スイスの首都であり旧市街が世界文化遺産のベルンへは、チューリッヒから
インターシティ(IC)で1時間です。中世の街並みが、そのまま残っています。
首都と言っても、人口約14万人足らず、高津区の人口が22万人だそうです
から、どんなに小じんまりしているか分かります。だからこそ、こんなに完
璧に保存できるのでしょう。
その石畳の街を、自動車や電車が縦横に走っているのは、ある意味
不思議な光景に思えます。
ランドマークは、1421年に着工し、完成したのが何と1893年という
ゴシック様式のミュンスター(大聖堂)です。スイスはどこの町にも
ミュンスターがありますが、やはりチューリッヒとベルンのミュンス
ターの威容はずば抜けています。
正面の「最後の審判」の像群は見ものです。日本なら、さしずめ日光
東照宮の陽明門といった華麗さです。
壮麗な聖堂内。普通教会内はどこでも内部は撮影禁止のところが多いの
ですが、ここは何も書かれていなかったので写真を撮ってしまいました。
よかったのかな?
尖塔の344段の階段を上って景色を眺めることができます。私は
もちろん、ご遠慮。娘に写真を撮ってきてもらいました。
下を見ると足がすくむようですが、ベルンの街が見渡せます。
450年もかかって造られた高い尖塔の影が、何やら魔の手のように
街に覆いかぶさっています。
市庁舎近くのキリスト教会の塔。これもも十分高く美しいですが、
近くに大聖堂がありますからね。
ベルンの語源は「熊」。その名もベーレン広場(熊広場)から一番の
繁華街マルクト通りを行くと、ヨーロッパの街でよくあるように、
大きなからくりの時計塔があります。
この通りには、市の創始者ツェーリンゲン家を象徴する像、その他
様々な像の付いた噴水が点在しています。楽しい通りです。
通りの中ほどに、アインシュタインハウスがありました。20代の
アインシュタインがここに住んで極貧生活を送りつつ、相対性理
論を生み出したのだそうです。人間が造り上げた古い町で生み出
された、近代科学の礎となった理論。人間って、いろいろなもの
を考え、造り出してきたのだなあと、しばし感慨にふけりました。