ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

九州旅行記

2005年09月21日 | 随想録

    ♪長崎平和公園の有名な像です。


どうも根が気ままにできているらしく、
ふとした時にとんでもない行動にでることがあります。
突飛な行動に走る頻度は、
年を重ねるごとにさすがに減ってはいるんですが。
しかしやっぱり未だに妙なエネルギーが湧き出してる。


でもね、内心では
「こういうことができるってことは、
 ヘンに保守的になってないってことなんだ~」と、
ちょっと&、いや違った、安堵してたりするんです。


この、「妙なエネルギー」が湧いた時、
いきなりブラリと旅に出たことが何度かありました。
寅さんみたいでしょ。
楽しかったな~。


最後に「風まかせの旅」に出たのは、
もう7年も前の夏だったんだ…
その日の夕方まではなんともなかったんですよ。
ところが、晩ご飯食べてる時(7時半頃だった)に、ふと

 「ちょっと行ってみよ~かな」

思い立ったら矢も盾もたまらなくなり、
慌しく身の回りの物をバッグに詰め、
CDを手当たり次第に20枚くらい車に積み、
出発してから決めた行き先が、九州。
気ままな九州への旅は二度目です。
九州、好きなんです。


出発は夜9時。
山陽自動車道をひたすら西へ。
途中、山口県の下松SAで仮眠を取りました。
朝日とともに関門橋を渡り、そのまま九州へ。



気の向くまま宮崎県で高速道路から降り、
えびの高原、霧島神宮へ。
神秘的な空気がとても清々しかった。


     
      霧島神宮


三日目は国道10号線で鹿児島へ向かい、桜島を一周。
鳥島展望所や湯之平展望台では飽きることなく
ボーッと景色を眺めていました。
ひたすら気分良かった。


     
      桜島 湯之平展望台


四日目は北へ上がって、熊本へ。これも気分で決めました。
国道3号線から国道266号線を通って天草半島へ。
朝日を気持ち良く浴びて、まず大江天主堂を訪ねます。


     
      大江天主堂


景色のよい道を走って、次は崎津天主堂です。
ここの天主堂裏の山頂にある「チャペルの鐘」へ登り、
そこからまたもボーッと天草灘を見下ろしつつ、命の洗濯。


     
      「チャペルの鐘」から見下ろす崎津天主堂と天草灘


そのあとふらりと立ち寄ったのが、
「サンタ・マリア館」という隠れキリシタンの資料館で、
隠れキリシタンについての面白い話を
館主の方からたくさん伺いました。
◎今でも天草地方ではキリシタンについて語りたがらない。これもかつてはキリシタンが迫害されていたことの名残り。
◎あまり厳しく隠れキリシタンを取り締まると、天草の農民の大半を罰しなければならなくなって年貢が徴収できなくなるので、代官所は、ある程度の信仰は大目に見ていた。ただし度が過ぎると、目に余る人を見せしめとして取り締まった。
◎隠れキリシタンのお墓の見分け方。
◎信仰の隠し方のいろいろな方法。
などなど。
一番印象に残っているのは、館主の方の
「私は『城』は大嫌いです」の言葉。
「一握りの特権階級のための築城が
 多くの農民たちを苦しめたから」なのだそうです。


     


ここには館主が収集した珍しい資料が数多くあります。
「2億円で譲って欲しい」という町からの要望を断わり、
自身のライフワークとして資料館を運営、
「隠れキリシタン」に関する研究を続けているそうです。


     


この日の午後、宇土半島からフェリーで島原へ。
天草四郎時貞の本拠地となった原城跡へ向かいます。
城跡もなく、ところどころに石垣が残っているだけ。
まさに「つわもの共が夢の跡」です。
そして350年経った今、
ぼくがここに立っているのが不思議な気持ちです。
そんなことを思いながら、
本丸跡地から島原湾をまたまたボーッと眺めていました。


     
      原城本丸跡にある十字架。
      ここには天草四郎の墓石と像もありました。


天草の乱での、幕府軍の反乱軍に対する攻撃は
残虐を極めた、といいます。


五日目は長崎。
朝一番で長崎の平和公園、そして浦上天主堂へ。


     
      浦上天主堂


そこから平戸市に向かい、平戸城に着きました。


     
      平戸城天守閣からの眺め。


そのあと平戸カトリック教会へ。
ここで見つけたロザリオは一目で好きになり、
今でもお気に入りとしてよく身につけています。



その後、平戸の町が舞台になった
「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」
(中村雅俊、大竹しのぶが出演していた)を見て、
なぜだかとても嬉しくなり、
懐かしくこの旅を思い出したんです。





そして、ここでふと「帰ろう」と思い立ったのでした。


この旅はすべてその時の気分で方向を決めたのですが、
不思議に行く先はお城と教会ばかりでした。


自分の中では「生きていること」を再確認できた旅でした。
いろいろ悩みもあった時だったのですが、
家にたどり着いた時は
とてもおおらかな気分になっていたのを覚えています。


そして今、また「気ままな旅の虫」がうずいているんですよ。
どうしましょ(笑)



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コメント (12)
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