。裁判は次第に多くの人々を巻き込み、それぞれの思いが交錯、複雑に絡み合ってゆく……。運命に翻弄されてゆく2組の家族。彼らが辿り着いた結末とは……。

  

介護、格差社会、信仰 夫婦間の倫理的問題等、、、、。現在のイランの現状を浮き彫りにしているところは、勉強になりますが。

 解説(allcinemaより)

前作「彼女が消えた浜辺」がベルリン国際映画祭で監督賞に輝くなど世界的に注目されたイランの新鋭アスガー・ファルハディ監督が、一組の夫婦のすれ違いが思わぬ事態へと発展していくさまを、伝統と近代化の狭間で揺れるイランの社会事情を背景にスリリングに描き出したヒューマン・ドラマ。さまざまな社会問題や普遍的な家族の間の心の葛藤を丁寧に織り込みつつ、緊張感みなぎる会話劇に予測不能のストーリー展開を見せる巧みな脚本が賞賛され、色々な映画祭で賞ゲットした。

メディア 映画
上映時間 123分
製作国 イラン
公開情報 劇場公開(マジックアワー=ドマ)
初公開年月 2012/04/07
ジャンル ドラマ/ミステリー
映倫 G

 

オフィシャル・サイト
http://www.betsuri.com/
 
 
※私にはハードル高い作品かもしれません。 
 
 
 
 
 
 
 

 

Comments (6)
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第二回関西ブロガーオフ会☆★大阪スティーションシティにて開催♪

2012-05-03 | 映画全般

GWウィ―ク真っ只中です。皆さん、如何お過ごしでしょうか?

じゃ~ん!私は初めての関西ブロガーオフ会に参加して参りましたよ。

いつもはネット上だけでの交流で会ったこともない皆さんだけに、、、、。そんな皆さんと会えるなんて本当にドキドキものでした(汗)

ところがいざお会いしてみるとスッと溶け込め、随分前から知り合いだったようなそんな気分に(笑)さすが関西の方たちだ!

印象深いのはこねたみっくすのにゃむばななさんの独特な語り、そして悠雅的生活の悠雅さんのリズミカルな話口調がとても印象的で、ぐいぐい引き込まれました。

京都、大阪、兵庫、奈良の映画館事情も色々知れて、、、、。どこそこの映画館の割引情報はこうやとか。いっぱい知ることが出来ました。

古き良き時代の映画についても知る機会が持てたことも一つの収穫かもしれません。それにしても皆さん事情通ですね。

当初の予定は2時間(13:00~15:00)までだったのですが、話がかなり盛り上がり結局何と17:00まで話しは尽きなかったのでありました。

尚、にゃむばななさんのコアなネタが全てブログに書かれていますので是非お読み下さい。

参加メンバー

AKIRA‘VOICE 晶さん(幹事さん)  B-scale fan‘log 豊中さん  映画と旅行、にゃんぱらりんな日々 にいなさん

こねたみっくす  にゃむばななさん  ~青いそよ風が吹く街~ BCさん 悠雅的生活 悠雅さん 銅版画制作の日々 以上7名

 

ということでこの盛り上がりで次回も年内に開催されるということが決定しました。晶さん、にゃむばななさん宜しくお願いします。そして今回参加されなかったブロガーさん、次回は是非!

 

 

Comments (14)
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セットアップ(2011)◇◆SETUP

2012-05-01 | 映画:ミニシアター

好き度:=40点

京都みなみ会館にて鑑賞。

いやあこれダメでした 情けないわ~!半ば居眠りしてしまい、、、、。最近あたりが悪い(汗)それもそのはず本国アメリカでは劇場上映はされずDVDスル―されたらしい。言われてみたら納得です。

お話はそんな大したことはなかったです。実はブルースが出ているので気になっていたんですが。チラシを見ると結構メインなのかと思いきや実は本当に脇役ぽいポジションでの出演。

