長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

207.『吾輩も猫である』 その二

2015-09-06 20:58:03 | 日記・日常

黒虎のタマオである。このブログ、二度目の登場である。そもそもご主人がネタに詰まった時にしか出してもらえないのである。そして、ご主人夫妻には相変わらずひんしゅくを買っている毎日である。もっともひんしゅくを買うのは吾輩の習性…というよりも猫族の習性である「狩り」のことである。

以前にもお話ししたが、この家のご主人夫妻は「日本野鳥の会会員」とやらで、鳥だけでなく生き物全般が好きなのである。今までも野鳥ではスズメ、メジロ、アオジ、ジョウビタキなどを狩ってはリビングまで持ってきて自慢してきた。そのたびに大目玉を食らうので、このところ鳥たちとは仲良くしてきた。鳥以外なら良いだろうと、春先に「ヤモリ」と人間たちが呼んでいるトカゲに似た小さな生きものを狩ってきたのだが、ご主人曰くこのヤモリ「害虫などを捕ってくれるので人間に益をもたらす生きもの」なのだそうで、さらに「現在、減少している貴重な生き物」なのだそうだ。この時も前足を掴まれて「お仕置き」のポーズをとらされ、説教をされた。最近、ご主人は、とみに説教が長くなった…年のせいなのかなぁ。

それでは、猫の狩りの定番であるネズミなら良かろうと少し遠出をしてハツカネズミを捕ってきたのだが、こちらは奥さんの方が「ネズミ属のつぶらな瞳が好き」ということで、リビングに置いておいたところ甲高い悲鳴を上げられてしまった。昔から猫がネズミを捕るのは小説や漫画にも登場する日常茶飯なことなのである。だいいいち連中に大きな顔をさせておいたら、旺盛な繁殖力で町中がネズミであふれ、天井や床下などに入って来て運動会を始めるので、うるさくてしょうがないと思うのだが。それこそ人間にとって益をなさないのではないだろうか。しかし奥様曰く「わかっているけど、感情的な問題」なのだそうである。そして最後に二人そろって吾輩を叱る決め台詞は「食べるわけでもないのに、また無益な殺生をしてっ!!」である。

こうして付き合っていると人間というのは自分たちの小さな物差しを基準に益があるとかないとか、甚だ自分勝手な動物である。おっと、アトリエで絵を描いていた主人がコーヒーを飲みにやってきた。おとなしく従順な顔をして寝たふりをすることにしよう。画像はトップが主人に説教をされている吾輩のアップ。下が向かって左から同じく説教をされているようす。狩ってきたハツカネズミ、お気に入りのクッションの上で休む吾輩。