少し前に見た映画の感想です~~~。
ということで、『憑神』のレビューをば★
浅田次郎原作小説の映画化です。
物語の舞台となるのは、動乱の幕末。
主人公の別所彦四郎は、貧しいながらも、代々将軍の影武者を勤める家柄の出。
武士の気質に溢れ、また、文武共に優秀で、将来も嘱望されていた人物でした。
けれども、彼の配下の者が起こした喧嘩騒ぎの責任を取らされ、出世の糸口であった婿養子先を離縁されます。
そして、無役となり、実家に戻り、兄嫁からは疎ましがられる居候の身。
そんな現状を打破しようと、霊験あらたかで有名な出世の神様「みめぐり神社」を参った彦四郎。
けれども、彼は、漢字の違う「三巡神社」をお参りしてしまうのでした。
彼が間違って手を合わせた「三巡神社」は、まさしく、その字の如く・・・。災厄が、3つ巡ってくるという神社。
手始めに、彼の元に現れたのは、貧乏神。
そして、疫病神、最後は死神と、彼の元を続々と訪ねてくる、有難くない神様達。
それでなくとも、不運のどん底にいる彼は、果たして、この3つの神様を、どうやってやり過ごすのか!?
気軽に楽しめるコメディだと思います。
貧乏神や、疫病神、死神と、取り憑かれようものなら、決して笑い事では済まない、超災厄に見舞われてしまう主人公なのですが、でもでも、なぜか笑えてしまいます。
それは、コミカルで人間くさい、神様達の存在も大きいのかも知れません。
そして、そんな神様達と、まるで、掛け合い漫才でもするかのように応対する主人公の彦四郎。特に、西田敏行さん演じる、気弱で脅しに弱い、貧乏神が面白かったです。
とにかく、可哀相なほど、「ここまでツイてない奴がいるのか!?」と言いたくなるような主人公。
そして、そんな彼を取り巻く人たちも、皆、個性豊かで、人間ドラマを盛り上げていました。
神様といい、人間といい、皆、人情味が溢れていて、江戸っ子らしい味が感じられました。
そして、前半は、貧乏神・疫病神に取り憑かれた、主人公の様子が面白可笑しく描かれるのですが、後半、死神に取り憑かれてからは、グッと物語の中に惹きつけられる展開をしてきます。
貧乏神も疫病神も、なんとかかんとかかわして来た彦四郎ですが、死神だけは、他人に押しつけるわけにはいかないと覚悟を決めます。
けれども、単に、犬死にをするのは嫌だ。死ぬのなら、世のためになって死んでいきたい・・・と、自らの生き方、死に方を真剣に考えるようになります。
それまでは、のらりくらりと生きてきた彼ですが、死神に取り憑かれて初めて、「生きる」ことを真剣に考えるようになるです。
その、武士としての本分に目覚める姿、そして、武士らしい潔さは、とても格好良かったです。
もちろん、死が美しいという訳では、ありません。
人間は、必ずいつかは死んでしまう、儚い生き物。いつかは死んでしまうからこそ、生きている間に、人のために役立ちたかったり、また、充実した生き方を送るべきである。それに気が付いた主人公は、一回り大きくなったような、精悍な顔立ちになったような、そんな風に見えました。
災厄に見舞われることによって、成長していく主人公。
そして、そんな彼が、最後に決断した、「世のためになって死んでいく生き方」は、死神すらも魅了してしまう決断でした。
基本的に、思いっきり笑って、その笑いの中に、ホロリと来る、江戸っ子の人情があり、最後は、ジンワリくる映画だったと思います。
ただ、ラストのラスト、現代に繋がるシーンは、蛇足だったのではないかなぁA^^;;と、個人的には思いましたですね。
ああいった手法は、小説ではよくある描き方ですが、実写というか映画やドラマで行うのは、ちょっと、合わないというかA^^;;
せっかくの感動のラストで終わっていた方が、良かったような気がいたしましたです。・・・って、私だけかしら。
コメディ部分も多いので、気軽に楽しめる作品でした。