主役はカーティス・“50 Cent”・ジャクソンというヒップホップMC、俳優、企業家などあらゆる顔を持つ方らしく、おばさんの私にはまったく馴染みのない方なもので、、、、。何だかね。

準主役にはライアン・フィリップ。久しぶりに見ました。カオスや硫黄島~では大活躍だったけど。今回はカーティスを相手に徹底的に悪役を演じていました。

あらすじ(キネマ旬報さんより)

サニー(カーティス“50 Cent”ジャクソン)、ビンス(ライアン・フィリップ)、デイブ(ブレット・グランスタッフ)の3人は兄弟同然のワル仲間。そんな3人が、ダイヤモンドの配達人が乗った車を襲い、500万ドル分のダイヤモンドを強奪する。しかし、3人の友情もそこまでだった。ビンスはデイブとサニーを撃ち、ダイヤモンドを独り占めして逃走。デイブは死亡し、サニーは奇跡的に命拾いをした。なぜビンスは裏切ったのか?
 

アメリカの強盗はこんな風にお面をつけて顔を隠すのが一般的なのかしら?
 
ビンスを捜し回るサニーに、ギャングのボス、ビグズ(ブルース・ウィリス)が目を留める。冷酷非情で知られるビグズだが、犬猿の仲のマフィア、ジョンRがビンスと手を組んでいることを知り、サニーを仲間に引き入れる。
 
 
アクションあるもののそんなに見入るほど凄くはないしね。そういえばビンスの親戚ミアが殺されるシーンはちょっとえぐかったかな。でも全体的にそんなクライムアクションというほどのものではないような?
 
ビグズの手下ピーティ(ランディ・クートゥア)とサニーは200万ドルを奪う指示を受けるが、その帰りに立ち寄ったドラッグの売人の家で銃が暴発し、ピーティは死亡。ビグズがこの事故を信じないと考えたサニーは、死体を処分し、金を持って雲隠れする。さらに、ダイヤモンドの配達人が乗っていた車の女運転手ミア(ジェナ・ディーワン)がビンスの親戚だったことから、彼の居場所を突き止める。サニーが自分を捜していると知り、ジョンRに助けを求めるビンス。しかし、ジョンRはサニーと手を組んだビグズを恐れていた。

父親が獄中で殺される理由ももう一つわけがわからなくて、、、、。まあ世の中全て金次第なんだろうけど。
 
身の危険が迫る中、ビンスは24時間以内に刑務所長に10万ドルを届ける必要に迫られる。彼が大金を必要とした理由は、服役中の父が獄中で殺されないように賄賂を払い続けるためだった。一方、一計を案じたサニーはビグズのもとへ出向き、ピーティを殺して金を奪ったのはビンスだと告げる。これによって、ついにギャングとマフィアが激突。その銃撃戦から逃げ出したビンスを追うサニー。親友を誰よりも大切に思っていたサニーと、家族のために親友を裏切ったビンス。果たして、2人の対決の行方は……?


死んだデイヴのためにビンスを追うサニーだけど。そこまでの緊迫感や無常感などはそこまで感じなかったな。

というこで全般に薄っぺらい内容だった気がしてなりません。居眠りをした私がえらそうなことは言えませんが(笑)印象薄い感じですね。

解説(allcinemaより)

ヒップホップ・スター、カーティス・“50 Cent”・ジャクソン主演で贈るクライム・アクション。共演にブルース・ウィリス、ライアン・フィリップ。監督はスタントマンとしても活躍し、これが長編2作目となるマイク・ガンサー。
 


ブルースがもっと活躍してくれたら良かったのに(涙)

メディア 映画
上映時間 85分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(日活)
初公開年月 2012/03/10
ジャンル アクション/犯罪
映倫 PG12

 

オフィシャル・サイト
http://setup-eiga.com/

 

※ということでちょいと短めのレビューでした。

 

 

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