波乱万丈 乳がん転移ライフ!

39歳で乳がん ステージⅢ告知。術後1年経たずに肝臓、骨に転移。そこから始まる長い転移ライフ!

瀬尾まいこ著「そして、バトンは渡された」を再読してまた涙~映画公開を機に・・・

2021-11-13 00:01:44 | 感動の出来事(読書)
読書の秋・・・
11月になっても日中は20℃前後の暖かい日が続いていて、秋というよりもこの季節感は春だなと感じていました。

そして、先日いつものコースを散歩していたらツバキの花を見つけました。えっ、ツバキって秋だったっけ・・・?
その話を会社でしたら同じことを思っている人がいて、ツバキは春先なのに勘違いしてもう咲き始めたようです。

植物も春と勘違いする程暖かい秋ですが、映画「そして、バトンは渡された」が2週間前に公開されたのを機に、
「ああ、また読みたい」と、2019年の本屋大賞受賞の瀬尾まいこさんの原作を引っ張り出して読み返しました。

本屋大賞受賞を機に読んだ当時も、涙と共に何とも言えない温かい気持ちになったことを覚えていますが、
今回もやっぱり温かい気持ちに包まれ、もう分かっているのにまた最後のくだりで泣くのを止められませんでした。

「困った。全然不幸ではないのだ。」から始まる物語の主人公は高校2年生のごく普通の女の子・・・
ごく普通でないのはその家庭環境なのですが、映画上映中のためこれ以上詳しくは書けないのが残念・・・

福山雅治主演で是枝裕和監督作品の「そして父になる」にテーマが似ていて「家族の在り方」を問う物語・・・
「そして父になる」は親からの視点で、「そして、バトンは渡された」は子からの視点でそれを描いている。

100人いれば100通りの家族、家庭があると言われるほど、家族の構成や在り方は様々・・・
アッピアに先立たれた我が家は男2人の家族ですが、私の実家は母親、妹、姪っ子の女3人の家族・・・

単身世帯や三世代に渡る大家族、居候や間借り、ホストファミリー、寮やシェアハウスのような共同生活など、
様々な形態の家族があるからこそ、そこに様々な物語がある。そして家族の構成は変化し続ける・・・

実家では当たり前のように4人家族の生活を送り、高校卒業後は一人暮らし、社会人になってからの同棲生活、
アッピアとの結婚生活、息子が生まれてからの3人家族の生活、そして今の生活、そしてこの先は・・・

キャリア形成のための有名な理論に心理学者クランボルツの提唱する「計画的偶発性理論」というのがあります。
ビジネスで成功した人の8割が、その成功のきっかけとなったのが予期せぬ偶然の出来事によるというもの・・・

元々なりたかった職業で夢を叶えている人もいますが、予期せぬ出来事や出会いにより成功した人の方が多い。
とは言えただ待っていても何も起きないし、大事なのは常に選択肢を広げ、偶然の出来事を意図的に作り出すこと。

よくノーベル賞を受賞した人からその発見や思いつきが、失敗したことや偶然がきっかけということが語られます。
興味のあることに向けて学習し行動し続けること、そして準備や努力を怠らないことで偶然の出来事が生まれる。

この物語の主人公も独特の家庭環境にあっても、それを厄介なことや困難なことと捉えず前向きに生きている。
全てはその人の考え方次第なんだけれども、周りがそれを不幸なことにしたがるし、バイアスをかけようとする。

「毎日弁当も夕食も作るなんて偉いね」「大変だね、よくやってるね」・・・アッピアを亡くしてから何度も言われた。
別に偉くも大変でもなく普通に生活しているだけなんだけど・・・と嬉しい気持ちの一方で何度思ったことか・・・

一般的ではない、普通ではないと思うと人は勝手に大変なことだと思いたがる。それは自分自身も含めて・・・
その人が前向きに生きていれば何の問題もなく、もしも困っているのであればそれを察知して手を差し伸べる。

・・・そういうことが大事なんだと、改めて感じた読書の秋でした。

2021年11月12日


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息子が18歳で初の「選挙投票」に参加~少し大人を感じた瞬間・・・

2021-11-06 00:28:31 | 息子の成長
選挙の秋・・・
この日曜日に衆議院選挙と同時に、私の地域では川崎市長選挙の投票も行われました。

現在18歳の息子にも生まれて初めての投票券が届き、親としては記念すべき初投票となるのかに興味津々・・・
私自身は当然のこととして投票に行きますが、息子がどうするかは本人が決めることなのでさり気なく確認・・・

