キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

心がやさしくなる季節

2011-12-19 22:57:28 | 季節
ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
バーバラ クーニー,Margaret Wise Brown,Barbara Cooney,上条 由美子
福音館書店


        野原に一本はえたもみの木は毎年クリスマスになると掘り起こされ、

        足の不自由な男の子のベッドのそばでクリスマスツリーになり、春

        になるとまた野原に植えられました。それが数年続いたある年、い

        つももみの木を掘り起こしに来る少年の父親がいくら待っても、やっ

        て来ませんでした。もみの木は暗い野原にひとりぼっち。でもその

        時はるか向こうからクリスマスキャロルが聞こえてきました。大勢

        の子どもたちがやってきます。その先頭に立っているのは、あの足

        の不自由な男の子でした。元気になった男の子がもみの木に会い

        に来たのです。

        

        この1954年に書かれたマーガレット・ワイズ・ブラウンの『ちいさな

        もみのきThe Little Fir Tree』は半世紀以上経っても色褪せない名作

        絵本です。静かな、詩をまじえた語り口と、楽譜入りの3つクリスマ

        ス・キャロルが特徴の、やさしい、温かい気持ちになれる絵本です。

        私はキリスト教徒ではないけれど、この時期、にぎやかなクリスマス

        商戦とは別に、とても静かな人を思いやる気持ちになるのはなぜでしょ

        うか。大切な季節の気がします。

                
コメント
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