みるみるの金谷です。2月25日、春日による、幼稚園での鑑賞の実践を見学しました。その様子をレポートします。
この園での実践は5回目ということもあり、廊下で待っている時から、子どもたちからは笑顔とわくわくした感じがあふれていました。この会をとても楽しみにしている様子が伝わってきます。
はじめに鑑賞のルールを確認すると、子どもたちは、「あ、そうだった」と思い出したりしながら、「しずかにみる」、「てをあげていう」、「しずかにはなしをきく」と声をそろえて言っていました。繰り返し実践する中でも、ルール確認の大切さを感じました。
今回の作品は、ウィンスロー・ホーマーの「カントリー・スクール」です(どんな作品かは、検索してみてくださいね)。じっくり作品をみたあと、元気な「はい!」の声とともに一斉に手が挙がりました。まずは絵の中にみつけたもの、人物はもちろん、室内や地面にあるものや、窓の外の景色等々について、どんどん手が挙がりました。子どもたち全員が、自分の見つけたことについて、手を挙げ発言することができました(すごい!)。
全員の発言後、見つけたものを振り返る中で「ここは学校みたい」という意見も多かったことを確認した後、ファシリテーターから次のような投げかけがありました。「(ここにいる人は)おんなじくらいの、としですか?」と。子どもたちはまた、ぐっと集中して絵をみつめます。「このひと、せがたかい」、「ということは、としは?」、「おおきい!」。その後、絵の中の人物に焦点を当てながら、活発に発言が続いていきました。学校に見えるけれど机がない、みんな本を読んでいるから図書室かもしれない等、見えているものや今までの発言をもとに、それらをつなぎ合わせて考え、発言する姿がそこにはありました。その姿を見て、(年長さんって、こんな力をもっているんだ!)と、驚きました。思わず「小学校低学年のせんせーい、年長さんすごいですよー!幼稚園に見に来てくださーい!」と、いろいろなところにお知らせしたくなりました(「知ってますよ」と言われそうですが…)。
また、鑑賞者がより深く絵をみることができるように、ファシリテーターが視点を提供したり、焦点をしぼったりすることは、幼稚園の子どもたちにも効果的であり、やはり大切なことなのだなと、実感しました。
このほかにも、子どもたちの様子をみながら、素晴らしいなぁと思ったことが二つあります。ひとつは、根拠をもって発言していることです。硬い言い方になってしまいましたが、例えば、(画面の左端の男の子を指差し)「ぽろぽろ泣いてるみたい」、「どうして?」、「こうしてるから(手を顔の前にもっていき、動作で説明)」、また、「べんきょうしてるみたい」、「どうして?」、「ほん、もってるから」等々、ファシリテーターに「どうして?」と聞かれたとき、絵の中でこうなっているからということを、自分なりの表現で伝えることができるというのは素晴らしいなぁと思いました。
ふたつ目は「たしかにぃ(確かに)」です。友だちの発言をきいて「たしかにぃ」が、やさしいトーンで子どもたちから自然に出てくるのが印象的でした。これはきっと、自分は見つけてなかった、気づいてなかったけど、話をきいてみたら確かにそうだな、というような気持ちが「たしかにぃ」となって、口から出て行ったのではないだろうかと思います。
そのような子どもたちの言葉や話をきく姿から、友だちの発言をあたたかく受けとめて聴いていることが、伝わってきました。このようなあたたかい環境が、「じぶんは、これでよい(good enough)」という気持ちを育てていくのだなぁと思いました。
今回の見学をとおして、対話による鑑賞は年齢を問わないということを、強く感じました。もちろん、同じ作品でも鑑賞者の年齢や年代が違えば対話の内容も違ってきます。また作品によっては、中学生に是非みせたい、というものもあれば、一般(大人)向きかなという作品もあります。それでも、今回感じたこととして、6歳ならば6歳として今までの生活経験や知識を使いながら、作品と対話することができるということです。子どもたちから出てくる言葉の多くは、生活経験とつながっています。だからこそ、子どもたちの背景(生活の様子など)を知る、担任の先生方がファシリテーターをされたならば、子どもたちがもっている、作品をよみとる力をもっと強く感じられるのではないか、より深い意味を見つけられるのではないかと強く思います。
幼稚園のみなさんから学ぶことがとても多くて、ちょっと長くなってしまいました。ということで、幼児教育関係者のみなさーん、いっしょに鑑賞の世界にはまってみませんか?おもしろいですよ。
ありがとうございます。自分が実践しているときには、気付けないことまで気付いていて、会員が参観してくれるってありがたいと思います。
明日は京都に出かけ、明後日は京大博物館で腕試しです。関西の方々に楽しめるひと時が提供できるように頑張ってきますので、、また。報告お楽しみに!!
