公立学校教員に対しては、時間外手当(残業代)を支払わない代わりに給料月額の4%を「教職調整額」として支払われる制度が50年以上続いてきました。
ところが、このたび給与特別措置法(給特法)の改正が決まりました。
教職調整額の支給率は4%から2026年1月に5%とします。その後も年1%ずつ引き上げて2031年1月に10%となります。
そして、一方では教員の時間外勤務の縮減をはかるというのが、国の方針です。
すべての教育委員会に対し、所管する学校の時間外勤務の縮減に向けた計画を作成し、公表することを義務づけます。
計画には、時間外勤務縮減の目標や達成のための取り組みを入れ込むことが考えられます。
各教育委員会は計画の実施状況も毎年確認して公表することになります。
この計画作成と公表の義務づけは、教員の働き方改革の一層の推進がねらいです。
もともと、この法改正の論議の頃から、教職調整額のアップと時間外勤務の縮減の関連は薄いという話は出ていました。
教員の意識としては、これだけ時間外勤務をしたから、いくらの手当という感覚に乏しく、多くの教員は「子どものため」と思い勤務時間を過ぎても仕事をしています。
今回の教職調整手当の段階的引き上げは、時間外勤務と手当と関連していると教員は捉え直すという点では一定の意味はあるかもしれません。