☆「衆院選と市長選を同時に体験できるなんてなかなかないけど、選挙は行くの?」(希少価値を匂わす・・・)
★「俺は受験で忙しいし、あんまし興味ないから行かない」(息子は何につけ興味のあるなしがはっきりしている)
☆「そうか・・・気が向いたら学校帰りに期日前投票も行けるよ」(それとなく投票券と期日前の案内を渡しておく)

法律改正で選挙同伴可の子供が幼児から18歳未満までとなった5年前、一度息子を選挙に連れて行った。
親の選挙について行った記憶が、いつか政治の関心に結びつけばいいなという少し淡い期待感を持って・・・

因みに、私自身は選挙権を得た20歳の時は実家に住民票があり、物理的に行けない上にそもそも関心もゼロ・・・
選挙に行くようになったのは社会人になる時に住民票を移し、仕事をやり始めて政治に関心が向いてから・・・

18歳から選挙権と言ってもまだ高校生だし、そもそも政治に興味がなきゃ選挙になんて気持ちが向かないか・・・
そして、投票日前日の土曜日に学校から帰った息子がさらっと・・・

★「期日前投票行って来た。市長は〇〇さん、衆議院と比例代表は〇〇に入れた」(何と気が向いたらしい・・・)
☆「あ、そう・・・今回は行かないと思ってた」
★「俺の好きな〇〇が躍進しそうだったから・・・」(息子が興味を持つ政党はもう中学生の頃から一貫している)

そして、日曜の夜はその政党が大躍進したこともあり、勉強もそっちのけでネットで開票速報を楽しんでいました。
自分の選んだ政党がどうなるか当然気になり、続々と当選者がカウントされるのはゲーム感覚で楽しいもの・・・

まだ若い間はその程度で充分だし、ゲームのように投票結果を楽しむことで政治に関心を持つきっかけになる。
いい歳になった私も開票速報は見ていて飽きないし、数字が積みあがっていくのは何とも気持ちいい。

そして、選挙の度に新しい時代の風を感じることも出来るし、選挙で起きた風がまた新たな時代を創っていく。
そういう風って目には見えないけれど、確実に存在するし人間社会を動かして変化させていくことが興味深い・・・

もう30年近く前に、日本新党という風が日本中に突然吹いたことがありました。一瞬で過ぎ去りましたが・・・
当時まだ若かった私も、日本という国が新しく生まれ変わる感覚を肌で感じてワクワクしたことを覚えています。

時代が大きく変わりそうな時はワクワクするけれど、その期待感がガッカリ感に変わることも世の常・・・
それでも新しい風に吹かれたいし、何か新しいことが起こりそうという感覚を感じ取る気持ちは大事にしたい。

何か息子が「少し大人になったような気がした18の夜」でした。

2021年11月5日


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毎年恒例の第一弾「種なし柿」と第二弾「富有柿」~これから年末まで柿づくし・・・

2021-10-30 00:00:49 | 嬉しい出来事
食欲の秋・・・
今年も10月となり、毎年恒例の段ボール箱にいっぱいの「種なし柿」が和歌山の従兄から送られてきました。

この柿が届くと毎年本格的な秋の訪れを感じるのですが、今でも作り続けてくれていることに感謝・・・
もう父親も伯父さんも叔母さんも他界してしまいましたが、従兄が本業を持ちながらもずっと作ってくれています。

例年まず第一弾で「種なし柿」が、それをちょうど食べ終わる頃に第二弾で「富有柿」が送られてきます。
私の出身地である和歌山県は、みかんと梅の産地として有名ですが、実は柿も日本一の収穫量を誇ります。

父の実家にも母の実家にも広い山があり、子供の頃は親族総出で柿とみかんの収穫のお手伝いに行きました。
10月が「種なし柿」、11月が「富有柿」、12月が「みかん」の収穫時期で、年末まではほぼ毎週末のイベント・・・

私は息子を一度も果物狩りに連れて行ったことがありませんが、自分が日常生活で果物狩りをしていたので、
とてもお金を払ってレジャーにする気にはなれませんでした。アッピアと息子で行ったことはあると思いますが・・・

収穫のお手伝いと言っても、遊び盛りの子供にとって収穫はそこそこに、とにかく広い山を駆け回り、木登りし・・・
みかんの木は小ぶりで葉もぎっしりで楽しくありませんが、柿の木は木登りに最適で登るついでに柿も獲る。

段ボールに詰まった柿を見ると、山を駆け回っていた幼少期の記憶がよみがえり感傷的な気持ちになりますが、
そこにいた父親や伯父、叔母、祖父、祖母、また当時は大勢で賑やかだったいとこ達の声も聞こえてきます。

そのような思い出がいっぱい詰まった柿ですが、少し柔らかくなりかけの頃が甘味も増して一番美味しい・・・
ほとんどの果物は熟す直前が一番の食べ頃ですが、それを過ぎてしまうと熟れすぎてちょっと食感が・・・

