秋の気配が感じられるようになった今日この頃です。
日本に住んでいて良かった、と思うことのひとつが、「四季」のあるところ。
秋の夜更けに楽しむ音楽や本、体の中にまでしみわたるような気がします。
夜中に似合う音楽のひとつが、ビリー・ジョエル。
彼の書く曲は、ジャズの香りがします。
そして、ニューヨークの夜を連想させてくれます。
とくに、「ストレンジャー」と「ニューヨーク52番街」は、ほんとうによく聴きました。
この2枚はビリーの代表作でもあって、極上のポピュラー・ミュージックが詰まっています。
ジャズのスタンダード・ナンバーのコード進行をうまく使って曲を作っているからでしょう、かすかなほろ苦さと大都会の孤独感が滲み出ています。
レコーディング・メンバーにも著名なジャズ・ミュージシャンが参加しているので、よけいにジャズ色が感じられるのかもしれません。
なかでも、「ストレンジャー」に収録されている「素顔のままで」は、実際にジャズのスタンダードと化しているくらいです。
「ストレンジャー」 1977年
☆ビリー・ジョエル(vocal, piano)
☆ダグ・ステグマイヤー(bass)
☆リバティ・デヴィットー(drums)
☆リッチー・キャナタ(sax, clarinet, flute, keyboard)
☆スティーヴ・カーン(guitar)
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★フィル・ウッズ(sax)
★ハイラム・ブロック(guitar) etc・・・
そのほかにも「ストレンジャー」には「ストレンジャー」「シーズ・オールウェイズ・ウーマン」、「ニューヨーク52番街」には「オネスティ」「マイ・ライフ」「ザンジバル」「アンティル・ザ・ナイト」など、名曲の数々が収められています。
全編にビリーのピアノが散りばめられていますが、曲調はバラードからロックンロールまで幅広く、魅力的でみずみずしい歌を聴くことができます。
「ニューヨーク52番街」 1978年
☆ビリー・ジョエル(vocal, piano)
☆ダグ・ステグマイヤー(bass)
☆リバティ・デヴィットー(drums)
☆リッチー・キャナタ(sax, clarinet, keyboard)
☆スティーヴ・カーン(guitar)
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★エリック・ゲイル(guitar⑦)
★ヒュー・マクラッケン(guitar⑥⑧)
★デヴィッド・スピノザ(guitar②)
★フレディ・ハバード(trumpet④)
★マイク・マイニエリ(vibraphone, marimba④⑥)
★ラルフ・マクドナルド(percussion⑥⑦)
★ドニー・デイカス(chorus③)
★ピーター・セテラ(chorus③) etc・・・
当時ラジオの深夜放送でもしょっちゅうビリーの曲がかかっていたので、なおさら「ビリーの音楽は夜に似合う」というイメージが植え付けられたのかもしれません。
それまでは地味なシンガー・ソング・ライターという印象しかなかったビリーですが、この二枚のアルバムで、押しも押されぬスーパー・スターとなりました。そして、今に至るまで素晴らしい作品を発表し続けているというわけです。
ビリーと言えば、シルヴェスター・スタローンによく似ていることでも知られていますね。
ぼくも初めて写真を見た時、「えっ」と思ったのを覚えています。