箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「人の命を救わなければ」

2024年11月15日 12時40分00秒 | 教育・子育てあれこれ
AEDは、心臓が小刻みに優えて血液を送り出せない状態になった患者がいるとき、心臓に電気ショックを与えて心臓の拍動を再開させる装置です。


わたしが教頭を務めていたとき、市からAEDが届けられ、学校の玄関先に設置するようにという指示を受けました。(その後、体育館の玄関先に設置場所が変更になりました。)


じつはは2004年7月に、医療関係者だけでなく、一般市民が用いても違法ではないとして使用に道を開き、普及を促したという経過の中で、学校への備え付けが始まったのでした。


最初は学校や公共施設での備え付けが始まりましたが、その後今は設置する場所が増え、商業施設やオフィスにも置いてあります。



人間はいったん心停止すると蘇生率が1分ごとに7~10%下がるといわれています。


ですから、そこに居合わせた人が直ちにAEDの電気ショックを与えるのは、蘇生率を向上させる大きな効果があります。


2022年に心肺停止した人の中で、心肺蘇生がないと生存率は7%でした。


ところが、胸骨圧迫やAEDなどの心肺蘇生を施された人の1カ月後の生存率は13%にもなりました。




ただし、一般の人がAEDを前にしてたじろぐことなく操作するには事前の知識と技術が必要です。


学校では教職員全員が救命救急講習を受けています。


また、教育の一環として児童生徒にも使い方を教えている場合も多くあります。


さらなるAEDの活用を一般市民に浸透させるには、各職場や地域で使い方講習を増やしていく必要があります。


人の命は一人が救うものではなく、居合わせたみんなで協力しあい助け合うことで達成されるものです。


とりあえずは、胸骨圧迫は居合わせた誰かができればいいでしょう。


できない人は救急車を呼んだり、救急隊員を誘導したり、AEDをさがして持ってきたりして連携して、AED操作者に協力します。


救急隊員が到着する前に、AEDで心臓の拍動が再開すれば、「アッ、動き出した!」となり、居合わせた人たちのチームの連携が人の命を助けたことになるのです。


その人たちは、「人の命を救わなければ」という思いとミッションをメンバーそれぞれが共通にもつチームなのです。







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