作者の池波正太郎氏。
「鬼平」ファンです。
いつの間にか、文庫本は全部揃ってしまいました。
何度も読み返しています。
物語自体が面白いのはもちろん、
文章の歯切れが良い。
これぞ和製ハードボイルド。
反面、全編を覆っているユーモラスな雰囲気。
目に見えるような当時の人々の日常生活。
人情あふれる逸話の数々。
主人公・長谷川平蔵の性格も、
その他の登場人物もみんな魅力的です。
描写がとても映像的なのも楽しい。
剣を合わせる場面では思わず手に汗握ります。
食べ物の描写には思わず食欲をそそられる。
テレビで長谷川平蔵を演じたのは、
松本幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門ら
錚々たる面々。
ぼくは最近のシリーズしか知らないけれど、
吉右衛門の平蔵をはじめ、
尾美としのりの「木村忠吾」、梶芽以子の「おまさ」
江戸家猫八の「彦十」など、
ぼくのイメージに近い配役ばかりでした。
中村吉右衛門(シリーズ四代目・長谷川平蔵)
ぼくはこれからも、
おりに触れてはこの本を読み返すでしょう。
長谷川平蔵は、実在の盗賊改方長官です。
やはりなかなかの人物だったそうですね。