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花の乏しい季節、山茶花の淡いピンクが散歩の途中目に優しく映ります。
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白い山茶花の清らかな姿もいいですね。どこにでもある、ありふれた
花なのに気品があります。
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今、蝋梅も盛りです。蝋のように艶のあるちょっと暗黄色の花です。
近くで見ると臈梅と呼びたくなるほど、臈たけた美しい花ですが、
全体としてみると、黒い枝に突き刺さるように咲いていて、なぜか
見栄えのしない、ちょっと残念な花です。
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三椏も咲き始めています。春を待ちかねて、一足先に咲くので「サキ
サク」と万葉人に詠まれたんですって。これも地味な花です。木が和
紙の原料だってことは知っていますが。私のふるさと奈良吉野の国栖
の辺りは、紙漉きの里として知られています。谷崎潤一郎の「吉野葛」
の舞台となった所です。灯台もと暗しというか、不勉強というか、近くで
作られているのに、どんな紙なのか、ついぞお目にかかったこともない
のですが。
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「和」といえば、和三盆のお菓子をいただきました。これこそ純和製
です。徳島の名産だとか。口に入れるとほろっと柔らかい甘みが広
がります。お砂糖を固めただけのものとは信じられない上品なおいし
さです。角砂糖とはまるで違います。もっとも値段も違いますが。こう
いうのに出会う度に、もっと自分の国のことを知らなくちゃと思います。