フランスの一輪ざしや冬の薔薇 正岡子規
新聞でこの句を見つけて、なんとすてきにセンスのある句なんだろう
と思いました。咲き残った冬の薔薇が一輪。しかもフランス製の一
輪ざしに挿してある。今現在の句としても洒落ていて、しかも冬の
薔薇というところに陰影があって。萩原朔太郎が「ふらんすへ行き
たしと思へど、ふらんすはあまりに遠し」と詠ったより更に前、明治
の句とは。この一輪ざしは叔父さんからもらったガラス製のもので
「椿」は相応しくないと「冬の薔薇」にしたとか。心憎い組み合わせ。
薔薇は洋花のイメージで、与謝蕪村の「うれひつつ岡にのぼれば花
茨」などは別にして、あまり俳句には使われなかったようですが、
正岡子規は好きだったようです。こんなきれいな句があります。
薔薇深くぴあの聞こゆる薄月夜 正岡子規
さすがにこの季節、花屋さんで売っている薔薇の花は少ないですが、
ありました、ありました。フランスよりもっと遠い所から来た薔薇が。
フェアトレードでケニヤから来た淡い色の可愛いバラが。季節感も、
遠い土地フランスへの憧れも希薄になったけれど、一方では、南米
やアフリカで育てられた花を、日本で真冬に愛でるという、また違っ
た面白い時代ではあります。さて、今子規が生きていたら、どんな
句を作るでしょうか?
新聞でこの句を見つけて、なんとすてきにセンスのある句なんだろう
と思いました。咲き残った冬の薔薇が一輪。しかもフランス製の一
輪ざしに挿してある。今現在の句としても洒落ていて、しかも冬の
薔薇というところに陰影があって。萩原朔太郎が「ふらんすへ行き
たしと思へど、ふらんすはあまりに遠し」と詠ったより更に前、明治
の句とは。この一輪ざしは叔父さんからもらったガラス製のもので
「椿」は相応しくないと「冬の薔薇」にしたとか。心憎い組み合わせ。
薔薇は洋花のイメージで、与謝蕪村の「うれひつつ岡にのぼれば花
茨」などは別にして、あまり俳句には使われなかったようですが、
正岡子規は好きだったようです。こんなきれいな句があります。
薔薇深くぴあの聞こゆる薄月夜 正岡子規
さすがにこの季節、花屋さんで売っている薔薇の花は少ないですが、
ありました、ありました。フランスよりもっと遠い所から来た薔薇が。
フェアトレードでケニヤから来た淡い色の可愛いバラが。季節感も、
遠い土地フランスへの憧れも希薄になったけれど、一方では、南米
やアフリカで育てられた花を、日本で真冬に愛でるという、また違っ
た面白い時代ではあります。さて、今子規が生きていたら、どんな
句を作るでしょうか?