キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

曹洞宗大本山総持寺

2011-04-02 16:00:07 | 季節の花々
            

           横浜の鶴見区にある総持寺は、永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山です。

           1322年能登半島にて栄山禅師が開山され、全国の曹洞宗の禅寺を

           率いてきたのが、明治31年出火、フェーン現象によりほとんど焼失。

           時の石川素童禅師の大英断で、この横浜の地に移されたそうです。

           以来、開かれた禅寺として、地域の人々にも開放され、愛されてい

           ます。

           

             その証拠のように、広い境内のあちこちで、咲き始めた花の下

             でくつろぐ親子連れや、犬を散歩させる人などに出会います。

            

            前回訪れたとき、講堂から流れてくる大勢の僧侶による声明を

            聴いたのですが、それが何とも清々しくも美しく、以来忘れられ

            ず、今回もと、淡い期待を抱いていたのですが、残念ながら、聴

            くことはできませんでした。総持寺の声明は禅の声明として、国

            立小劇場などで公演を行ったりもしているようです。キリスト教

            のグレゴリオ聖歌にも匹敵する高い音楽性、芸術性をもった男

            声合唱だと思います。

            

            建物は明治以降のものですから新しいのですが、全体のたたずま

            いが、いかにも大寺らしくゆったりした風格があります。しだれ桜越

            しの大屋根がきれいでした。
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デイジー・ミラー

2011-04-02 09:32:53 | 
        
Daisy Miller (Penguin Classics)
クリエーター情報なし
Penguin Classics


      ヘンリー・ジェイムスの『デイジー・ミラー』。昔読んで「何これ?」と思った小

      説なのですが、今読んでも「何これ?」と思います。かわいらしいデイジーが

      あちこちで咲いているのを見て、その連想でつい読み返したのですが。

      語り手はウィンターボーンというアメリカの上流階級の青年。ヨーロッパの避

      暑地で、とても美しいデイジー・ミラーという女性に会って惹かれるのですが

      彼女がなんとも天衣無縫、自分の思うままに好き勝手に行動します。挙句の

      果てにローマで夜中にイタリア男と出歩き、熱病にかかって死んでしまいます。

      自業自得。考えなしの、蓮っ葉なアメリカ娘。ヨーロッパ対アメリカというテー

      マが背後にあるようですが。これを小説にする意味があるのかと思うような筋

      立てです。

      サッカレーの「虚栄の市」のしたたかな、けれど魅力的な悪女レベッカや、モー

      ムの「お菓子と麦酒」のヒロイン、ふしだらな聖女とでも言えるような何とも不思

      議な魅力を持つロウジーなんかに比べると、デイジーは存在感が希薄で、迫っ

      て来るものがないのですが、いつの間にかつるつると読めてしまい、未だに欧

      米でとても人気のある小説だというのはどうしてでしょう?ヘンリー・ジェイムス

      の技でしょうか?とても良い内容で文体も緻密でも、面白くなくて、「何これ?」

      と思うようなのが面白い、小説って不思議ですね。

            
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