私も息子も柿が大好きなのでたくさん食べられることは嬉しいのですが、難しいのは一斉に熟れていくこと・・・

朝は他の果物とヨーグルトをかけて食べ、弁当にも必ず入れるものの、二人家族だと一日2個が精いっぱい・・・
ピアノの先生にもお裾分けするものの、それでも最後に数個は熟し過ぎてしまい慌てて食べることになる。

熟れる状態を何とかコントロールしたいと思い、今年は柿の長期保存の仕方について調べて今試しているのが、
濡らしたキッチンペーパーを畳んで柿のヘタに張り付け、ラップに包んでヘタを下にして保存するというやり方・・・

試してみるとこれが効果てきめんで、確実に熟れるのを遅らせることが出来、これだと2ヶ月位は大丈夫かも・・・
せっかく丁寧に作ってくれている美味しい柿なので、何とか全てを美味しいタイミングで食べ尽くしたいもの・・・

因みに、柿に関連して私にも息子にも柿そのもの以上の大好物があります。それは「柿の葉寿司」・・・
柿の葉で包んだ鯖寿司ですが、柿の収穫イベントの夜は、祖母がこの「柿の葉寿司」をたくさん作ってくれました。
柿の葉に含まれるタンニンが魚の身を引き締め、香りが魚の臭みを消してくれるようで、とにかく美味しい・・・

アッピアにこの寿司の存在を教えたところやはり大好きになり、帰省すると必ずお土産で買い込んだものです。
今では全国的にこの寿司の信者がいるようで、地元の和歌山と奈良でもかなり有名な名産品となっています。

今は鯖だけではなく鮭や鯛もあり通販でも買えますが、添加物のない自然なものなので日持ちがしません。
今年も息子の受験で帰省出来ないので、年末におせち代わりに買い込もうかと・・・

2021年10月29日


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プロ野球引退の「松坂大輔」と「斎藤佑樹」の二選手~二人のこれからに注目したい

2021-10-23 00:00:10 | 最近考えること
スポーツの秋・・・
今週は、今シーズン限りでプロ野球選手を引退する対照的な二人の引退試合とセレモニーがありました。

19日に引退登板となったのは、日米を通じて長く活躍した「西武ライオンズ」の「松坂大輔」投手
「平成の怪物」と言われ、日米通算22年間で170勝という輝かしい成績を残して、現役を終えることになりました。

横浜高校のエースとして甲子園で優勝し、ドラフト1位で「西部ラインズ」に入団後大活躍し、大リーグに移籍・・・
ただ渡米3年目から怪我に苦しみ、帰国後は目立った成績を残せず3球団を渡り歩き、最後は馴染みの球団で終幕

練習嫌いで茶目っ気な性格で、ベテランになってもやんちゃな雰囲気を残したままの、自由奔放な感覚派・・・
そんな彼だからこそ200勝の大台には到達できなかったのかなとも思いますが、間違いなくスター選手でした。

もう20年も前のことながら、交通安全のイメージキャラクターだったさ中にスピード違反や駐車違反を起こし、
世間からバッシングを受けたことも、今思えば彼らしい苦くも懐かしい思い出・・・

そして、その2日前の17日に引退登板したのが、10年間「日本ハムファイターズ」に在籍した「斎藤佑樹」投手

彼は「早稲田実業」のエースとして甲子園の歴史に残る決勝戦再試合で、田中将大投手に投げ勝って優勝・・・
青いハンカチで汗を拭う姿と端正な顔立ちに穏やかな人柄から「ハンカチ王子」と呼ばれ、大人気となりました。

進学した早稲田大学でも大活躍し、4年生では主将として大学日本一にもなり、この時が最高に輝いていました。
ドラフト1位で「日本ハムファイターズ」に入団しましたが、残念ながらプロ入団後はほとんど実績を残せず・・・

プロ入り直後からずっと怪我に悩まされ、1軍に定着できず長い2軍暮らしで、結局通算15勝のみの結果に・・・
普通ならとっくに解雇ながら、10年間プロ野球選手として続けて来られたのは、その人柄と人気のお蔭・・・

「松坂大輔」選手41歳、「斎藤佑樹」選手33歳と、歳も違えば性格もプロの実績も何かと対照的な二人ですが、
たまたま二人とも今シーズンを最後に現役引退することになり、新しい道に進むことに何かの縁を感じます。

プロ野球選手として人気があり有名なのは同じですが、引退したとは言えまだ人生の前半を終えたところ・・・
これからの方が長い人生の後半を、二人がそれぞれどんな風に歩んでいくのかに非常に興味があります。

