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子育てや教育で、親や教師は、子どもの行動を見ていて、こうしたらよくなるのにとか、こう変わってほしいと思うことがあります。
「もうちょっと、勉強してくれたら・・・」
「もっと積極的になったらいいのに・・・」
「少しはお手伝いをしてくれたら助かるのに・・・」
「もっと多くの友だちとつきあえばいいのに・・・」
子どもに変わってほしいこと、直してほしいことが出てきたとき、
「勉強しなさい」
「もっと元気を出しなさい」
「少しはお手伝いをしてよ」
「友だちは大切よ」・・・
などと、変わってほしいこと、直してほしいことを直接、言葉で伝えることが多いのではないでしょうか。
言葉で伝えることの大切さは言うまでもありません。おとなが黙っていては子どもに伝わりません。
しかし、思春期の子どもに対しては、言葉で言うにしても、直接「○○しなさい」ではうまくいかないことが多いと、三中の保護者の方ももお感じではないでしょうか。
子どもは、そのような言葉を、おとなからの指示・命令ととらえてしまいがちだからです。
思春期の子どもには、相手に問うことがポイントです。
「勉強に気が向かないのは、なぜなのかな?」とか、「どうしたら勉強に気が向くのかな?」と問いかけます。
集団で生活する学校の場面でなら、教師は「あの子はあまり元気がないと思うんだけど、どう思う? 声をかけてあげたら?」と、別のちがう子どもに問います。
子どもちはその問いかけの中に、親や教師の願いを感じます。そして、そのときは考えることができなくても、自分のことをふりかえり、考えることにつながっていきます。
客観的に自分を見つめ、ふりかえりができるようになるのが、思春期の子どもの大きな特徴です。親や教師は、子どものふりかえる力に任せるのです。
たとえば、中学校での一つの学校行事、文化祭が終わったあとに、子どもたちから次のようなふりかえりの感想を聞くことがよくあります。
「あまりふだん話さなかった子と話すことができた」
「クラスの団結ってあるのだと思えた」
「前はダンスが好きじゃなかったけれど、好きになった」
「けっこう自分ってがんばれると思った」
子育てや学校教育のなかで、つねに子どもに問い続けること。それは子ども自身にどうすればよいかを決めさせる、つまり決定を子どもに委ねることなのです。
このくり返しで、子どもたちは自分の力で考えだします。子どもの自立への道はこの積み重ねから一歩ずつできあがっていくのです。