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HAYABUSA - Zuruck zur Erde ~ドイツ宇宙紀行 2012初夏~ その10:アルトナ駅のカートレイン

2012-06-12 | 鉄道
ハンブルグ-アルトナ駅 Hamburg-Altona


その9:黄昏のハンブルグからの続き

まだ明るい午後8時過ぎ、
ハンブルグの中央駅から近郊電車(Sバーン)で10分ほど走った場所にあるハンブルグ-アルトナ駅にやって来ました。
ここはハンブルグの鉄道の終着駅で、行き止まり式のプラットホームが櫛の歯状に並ぶ旅情あるターミナル駅です。
ハンブルグを発着するほとんどの長距離列車は、中央駅ではなくアルトナ駅が始発駅であり、終着駅となっています。

今夜はこれから、ここアルトナ駅が始発のハンブルグ発ミュンヘン行き寝台特急 City Night Line「Pyxis」 に乗車します。
「Pyxis」は中央駅にも停車してからミュンヘンへと走りますが、
夜行列車には始発駅から乗りたいという鉄道好きの“鉄の掟”(笑)に従って、わざわざ始発駅までやって来たのです。

アルトナ駅のプラットホームには、自動車を載せた貨車が停車しています。



これは、貨物列車ではありません。
寝台特急に乗客の自家用車を載せた車運車を併結して、目的地まで一緒に運んでしまおうという陸のカーフェリー
「カートレイン」なのです。

ドイツをはじめヨーロッパではわりと一般的な鉄道の運行形態で、アルトナ駅に停車中の各地に向かう寝台特急たちは皆、編成の最後尾に車運車をぶら下げています。

かつて、日本でも今から20年ほど前、ちょうど国鉄が分割民営化された頃は、新しい乗客サービスの試みとして「カートレイン」が運行されていた時期があったのですが、結局定着すること無く終わってしまいました。
エコロジーの観点からもかなり有効と思われるこの「カートレイン」、今の時代にこそ日本でも復活して欲しいと思うんですけどねぇ…

ミュンヘン行き「Pyxis」の発車までまだ時間があるので、アルトナ駅に勢ぞろいした寝台特急たちを見て歩きましょう。
さっきのカートレインをつないだ寝台特急はオーストリア鉄道とドイツ鉄道の車輌を連ねたウイーン西駅行きの国際列車でした。

ES64U2という形式の、黒くてクールなデザインの電気機関車が先頭に立ちます。

その隣に入線している寝台特急の先頭に立つのは、真っ赤なドイツ鉄道の電気機関車。

115型という形式でしょうか。パンタグラフも大きな菱形で、ちょっとクラシカルですね。


こちらは、ドイツ鉄道の新型高性能電気機関車101。超高速列車ICE並みの走行性能を持つスーパーマシンです。


101の次位に、パンタグラフを下ろしたES64U2が無動力回送で連結されています。
日本のブルートレインでこんなことやったら、鉄道ファンが駅や沿線に押しかけて大騒ぎになるなぁ…




ウイーン行きの国際寝台特急が、暮れなずむアルトナ駅を発車していきます。
でも、いかんせん最後尾がテールマークと赤ランプを灯した寝台車じゃなくてごっつい「貨車」なので、
イマイチ旅情に欠けますね(笑)
それに、どうやら発車の際の振動で、搭載された乗客のベンツの盗難防止装置が誤作動してしまったらしく、派手に警告音とアラームランプを点滅させたまま走り去っていってしまった…
あの後どうなったんだろう…
ハンブルグ中央駅あたりで誰か気が付いて対応してくれたらいいけど、あのままだとウイーンに着く頃にはあのベンツはバッテリーが上がってしまって動かせなくなってるぞ…


その11:寝台特急City Night Lineに続く