私は社会的に成功した人、有名になった人がその後にどんな人生を送るのか、送ったかに強い興味があります。
マイクロソフト社で億万長者となり、その莫大な資金で基金を創設し社会貢献活動を続けるビル・ゲイツ氏

様々な環境保護、省エネ推進等のプロジェクトを低金利融資で支援する非営利団体「ap bank」を運営する、
音楽プロデューサーの小林武史さん、ミスチルの櫻井和寿さん、世界的音楽家の坂本龍一さんの3人

他にも様々な方がそれぞれのやり方で社会貢献活動を行っていますが、社会で大きな成功を収めた人は、
大金を積んで宇宙に行くのも自由ながら、社会に役立つためにこそそのお金を使って欲しいなと思います。

そして、とても基金を創るようなお金がない自分にも、寄付や募金など出来ることは色々あるはずで、
どこに行くにも水筒を持ち歩きペットボトルや缶飲料を買わないことも一つの社会貢献活動だと思っています。

2021年10月22日


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ピアノで腱鞘炎が悪化し手首負傷~「ウォルシング・マチルダ」という曲をきっかけに

2021-10-16 00:11:21 | 音楽とピアノ
なかなか終わる気配のなかった今年の夏もついに終わり、10月も半ばになってようやく本格的な秋が到来。
ワクチン接種が進みコロナ感染者も急減して来ましたが、息子が受験生の我が家は引き続き自粛生活・・・

そうした中、いつになくピアノの練習に精を出していたところ、痛めていた左手首についに激痛が走り病院に・・・
馴染みの整形外科に行ったところ「悪化した腱鞘炎」と診断され、湿布にサポーターをして今は安静状態に。

こうなる前に病院に行けばいいのに、何かにつけどうしようもない状態になってから病院に駆け込むのが常。
アッピアがいて「早く病院に行きなよ」と言ってくれればまた違うのでしょうが、つくづく我慢のし過ぎを反省。

ところで、すっかり顔馴染みの同年代の院長先生は、私の手首の状態よりもピアノにやたら喰いつく・・・

D「いつからピアノやってるの?」
☆「2年ほど前から・・・」
Ⅾ「それまでピアノをやったことは?」
☆「ないです。全くのど素人から始めました。」
Ⅾ「50代で始めたの?」「それでも弾けるようになるもの?」「どれくらいの数の曲を弾けるの?」

院長先生の、手首の状態よりもこの歳で始めて本当にピアノが弾けるものなのかという興味津々の質問攻めに、
「先生、ちょっと脱線しすぎ・・・」と割と大きな個人病院で診察室に3人もいる看護師さん達も呆れ笑い・・・

ピアノの腱鞘炎で駆け込んでくる患者もほとんどが子供か学生で、こんないい大人はさすがに珍しいのかな?
プロを目指して一日何時間も弾いている人もいるだろうけれど、手首を痛めるような弾き方はしないのでしょうね。

因みに、私の手首を酷い状態にさせたのは「ウォルシング・マチルダ」という軽快に跳ねるリズム感の曲・・・
オーストラリアの曲で、オーストラリア国民には国歌に匹敵するほど長く親しまれている曲のようです。

スキップをするように軽やかに跳ねるリズムが特徴的で、最初はこのリズム感を掴むのにかなり苦労しました。
何回弾いてもある箇所は上手くリズムが取れても、別の箇所は普通のリズムに戻ってしまうことの繰り返し・・・

「普通のリズムでも問題ないけどそうする?」と言われたものの、負けず嫌いの私は「それは絶対に嫌です」・・・
何が何でも弾けるようになろうとする頑固な私に、先生も根気よく繰り返しリズムを掴む練習を指導してくれました。

そのお蔭でやっとリズム感が掴め、いよいよイメージ通りの曲の完成だぞと思った矢先の負傷でガックリ・・・
練習もしばらく休むことになりましたが、様々なアレンジを聴くことも大事と言われ、今は聴き比べを楽しむ毎日。

歌入りのバージョンを聴いて歌詞の意味を知ると何とも切なくて、軽快な曲とのギャップに考えさせられます。
「貧しい放浪者が羊泥棒を働いて、生きて捕まるよりも沼に飛び込んで死ぬことを選ぶ」というストーリー・・・

移民の多いオーストラリアで、この曲に乗せて苦労した移民たちの反骨精神が作り出した歌とも言えそうで、
手首の負傷をきっかけにこの曲のことを深く知ることとなり、思い出深く忘れられない一曲となりました。

色々な曲を弾くこともいいのですが、こうやって一つの曲を深く掘り下げるのもまた楽しいこと・・・
早くよくなって欲しいのは当然ですが、転んでもただでは起きない気持ちも大事だと感じる秋の夜長です。

