NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

秋晴れの恵那森の学校 第5講座 (9月14日)

2014年09月17日 | 学習
恵那森の学校第5講座が開かれました。
5月から月1回のペースで開かれた森の学校はこれでおしまい。
来月は10月19日の森の健康診断本番を迎えます。
今回は「生物のつながり」をテーマに山内講師の自然観察でした。

鍋山の麓の田んぼのあぜ道では彼岸花が盛りを終え、秋も深くなって来ています。


中部大学グラウンドに集まった参加者です。
この日はグラウンドで高校生のラグビー大会があるようで、愛知、三重ナンバーの車が次々と集まっていました。
写真に写っている車のほとんどはラグビー関係者の物です。


山内講師の概略説明です。
これから行く鍋山が後方に見えています。


鍋山の尾根に上って最初に出会ったのは、ナラ枯れで枝だけになったミズナラの枯れ木です。


昨年枯れ始め、1年で完全に枯れてしまいました。


道端にはツリフネソウの小群落。
大きな蜂が蜜を吸いに来ていました。


更に道伝いに、ウリカエデ。


その他、ツノハシバミ、ユリノキ、エゴノキ、オオウラジロノキを観察しました。
オオウラジロノキの実は小さな梨のようですが、梨の味が微かにしながらも渋くて食べられません。
道を外れて森に入ると地上には色々なキノコが顔を出していました。
ここでは植物にとって大切な光合成では作れない窒素化合物を菌紺菌が作り出す仕組みを学びました。
植物を区別出来て名前が判ると、森では沢山の不思議に出会えます。
しかし、悔しいことになかなか植物の名前が覚えられません。

午後から湿原を観察しました。
東農の山地には小さな湿原が沢山あって、独特な生態系を営んでいます。

湿原へ向かう途中に今年の大雪で破壊された人工林を通りました。


細すぎるヒノキが雪の重さに必死で耐えようとしたのでしょう。
それでも途中で折れてしまったヒノキも沢山あって、差し込むようになった光の下に妙な明るさと荒廃の気配が漂っていました。




光がたっぷり差し込むようになったこの森は、急速に元の自然林に戻って行くことでしょう。
この荒れ果てた人工林の姿からは、人にはお荷物になってしまった人工林をいささか乱暴な力で自然が自分の物として取り戻す意思のようなものを感じて考えさせられます。

湿原では食虫植物のミミカキソウやミカワシオガマを観察しました。
説明を聞く参加者の帽子には、アキアカネも羽を休めにやって来ました。
(帽子の左の日が差している部分の真ん中辺りです。)


身近な森の中をたっぷりのんびり一日歩き学び、森の学校は15時に無事終了しました。
運動の程良い疲れと学んだ興奮が、心地良い余韻として残りました。
これでまた少し、森の仲間に近付けたような気がします。


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