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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

自立するために必要なこと

2020年12月30日 08時15分00秒 | 教育・子育てあれこれ
最近の傾向として、チャレンジする子どもが少なくなっているという傾向は、さまざまな点で言えることだと思います。

とくに未経験なこと、はじめてやることには、ためらうとか、しり込みする中学生が多いようです。

はじめて一人でダンスをみんなの前で踊るとか、一人で英語のスピーチをするとか、一人で海外に留学するとか、後先を顧みず「わたしがやる」というような青少年は減ってきています。

ダンスや英語のスピーチや留学すべきだと、わたしは言っているのではありません。

「みんなにダンスを見てほしい」とか「英語を話したい」とか「あの国で学習してみたい」と思うとき、自分の力を信じることができず、チャレンジする意欲が下がってしまうのは、残念です。

学校教育では、そのような児童生徒の課題を、成功体験が少ないから、失敗することをおそれ、チャレンジしないという説明を、学校関係者や教育関係者は言います。

わたしも、その考えには賛成しますが、それだけではないと考えています。

そもそも、自分の知らない世界に飛び込む意欲や態度は、家庭が安定していて、親に保護されることで身につきます。

幼少期からたっぷりと親に依存する人間関係で育った子ほど、自立が早いのです。

依存というと、他に頼るということで、あまりいいイメージをもたない人もいるかもしれませんが、依存する体験は子どもの成長に不可欠です。

子育てにおける、「依存」と「自立」は一見、相反するように感じがちですが、両者は密接に関連しあっています。

自立するためには、依存が必要なのです。

思春期の反抗期というのは、そんな親に依存していた自分と決別するための行動です。

しかし、まだ十分には大人になっていない思春期の子は、反抗しながらも、ときには依存して親に甘えます。その繰り返しで、自立に向かうのです。

その依存と反抗をしっかりと受け止めてくれる家族といっしょに暮らす時間・期間をもつことで、子どもは自立できるのです。


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