長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

368.個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で - 』 終了しました。

2019-05-08 17:50:02 | 個展・グループ展
市川市芳澤ガーデンギャラリーで4/12~5/6まで開催された個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で -』もおかげさまで盛会の内に終了いたしました。

大型連休が入って長期の旅行に行く方、家で休養する方などが多く、入館者がどちらに転ぶか心配していましたが連日多くの方々が入館され、さらにみなさんとても丁寧に時間をかけてご高覧いただきました。用意した芳名帳には600名の方々が記帳され美術館側の記録では2350名の方々の入館が記録されたようです。入館者のうち最も多かったのは初めてリアルで僕の作品をご覧になる方々で、このこともとても開催して良かったと思っています。

僕自身、普段は画廊や公共空間等、発表する場所も変えている「写実(野鳥版画)」と「幻想(銅版画や絵画等)」の2つの表現の作品群を始めて同一空間に展示しましたので、どのように見えるのかとても気がかりでしたが「別に違和感はない」「一人のアーティストの表現として繋がって見える」などのご感想を多くいただきホッと胸を撫で下ろしているところです。

それから関連イベントとして2日に分けて行った『ライヴ・プリンティング(版画の摺りの実演)』も2回とも満員御礼状態で大好評のうちに行うことができました。作家としても多くのみなさんに喜んでいただけて幸いです。

画廊での個展、公共空間での個展、いつも最終日に思うのですが、展覧会が終了していざ会場を立ち去る時、とても切なく寂しい気持ちになります。ある音楽家の言葉に「音楽は演奏し終わると空中に消え去ってしまうものだ…」という有名なものがあります。CDなどの記録媒体というものは会場の空気感や雰囲気までは再現できません。音楽のように演奏時間のスパンは短くはありませんが美術の展覧会も終わってしまえば何てことはありません。こちらも画集やポストカードなどの印刷物はリアルな展示空間とは別物です。これを「一刹那」「無常」とでも言うのでしょうか。人は皆、そのような時間を生きて活動しているのだなとしみじみ思います。唯一残るとしたらその展示空間にその時に僕といっしょに作品をご覧いただいた方々の記憶と心の中に焼き付いた映像だけということになるのでしょう。

最後にこの場をお借りしてこの個展を企画し開催していだいた美術館スタッフの皆様、会場に当番でつめていただいたボランティアスタッフの皆様、そして御来館いただいた多くのみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。

個展やグループ展というのは通過点。みなさん、また次の未知のポイントでお会いしましょう。


画像はトップが最終日に会場で挨拶をする僕。下が最終日の美術館のようすと会場での僕。