横浜の鶴見区にある総持寺は、永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山です。
1322年能登半島にて栄山禅師が開山され、全国の曹洞宗の禅寺を
率いてきたのが、明治31年出火、フェーン現象によりほとんど焼失。
時の石川素童禅師の大英断で、この横浜の地に移されたそうです。
以来、開かれた禅寺として、地域の人々にも開放され、愛されてい
ます。
その証拠のように、広い境内のあちこちで、咲き始めた花の下
でくつろぐ親子連れや、犬を散歩させる人などに出会います。
前回訪れたとき、講堂から流れてくる大勢の僧侶による声明を
聴いたのですが、それが何とも清々しくも美しく、以来忘れられ
ず、今回もと、淡い期待を抱いていたのですが、残念ながら、聴
くことはできませんでした。総持寺の声明は禅の声明として、国
立小劇場などで公演を行ったりもしているようです。キリスト教
のグレゴリオ聖歌にも匹敵する高い音楽性、芸術性をもった男
声合唱だと思います。
建物は明治以降のものですから新しいのですが、全体のたたずま
いが、いかにも大寺らしくゆったりした風格があります。しだれ桜越
しの大屋根がきれいでした。