ということで、『憑神』のレビューをば★
浅田次郎原作小説の映画化です。
物語の舞台となるのは、動乱の幕末。
主人公の別所彦四郎は、貧しいながらも、代々将軍の影武者を勤める家柄の出。
武士の気質に溢れ、また、文武共に優秀で、将来も嘱望されていた人物でした。
けれども、彼の配下の者が起こした喧嘩騒ぎの責任を取らされ、出世の糸口であった婿養子先を離縁されます。
そして、無役となり、実家に戻り、兄嫁からは疎ましがられる居候の身。
そんな現状を打破しようと、霊験あらたかで有名な出世の神様「みめぐり神社」を参った彦四郎。
けれども、彼は、漢字の違う「三巡神社」をお参りしてしまうのでした。
彼が間違って手を合わせた「三巡神社」は、まさしく、その字の如く・・・。災厄が、3つ巡ってくるという神社。
手始めに、彼の元に現れたのは、貧乏神。
そして、疫病神、最後は死神と、彼の元を続々と訪ねてくる、有難くない神様達。
それでなくとも、不運のどん底にいる彼は、果たして、この3つの神様を、どうやってやり過ごすのか!?
気軽に楽しめるコメディだと思います。
貧乏神や、疫病神、死神と、取り憑かれようものなら、決して笑い事では済まない、超災厄に見舞われてしまう主人公なのですが、でもでも、なぜか笑えてしまいます。
それは、コミカルで人間くさい、神様達の存在も大きいのかも知れません。
そして、そんな神様達と、まるで、掛け合い漫才でもするかのように応対する主人公の彦四郎。特に、西田敏行さん演じる、気弱で脅しに弱い、貧乏神が面白かったです。
とにかく、可哀相なほど、「ここまでツイてない奴がいるのか!?」と言いたくなるような主人公。
そして、そんな彼を取り巻く人たちも、皆、個性豊かで、人間ドラマを盛り上げていました。
神様といい、人間といい、皆、人情味が溢れていて、江戸っ子らしい味が感じられました。
そして、前半は、貧乏神・疫病神に取り憑かれた、主人公の様子が面白可笑しく描かれるのですが、後半、死神に取り憑かれてからは、グッと物語の中に惹きつけられる展開をしてきます。
貧乏神も疫病神も、なんとかかんとかかわして来た彦四郎ですが、死神だけは、他人に押しつけるわけにはいかないと覚悟を決めます。
けれども、単に、犬死にをするのは嫌だ。死ぬのなら、世のためになって死んでいきたい・・・と、自らの生き方、死に方を真剣に考えるようになります。
それまでは、のらりくらりと生きてきた彼ですが、死神に取り憑かれて初めて、「生きる」ことを真剣に考えるようになるです。
その、武士としての本分に目覚める姿、そして、武士らしい潔さは、とても格好良かったです。
もちろん、死が美しいという訳では、ありません。
人間は、必ずいつかは死んでしまう、儚い生き物。いつかは死んでしまうからこそ、生きている間に、人のために役立ちたかったり、また、充実した生き方を送るべきである。それに気が付いた主人公は、一回り大きくなったような、精悍な顔立ちになったような、そんな風に見えました。
災厄に見舞われることによって、成長していく主人公。
そして、そんな彼が、最後に決断した、「世のためになって死んでいく生き方」は、死神すらも魅了してしまう決断でした。
基本的に、思いっきり笑って、その笑いの中に、ホロリと来る、江戸っ子の人情があり、最後は、ジンワリくる映画だったと思います。
ただ、ラストのラスト、現代に繋がるシーンは、蛇足だったのではないかなぁA^^;;と、個人的には思いましたですね。
ああいった手法は、小説ではよくある描き方ですが、実写というか映画やドラマで行うのは、ちょっと、合わないというかA^^;;
せっかくの感動のラストで終わっていた方が、良かったような気がいたしましたです。・・・って、私だけかしら。
コメディ部分も多いので、気軽に楽しめる作品でした。