キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

生き急いだ人

2013-01-23 13:59:21 | 人生
            

           冬枯れの枝に、咲き残った薔薇の花がひとつ、ふたつ。先日の大雪にも

           負けなかったようです。老残なんていう言葉もあるけれど、厳しい風雪に

           耐えて長く生きながらえるのもすばらしいと思わせてくれる、仄かなピンク

           の薔薇です。長生きもひとつの才能という言葉があります。晩年に至る

           まで恋愛し、創作意欲も衰えなかったゲーテなどに当てはまる言葉でし

           ょう。凡人が、うまく年をとることは難しいと感じ始めているこの頃です。

THERE IS MORE CLASSIFIED THAN UNCLASSIFIED INFORMATION IN THE USA!
AARON SWARTZ
メーカー情報なし

          それに対して、「死に急ぐ」なんて言葉があります。「生き急ぐ」と言った

          ほうが当たっているでしょうか。この間、新聞でアーロン・シュワルツとい

          う26才の若者が自殺したという記事を読みました。14才でRSSの制作に

          貢献し、インターネット界の天才と言われた人だったようです。こうやって

          ブログなんか気楽に書けるのも彼のような人のおかげなのでしょう。学術

          文書を盗んだとかで訴えられて参っていたらしいですが。痛ましいことで

          す。まさに「生き急いだ」感があります。ご両親は無念でしょうね。

明るいほうへ―金子みすゞ童謡集 (JULAの童謡集シリーズ)
高畠純
JULA出版局

         金子みすゞも26才で自殺しました。彼女の場合は生きているのに耐えられな

         くなったように思えます。たくさんの美しい童謡と一人娘を残して。どうしても

         生きていられなかったのでしょうね。すばらしい才能がありながら、夫に、とい

         うより時代に恵まれなかった。悲しい短い生涯です。彼女自身の詩にあるよ

         うに、どうにかして明るい方へ行こうとしたのに叶わなかったのでしょうね。

            明るい方へ

            明るい方へ。

            一つの葉でも

            陽の洩るとこへ。

            やぶかげの草は。

            明るい方へ

            明るい方へ。           金子みすゞ「明るい方へ」より  
コメント
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