ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

チープ・トリック (Cheap Trick)

2006年02月03日 | ミュージシャン


 『チープ・トリック』。
 このバンド、今年がデビューしてから30年目です。いつの間にか、大ベテラン・バンドの仲間入りをしてたんですね。


 ロビン・ザンダー(vo,g)とトム・ピーターソン(b)のふたりはとってもハンサム。
 対照的なのが、ギターのリック・ニールセンと、ドラムスのバーニー・カルロスです。
 キャップがトレードマークのリックはいつもおどけた表情だし、バーニーときたら、まるで雑貨屋のオヤジのような容貌。
 ハンサムふたりと、ユニークなふたりの対比が、とってもユーモラスなのです。
 しかし一見ヤサ男に見えるロビンですが、彼のヴォーカルは実にワイルドで、かつセクシー。ギターのリックやベースのトムのプレイの確かさには定評があるところですし、ドラムスのバーニーはタイトでずっしりと重いリズムを叩き出します。4人とも、実力のあるプレイヤーなのです。


     


 『チープ・トリック』は、まず日本で人気に火がついたバンドです。つまり、『クイーン』などと同じパターンなんですね。日本から逆輸入されたライヴ・アルバム(ライヴ・アット・武道館)が本国のアメリカでも評判となって、人気バンドにのしあがったわけです。
 これは、日本のロック・ファンの感性の確かさを物語る例としてよく引き合いに出される話でもあります。われわれロック・ファンとしても、ちょっとハナが高いですね。


 1970年代後半にデビューした時は、そのユニークな容貌から、いわゆる「ニュー・ウェイヴ・バンド」のひとつに見られていたこともあったようです。
 しかし『チープ・トリック』の音楽の本質は、あくまでロックン・ロールをベースにしたハードでポップなロックだと言えるでしょう。彼らの作り出す曲は、野性味がありながら、とても親しみやすくてメロディアスなのです。これが彼らの大きな特徴なんですね。
 ぼくが『チープ・トリック』を好きになったきっかけの曲は「甘い罠(I Want You To Want Me)」です。この曲の持つポップな面は、今も変わらず彼らの作品の中に生きています。


 1980年にトム・ピーターソンが脱退してからは低迷期に入り、『チープ・トリック』の明るいニュースを聞くこともなくなりました。正直もう「過去のバンド」と思ったこともありました。しかし、1987年にトムがバンドに復帰した後は、「永遠の愛の炎(The Flame)」が全米1位を獲得する大ヒットを記録し、劇的なカムバックを遂げました。
 その後も相変わらず質の良い、親しみやすいハード・ポップを発表し続けているようです。


     


 ちなみに、ぼくの愛聴曲は、前述の「甘い罠」のほか、「カリフォルニア・マン」、「サレンダー」、「サヨナラ・グッバイ」、「永遠の愛の炎」などなど、といったところです。そして最も好きなアルバムは、「天国の罠」です。


 2003年にはアルバム「スペシャル・ワン」を発表、来日公演も行った『チープ・トリック』です。ドラマーのバーニー・カルロスが病気のため一時療養していましたが、今は復帰しているようです。
 聞くところによると、今年の3月には、オープニング・アクトとして、エアロスミスのツアーに同行するそうです。デビュー30年目を迎えてさらに元気な『チープ・トリック』、早く新しい彼らの音を聴いてみたいものですね。

コメント (4)
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