この園での実践は5回目ということもあり、廊下で待っている時から、子どもたちからは笑顔とわくわくした感じがあふれていました。この会をとても楽しみにしている様子が伝わってきます。
はじめに鑑賞のルールを確認すると、子どもたちは、「あ、そうだった」と思い出したりしながら、「しずかにみる」、「てをあげていう」、「しずかにはなしをきく」と声をそろえて言っていました。繰り返し実践する中でも、ルール確認の大切さを感じました。
今回の作品は、ウィンスロー・ホーマーの「カントリー・スクール」です(どんな作品かは、検索してみてくださいね)。じっくり作品をみたあと、元気な「はい!」の声とともに一斉に手が挙がりました。まずは絵の中にみつけたもの、人物はもちろん、室内や地面にあるものや、窓の外の景色等々について、どんどん手が挙がりました。子どもたち全員が、自分の見つけたことについて、手を挙げ発言することができました(すごい!)。
全員の発言後、見つけたものを振り返る中で「ここは学校みたい」という意見も多かったことを確認した後、ファシリテーターから次のような投げかけがありました。「(ここにいる人は)おんなじくらいの、としですか?」と。子どもたちはまた、ぐっと集中して絵をみつめます。「このひと、せがたかい」、「ということは、としは?」、「おおきい!」。その後、絵の中の人物に焦点を当てながら、活発に発言が続いていきました。学校に見えるけれど机がない、みんな本を読んでいるから図書室かもしれない等、見えているものや今までの発言をもとに、それらをつなぎ合わせて考え、発言する姿がそこにはありました。その姿を見て、(年長さんって、こんな力をもっているんだ!)と、驚きました。思わず「小学校低学年のせんせーい、年長さんすごいですよー!幼稚園に見に来てくださーい!」と、いろいろなところにお知らせしたくなりました(「知ってますよ」と言われそうですが…)。
また、鑑賞者がより深く絵をみることができるように、ファシリテーターが視点を提供したり、焦点をしぼったりすることは、幼稚園の子どもたちにも効果的であり、やはり大切なことなのだなと、実感しました。
このほかにも、子どもたちの様子をみながら、素晴らしいなぁと思ったことが二つあります。ひとつは、根拠をもって発言していることです。硬い言い方になってしまいましたが、例えば、(画面の左端の男の子を指差し)「ぽろぽろ泣いてるみたい」、「どうして?」、「こうしてるから(手を顔の前にもっていき、動作で説明)」、また、「べんきょうしてるみたい」、「どうして?」、「ほん、もってるから」等々、ファシリテーターに「どうして?」と聞かれたとき、絵の中でこうなっているからということを、自分なりの表現で伝えることができるというのは素晴らしいなぁと思いました。
ふたつ目は「たしかにぃ(確かに)」です。友だちの発言をきいて「たしかにぃ」が、やさしいトーンで子どもたちから自然に出てくるのが印象的でした。これはきっと、自分は見つけてなかった、気づいてなかったけど、話をきいてみたら確かにそうだな、というような気持ちが「たしかにぃ」となって、口から出て行ったのではないだろうかと思います。
そのような子どもたちの言葉や話をきく姿から、友だちの発言をあたたかく受けとめて聴いていることが、伝わってきました。このようなあたたかい環境が、「じぶんは、これでよい(good enough)」という気持ちを育てていくのだなぁと思いました。
今回の見学をとおして、対話による鑑賞は年齢を問わないということを、強く感じました。もちろん、同じ作品でも鑑賞者の年齢や年代が違えば対話の内容も違ってきます。また作品によっては、中学生に是非みせたい、というものもあれば、一般(大人)向きかなという作品もあります。それでも、今回感じたこととして、6歳ならば6歳として今までの生活経験や知識を使いながら、作品と対話することができるということです。子どもたちから出てくる言葉の多くは、生活経験とつながっています。だからこそ、子どもたちの背景(生活の様子など)を知る、担任の先生方がファシリテーターをされたならば、子どもたちがもっている、作品をよみとる力をもっと強く感じられるのではないか、より深い意味を見つけられるのではないかと強く思います。
幼稚園のみなさんから学ぶことがとても多くて、ちょっと長くなってしまいました。ということで、幼児教育関係者のみなさーん、いっしょに鑑賞の世界にはまってみませんか?おもしろいですよ。
ありがとうございます。自分が実践しているときには、気付けないことまで気付いていて、会員が参観してくれるってありがたいと思います。
明日は京都に出かけ、明後日は京大博物館で腕試しです。関西の方々に楽しめるひと時が提供できるように頑張ってきますので、、また。報告お楽しみに!!