2021年10月15日


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「出る杭は抜かれる」グローバル時代~真鍋淑郎さんのノーベル物理学賞受賞に当たり

2021-10-09 00:00:03 | 最近考えること
90歳の真鍋淑郎さんが28人目の「日本人」として、今年のノーベル物理学賞を受賞されました。
プリンストン大学の現役の教授で、生涯一研究者という生き方を貫くその若々しさとカッコ良さに痺れましたね。

1950年代から気象研究を始め、大気中の二酸化炭素の濃度が増えるに従い気温が上昇することを突き止め、
1969年にまだ黎明期のコンピュータでその仕組みをシミュレーションした「大気・海洋結合モデル」を発表。

今や世界の大きな共通課題である地球温暖化を50年も前に証明していたことを知り、その先見性に敬服。
また、自分の信じる一つのテーマに一生をかけて取り組む科学者としての凄さに感服させられました。

一部のマスコミは「28人目の日本人受賞者」と大喜びですが、真鍋さんは米国籍で米国に在住していますので、
「日本人」というより「日本出身の米国人」というのが正しいのだと思います。そう考えると少し複雑な気持ちも・・・

これまでの日本出身の外国籍を持つノーベル賞受賞者としては、真鍋さんを含め4人。
文学賞の「カズオ・イシグロ」さん(英国籍)、物理学賞の「南部陽一郎」さん「中村修二」さん(いずれも米国籍)

外国籍を持つ研究者は「世界で活躍」というイメージを持ちますが、理由は自身の研究環境を優先するためで、
外国籍の人だけでなく多くの日本人受賞者が、日本の科学、基礎研究の深刻な危機を指摘しています。

基礎研究は将来役立つかどうか不明なことから投じられる研究費が少なく、必然的に待遇や研究環境が良くない。
よく「ポスドク問題」と言われますが、博士課程まで進んだ後にその研究を活かした職を得ることも厳しい・・・

真鍋さんは、東大大学院の博士課程在籍中にまとめた研究論文を目にした米国気象局からスカウトを受けます。
当時の気象庁では博士号を取得しても職を得ることがほぼ不可能であったことから、その誘いを受け渡米・・・

給料は日本にいた時の30倍にもなり、当時はまだ一般的ではない最先端のコンピュータも使い放題・・・
本人曰く「まるで研究天国」・・・期待が持てると踏んだものには惜しみなく資金と環境を提供する懐の深さ。

実は、既に地球温暖化研究の第一人者として世界的にも認めれていた平成9年には一度日本に帰国します。
国から若手研究者育成を請われたようで、その時は潤沢な研究費と世界一のスーパーコンピュータも使える環境。

しかし、4年後には米国に戻ってしまいます。「自分は『調和』の中で生きる能力がないから」と笑っていましたが、
『調和』を優先する環境で、優秀な若手に責任ある仕事をさせない硬直した組織に嫌気が差したよう・・・

2014年に同じくノーベル物理学賞を授賞した中村修二さんが、以前在籍していた企業と法廷で訴訟合戦となり、
最終的に企業側が中村さんに和解金を支払うことで決着したことは有名ですね。

この訴訟合戦はドロドロしたものとなり後味の良いものではありませんでしたが、まさに「出る杭は打たれる」・・・
莫大な利益に結びつく研究成果を上げても、それに対する個人的待遇が低いのが多くの日本企業の実情。

その出る杭を高く評価して厚遇する環境であれば、国を超えて抜かれるのはグローバル時代では必然なこと。
高い研究成果を出した個人を存分に活かせる環境を作っていかないと、日本の未来は決して明るくない・・・

成長と分配の好循環を掲げる「新しい資本主義」の実現を目指す新総理・・・
聞く耳を持つ総理は「出る杭は抜かれる」のを防ぐのも「新資本主義」の一つだと、真鍋さんから聞いてますよね?

2021年10月8日


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卒業記念として企画の「USB写真集」をやむなく断念~個人情報の壁に阻まれて・・・

2021-10-02 00:00:22 | 悲しい出来事
「Pat」さん、8年ぶりのコメントをいただきどうも有難うございました。
そう・・・アッピアが他界してからもう8年にもなるんですよね。改めて月日の流れの早さを感じます。

早いと言えば今日から10月・・・今年も残り2ヶ月で、来年の手帳やカレンダーがお店に並ぶ時期となりました。
自民党の総裁選も終わり、残念ながら驚きの結果とはならずコロナ下で安定重視の結果に落ち着いたようです。

