箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

詩の学習で言葉を楽しむ

2024年01月23日 06時50分00秒 | 教育・子育てあれこれ
詩「むねに届く」  
山本純子

からだという住まいの
棟のあたりに
郵便受けがひとつ
取り付けてあって
時たま誰かのことばが届いたりする
郵便受けは手の届く高さにはないので
ほとんどのことばは
軒下に落ちている


国語の授業では、児童生徒には詩を学習する時間があります。

でも、鑑賞のしかた、つまり味わい方がわからないという子が少なくありません。

わたしは、そのことにあまりこだわらなくてもいいと考えています。

この詩が好き、あの詩は好きになれないと感じることはあるでしょうが、まずは詩に出会って知ることが大切です。

そのため、教科書にはたくさんの詩が載せてあります。

大きな自然の風景を連想する詩。

読んだときにジーンとくる詩。

リズム感があって、楽しくなる詩。

・・・・・・・・・・・・


そのような経験はしたことがない。

そうなのかなあ。

何か不思議な感じ。

そのように、子どもはいろいろな受け取り方をしますが、それでいいのだと思います。

また、詩は短いことばで書かれているので、いろいろな感じ方や読み方ができるのです。

「わたしはこの詩が好きです。なぜなら・・・」

「ぼくはこちらの詩にひかれます。この〜」

自分の考えたことを交流しあい、対話が生まれる授業ができます。



さて、冒頭の詩は、わたしは読んだときに、ハッとしました。

わたしは教師なので、おとなが、子どものことばを確実に受けとめているかが、問われているように感じました。

子どものいうことばだからと高をくくっていると、おとなに子どもの声は届きません。

おとな同士でも、相手からのメッセージが届くかどうかは、自分と相手の関係によってきまるとも思いました。



また、詩は声に出して読んだ方がいいと思います。

声に出すと語感やリズムを味わうことのできる詩があるからです。

さらに、詩を正確に写す学習もあります。

句読点をわざとつけていない詩があるかと思えば、たくさんつけている詩もあります。

句読点にも作者の思いがつまっているのです。

要は、詩の学習で言葉を楽しむことができるのです。

それが、詩の学習の意義なのです。


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