小さな子どもは、おとな(親、保育士、教師)との接触をしながら、人への絶対的信頼感を育んでいきます。
とくに赤ちゃんや0歳児の場合、泣くとおとなが近づいてくれて、あやしたり、おむつを替えてくれたりします。
このおとなのかかわりあいで、教育的には「愛着関係」を紡ぎ、赤ちゃんや幼い子は、自分を受け入れてくれるという、おとなへの信頼感を高めていくのです。
この点からだけいえば、とくに幼い子の子育てでは、いわゆる「濃厚接触」は避けて通ることはできない行為なのです。
とくに保育士の場合は、乳幼児とのスキンシップが多くなり、それが保育士としての「エッセンシャル業務」といっても言い過ぎにはならないでしょう。
その観点から、新型コロナウイルス感染症防止のため、子どもとの接触機会が失われることは大きな問題です。
保育士の多くの人の目下の悩みは、もし自分が感染していれば、子どもたちに感染を広げてしまうという不安です。
しかし、いま行われている新型コロナウイルスの検査は、感染が疑われる人や濃厚接触者を追跡して集中的に検査するのが主流です。
このやり方は、感染拡大やクラスター発生の防止に大きな役割を果たしていますが、「後追い検査」の範疇に収まるものです。
つまり、乳幼児への感染を未然に防ぐ対応策ではないのです。
まして、いまは全国的にも、無症状の人は経路不明の感染者は増えてきています。
保育を受ける子が感染症から十分に予防されているかは、はなはだ心もとないのです。
そこで、保育者や養育者が安心して子どもと接触できるよう、関係者が定期的に検査を受けられるよう、日頃乳幼児と接することを仕事にしている人たちの定期的な検査体制を充実させるべきです。
抗体検査も行い感染状況の事前確認をし、PCR検査を定期的に行う体制を設けるべきです。現状では、PCR検査を希望する人は高額な費用を負担しなければなりません。
保育士は仕事で業務を行っているのだから、自己負担をしなくて済むような(自己負担を低額に抑えるような)財政的支援を公費負担で国や自治体が行うべきです。
時代がいくら変わろうとも、子どもを育てる上で、人と人のスキンシップの大切さは変わらないのです。
乳幼児期のスキンシップは、愛着関係を育み、子どもの健やかな人格形成には欠かせないのです。
新型コロナウイルス感染防止対策の中で、子どもの発育・成長を保障するという視点が抜けているように、教育関係者として心配になります。
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