新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2月からの累計で「コロナ倒産」が500件を超えたそうです。
飲食店をはじめアパレル関係の倒産が多いそうです。
国は、債務の支払いに対して保障をしましたが、固定費と言われる家賃や機材のレンタル料に対する対策が後手になり、5月にずれ込みました。
その遅れが、倒産件数を大きくしたと報道されていました。
「家賃の支払いは、国土交通省の担当だと思っていた」と、経済産業省は弁明しました。
私は、このコメントを聞いて、また行政の縦割り組織の弊害が出たと思いました。
私も少しだけ教育行政を経験しましたが、この悪しき慣習を実感しました。
課がちがうと、隣の課が計画している事業や施策を職員が全く知らないというのは、珍しいことではありません。
さらに一つの課の中では、上司から部下へというタテの関係が徹底しています。
私は、学校に長くいましたが、こちらはどちらかと言えば、校長・(副校長)・教頭以外の教職員は全てヨコの関係になっています。
これらのタテの関係とヨコの関係には、必ずといっていいほど利害関係が伴うものです。
タテの関係については、上司の命令・指示には自分の意思とは別に従わなければならない。
ヨコの関係についても、KYに代表されるように、同僚同士は、場の空気を読まないとたたかれる。
両方とも、多かれ少なかれ利害関係が絡んでくるのです。
そこで、今の時代にあう人間関係は、ナナメの関係だと、私は考えています。
ナナメの関係は、強くはないけどつながっていることが特徴の人間関係のことです。
たとえば、ボランティア活動はナナメの関係になっている場合が多いです。
震災ボランティアは、自分の利害関係に関係なく、困っている人を助けたいという純粋な発意で活動します。
大学生が学習支援ボランティアとして、子どもの学習を教えたりします。少しでも自分が役に立てたら、というたけの思いで活動します。
それらの活動は、利害関係とは別のところに成立します。
いま、地域の自治会や町内会に入りたがらない人は、タテの関係やヨコの関係にウンザリしているのが一つの理由かもしれません。
絆はつながりを生みますが、強すぎるつながりは、相手をしばりつける側面をもっているのです。
そこで、町内会・自治会で活動するが、ほかの日には市民グループやNPOで活動するという参加の仕方が、強くはないが、メンバー同士がつながっているのです。
一つだけに所属するのではなく、いろいろなコーディネートを受け、つながりあっているというナナメの関係が、今の時代に必要な人間関係かと考えます。
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