それでもこの2週間は毎日のように公開討論会が行われ、それを見ているだけでもなかなか面白かった。
4人それぞれの個性を感じながら、改めてアピールには概念や抽象論ではなく具体性と明確さが重要だなと・・・

重箱の隅を突っつくような高圧的な口撃に、主役は防戦一方で無難な対応にならざるを得ない国会討議よりも、
今回のような議論の方が余程有意義で、日本の今後の課題を一緒に考えることが出来て随分ためになりました。

そして、国の今後を占う議論を楽しむ一方で、この2週間は息子らの卒業に向けた企画を行っている委員間で、
企画中の記念品を巡るとある問題をどう解決するかという議論がLINEを通して飛び交いました。

卒業記念として学校からは卒業アルバムが発行されますが、そこから外れる先生や業者撮影の写真を集め、
体育祭や学園祭で私たちが撮った写真なども入れて「USB写真集」として記念品とすることを企画していました。

写真をデータとして配ることになるため、事前に生徒と保護者に個人情報についての同意を得る必要があり、
個人情報の同意を含めて企画の案内を配ったところ、一人の保護者から個人情報削除の要請がありました。

生徒が同意しないのが理由で要請には応じる必要があり、本人にチェックの上削除してもらうことになりました。
通常はこれでOKなのですが、何とクラス写真も本人と認識できないよう解像度を落としてほしいとの要請が・・・

さすがにクラス写真の解像度まで落とすと全員の顔がぼやけてしまい、これはもうただのピンボケ写真・・・
代わりにボカシやマークでその生徒だけ隠すことも考えたのですが、誰を隠しているのかが特定できてしまう。

なぜそこまでして個人の顔を出すことに抵抗があるのかが気になり、委員が素人探偵的に探ってみたところ、
その女子生徒は街を歩いているとスカウトされる程の容姿端麗で目立つらしいことが判明・・・

となると、現在容姿を売りに何らかの仕事をしているか、卒業後に事務所等と契約予定となっている可能性あり。
もしもそうだとすると、個人情報どころか肖像権も関係してくるため、写真に敏感になっている可能性がある・・・

もう18歳で来年4月からは成人になるタイミングのため、そういったことも十分に考えられる年頃・・・
最終的な判断はこの週末に決めることとなりますが、今回の企画は多分中止することになりそうです。

息子が小学校卒業の時に、6年生1年間の写真を音楽と共に先生が編集して配ってくれた「卒業記念DVD」・・・
これが本当に嬉しくて今では大事な宝物になっているのですが、そういうものももう簡単には作れない時代・・・

私が小学生の時に草野球で遊んでいたところに、野球好きの兄ちゃんがやって来て少年野球チームが発足・・・
その後、そのクラブは順調に成長し、今では県大会で決勝に進出するほどの実力をつけるまでになったよう・・・

そのクラブの記念誌が送られて来ましたが、初代チームの一人としてユニフォーム姿の自分の写真を見た時は、
涙が出るほど感激したものです。そういうサプライズもいずれはなくなってしまうのでしょうか・・・

簡単にデータがやり取りできる便利な時代となった反面、逆に何かと不自由な時代になったことも感じ、
「なんだかなあ・・・」と少し寂しさを覚えた出来事でした。

2021年10月1日


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3年ぶりの藤原さくら「野外音楽会2021」~秋の野外ライブはとても気持ち良くて・・・

2021-09-25 00:13:27 | 感動の出来事(ライブ)
火曜日の9月21日は「中秋の名月」でしたが、残念ながら私のところでは雲が厚く見ることは出来ませんでした。
「中秋の名月」は旧暦8月15日の夕方に出る月のことですが、去年は10月1日と随分ずれるものです。

月の満ち欠け周期29.5日が基準の旧暦(太陰太陽暦)は1年354日で、太陽暦の新暦よりも約11日短いため、
3年で約1ヵ月ずれます。それをうるう月として補正しているようですが「中秋の名月」も1ヵ月の幅でずれる。

また「中秋の名月」は満月だと思い込んでいましたが、「中秋の名月」が満月となったのは8年ぶりとのこと・・・
月の公転軌道は楕円形のため、新月~満月の日数はきっちり15日ではなく13.9~15.6日と変動するようです。

自然の摂理というか宇宙の法則というか、それ自体が神秘なのですが、その神秘的な中で私たちは生きている・・・
そんなことを考えながら「中秋の名月」を楽しみたかったのですが、雲や天気でさえも自然の摂理ですからね・・・

1日遅れながら「十六夜」となる22日には、薄い雲がかかっておぼろげで幻想的な月を眺めることが出来ました。
そして前日の「十四夜」には、日比谷野音では3年ぶりの藤原さくら「野外音楽会2021」で秋の夜を満喫しました。

3年前の「野外音楽会2018」は7月の夏の夜でしたが、DVDも買ってしまった程の素晴らしい野外ライブでした。
藤原さくら本人も最高の気分だったらしく「また絶対に野音でやりたい」と言い続けて、3年ぶりに実現しました。

野外ライブは、当然ながら明るい中で始まり陽が落ちるのに合わせて曲が展開し、すっかり暗くなって終わる。
一日の終わる雰囲気と音楽がシンクロして、キャンプ場でハンモックに揺られながら聴いているような気分・・・

日比谷野音は小ホール的な程よい広さと静けさ、野外の解放感、アーティストとの距離の近さがいいんですよね。
アーティスト側も観客との近さや、陽が落ちる中でのパフォーマンスはきっと気持ちが良いはず・・・

前回はアコースティックなアレンジでしたが、今回はパーカッションも加わりレゲエ的なアレンジが多く、南国風・・・
新譜の曲を中心としたライブもいいのですが、馴染みの曲をその場でしかない野外風アレンジで聴けるのが楽しい。

また、曲の合間に前回は蝉の鳴き声、今回は虫の鳴き声が聞こえましたが、この特別ゲストも野外ならでは・・・
そして、今回は決して歓迎したくはない「ライブあるある」が・・・しかも両隣りで・・・

右の兄さんは、お疲れか途中から寝始め船を漕ぎだす・・・当然のことながら音楽とは全く無関係のテンポで・・・
左の姉さんは手拍子のテンポがズレるズレる・・・どんなリズム感をお持ちですか、と聞きたくなる位ズレまくる・・・

だんだん暗くなってきたので視界から外れていきましたが、まあ色々なことを楽しませてもらった秋の夜でした。
最近は温暖化で夏の夜が暑いままで不快指数が高いので、清々しい秋の夜の気持ち良さが余計に際立ちますね。

更けゆく秋の夜・・・突然、ピアノの練習でタイトルを覚えた「旅愁」を思い出しました。
コロナと息子の受験がなければ、秋はゆっくりと旅に出たいものですが・・・

2021年9月24日


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2週間後には「驚きのニュース」となるか~自民党総裁選の公示日に思うこと・・・

2021-09-18 00:22:22 | 最近考えること
今日、自民党の総裁選つまり次の首相を決める選挙の告示が行われ、予定通り4人の議員が立候補しました。
9月28日に党員投票を締め切り、29日の党議員の投票結果を待って、日本の新しいリーダーが決まります。

今回は男女各二人ずつ、保守系もリベラル系もバランス良く、正に多様性の時代を象徴する顔ぶれとなりました。
今回は派閥力学も働かず自主投票となった派閥がほとんどで、ここにも時代性が表れているなと感じます。

多少の差こそあれ誰もが選ばれる可能性があり、これだけ拮抗している総裁選は久しぶりでワクワクします。
日本が直接選挙ではないのが残念ですが、今回は楽しみながら最後まで見守っていきたいなと思っています。

私が推したい人は決まっていますが、私の理想とするリーダー像から想像してもらうと楽しいかも知れません。

日本のリーダーですので、国家観、ビジョンや信念、考え方や価値観、対応力や発信力、リーダーシップなど、
重要な要素はたくさんある訳ですが、私が日本のリーダーとして重視したいのは、その人の「人格」と「見た目」・・・

「人格」にも様々な要素がありますが、簡単に言うと「その人らしさ」「その人たらしめているもの」となるでしょうか。
「見た目」というのは、決して容姿だけを言っているのではなく、「その人の持つ雰囲気」「存在感」「品格」など・・・

以前に竹内一郎さんと言う著者の「人は見た目が9割」という本がベストセラーになりました。
人は言葉以外が発する「ノンバーバルコミュニケーション」の方が、言葉よりも重要だということを説いたものです。

私もそれを読んで、見た目や表現力の重要性を強く感じましたが、同じことを言うにも言い方や表現力によって、
相手への伝わり方に大きな違いが生じることになります。言い方や表現の仕方って大事です・・・よね、S総理・・・

「見た目」に絡めて言うと、今回のオリパラの開会式や閉会式で挨拶された方々が本当に良かったですね。
M氏ではない東京都知事の小池百合子さん、そして別のM氏ではない組織委員会会長の橋本聖子さん・・・

特に、橋本聖子さんはオリンピックのメダリストでもあり、あの場で挨拶されるには最も相応しい方でしたし、
彼女が選手に力強く語りかける姿を誇らしく感じました。あの場ではつくづくM氏でなくて良かった・・・

今回は日本の二組織の長が女性、次回開催地のパリ市長も女性で、女性の時代を象徴したシーンでしたね。
そうした流れの中で、今回は二人も日本初の女性首相候補として立候補されました。これも時代の象徴・・・

話は変わり、7月末に大分の高崎山のニホンザルの集団でもメスがリーダーになるという大事件が起きました。
ニホンザルの社会は、今の日本社会とは異なり母方の血筋を継承する母系社会ながら、ボスザルはずっとオス。

但し、メスからの支持がないとリーダーに居続けることが出来ないため、他のオスに取って代わられると他に移る。
弱きを助け強きをくじく態度にメスは絶大な信頼を寄せるため、人格ならぬサル格がないと外されてしまう。

ボスザルもリーダーで居続けるには常に格を磨いていないといけないので、決して楽ではないのですが、
いずれにしてもメスがリーダーとなるのは異例のことで、サル社会にも女性リーダーが誕生する時代が到来した?

世界で女性リーダーがどんどん活躍する時代となり、日本にももうそういう変化が必要な時期だと感じています。
今回、日本に初の女性首相が誕生するかどうかは、日本が大きく変化していけるかどうかを占うことになると・・・

2週間後には大分のニホンザルのような驚きのニュースが日本を駆け巡ることを、密かに楽しみにしています。

2021年9月17日


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最後の学校イベントとなる「ライブ配信学園祭」~高3の2学期の始まりと共に・・・

2021-09-11 00:00:09 | 感動の出来事(学校イベント)
7月に起きた息子の学年でのコロナ感染ミニクラスター発生のため、夏休み直前の2週間が自宅学習となり、
実質2ヶ月となった長~い夏休みも終わり、今週から実質最後の学校生活となる高3の2学期が始まりました。

コロナの新規感染者数はやっと減少に転じたものの、9月末まで緊急事態宣言が延長される落ち着かない中で、
今日は2年ぶりとなる息子の学校でのリアルな学園祭が、来場者をかなり制限しつつ行われました。

今回は一般公開中止で、在校生以外に卒業生も来場できず各家庭の保護者1名のみ参観可能となりました。
その代わりに今回はライブ配信が行われ、全てではないものの一部の企画をライブ中継で観ることが出来ました。

去年はオンライン開催で、学園祭サイトにアップされたクラス企画や部活発表の動画を観る形式だったため、
今回は貴重な機会ながら高3生は不参加で、直接観に行くモチベーションが持てずライブ配信を楽しむことに。

今回はライブ配信のスケジュールに合わせて「吹奏楽部の演奏」、「学校関係者によるオーケストラ演奏」、
学年横断型ミュージカル「Show must go on!」、「高2生による団体劇」の4つの企画を視聴・・・

吹奏楽部の演奏は、入学直後に高3の卒部公演となる演奏会を観に行って、劇と組み合わせた楽しい演奏と、
最後に高3生を送り出す演出にもらい泣きしてからずっとお気に入りだったので、今回はその集大成として・・・

在校生・OBOG・先生・保護者など学校関係者で構成するオーケストラによる演奏は今回初めて聴きましたが、
本格的な素晴らしい演奏に聴き惚れてしまい、これまでもっと聴いておけば良かったと少し心残りです。

学年横断型ミュージカル「Show must go on!」は、ディズニーソングを中心に途中までは楽しい展開でしたが、
終盤に「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」が出てきて???、最後は「アニー」の「トゥモロー」で?????

いくら何でも有名なミュージカルソングをたくさん盛り込めばいいというものでもないでしょうに・・・
最後の、竹取物語をミュージカル風にアレンジした「高2生による団体劇」の方が、一貫した流れで楽しめました。

もう高3生は卒業までイベントがなく、今回の学園祭でずっと楽しんできた私の学校イベントもあっけなく終了・・・
色々なイベントを楽しめるだけ楽しんで来たけれど、高2以降はコロナのせいであまりにもあっけなかった・・・

オリパラも終わってしまい、今は少しイベントロス状態ですが、今度は藤原さくらの野外ライブを楽しみに・・・
コロナ禍であっても、やっぱり人間にはイベントが必要・・・その必要とするイベントは人それぞれですが・・・

今年は卒業対策委員でもあり、最近まで生徒に贈る記念品を決めるためにあれこれとやって来ました。
これから、これも記念品の一つとなる様々なイベントの写真集作りや謝恩会の企画もやっていく予定です。

もう学校のイベントは終わってしまいましたが、来春の卒業式が終わるまでは私の卒業イベントは続きます。
こういうイベントがあるからこそ、大きなロス状態にならずに済む・・・

本当のロス状態は息子が高校卒業を迎えた時にやって来るのかも知れませんね。
そのためにも今からその先の楽しみを考えておかないと・・・

2021年9月10日


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