宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

亘理名取地区の関係機関が連携して,東日本大震災の堆積土砂・汚泥をサンプリング

2011年06月03日 14時51分31秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
亘理名取地区では,東日本大震災で多くの農地が津波の被害を受けました。
 亘理農業改良普及センターでは,3月下旬から4月中旬にかけ,浸水被害の境界域を管内関係機関と一体となって調査し,塩害が懸念されるエリアの特定を進めてきました。境界域よりも海に近い地区では,土砂が堆積している農地も多いこと,また,堆積物には,硫化物等の混入も考えられることから,県では,東北大学の協力を得て,県内の津波被害を受けたエリア全域の土壌サンプリングと土砂等の堆積状況の調査を行いました。
 亘理農業改良普及センター管内では,5月16日から18日までの3日間に,管内市町,JA,NOSAI,土地改良区などの管内関係機関に加え,東北農政局阿武隈土地改良調査管理事務所の協力も得ながら,東北大学,農業・園芸総合研究所,古川農業試験場,県庁関係課を含め,のべ約100人で1k㎡あたり3~4か所,合計209か所でサンプリングと土砂の堆積状況等の調査を行いました。
 サンプリングした土壌は,現在,農業・園芸総合研究所,古川農業試験場で,pH,電気伝導度(EC)のほか,重金属等の項目について分析を進めているところです。
 今回調査しました土砂の堆積状況や化学分析の結果をもとに農地の復旧,亘理・名取地域の農業・農村の復興に向けて取り組んで参りますので,今後とも御協力をよろしくお願いします。

連絡先:亘理農業改良普及センター 先進技術班 0223-34-1141

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宮城県を元気に・・岩沼のカーネーションをイベントでプレゼント!

2011年06月03日 14時42分25秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
亘理管内のカーネーションは母の日をピークに出荷終期を迎えています。
3月11日の大震災で名取市小塚原地区のカーネーションは甚大な被害を受けました。東部道路より西側の名取市高柳地区,岩沼市,亘理町のカーネーションは被害が少なく,停電や重油調達に苦慮しましたが,どうにか乗り越え,出荷を継続してきました。
ところが,仙台市場における震災後の花き単価は安値が続き,例年なら3月のお彼岸,卒業,送別会,4月の入学,歓迎会,5月の母の日等,花の収入増が見込める時期であるはずが,今年は大きく収入が減少しています。3月の売上が平年に比べ100万円以上ダウンした生産者もあり,がっくり肩を落としています。
このような状況の中,5月22日(日),観光PRイベント「東北うまいものフェア」が仙台駅で開催され,仙台駅を利用するお客さまに岩沼市の斉藤園芸のカーネーションが配られました。
斉藤園芸のカーネーションハウスは,岩沼市の西側に位置し津波被害はありませんでしたが,地震直後からの停電により温室の天窓が開いたままの状態になりました。雪の舞い散る中,発電機を調達し,カーネーションが凍らないよう天窓を閉め,2重カーテンで保温するなど緊急措置に追われました。
斉藤園芸の斉藤富男さんは,宮城県の方々が一日でも早く元気を取り戻し,生活の中に花を取り入れる暮らしができるよう願い今回のイベント用の花束を作りました。
「花は心のビタミンのようなもの。今後も宮城県が元気になる取り組みに協力していきたい。」と話してくれました。

連絡先:亘理農業改良普及センター 先進技術班 0223-34-1141

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津波に負けず咲き続ける名取のカーネーション!!

2011年06月03日 09時12分44秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

名取市は,東北一のカーネーション産地として,昭和40年代からカーネーション栽培を行ってきました。名取市小塚原地区では8名の生産者が意欲的に取り組んでおりましたが,東日本大震災で自宅,農業用施設とも津波の壊滅的な被害を受けました。
 地震が発生した3月11日は,お彼岸向けにカーネーション出荷量が増え始めた時期でした。また,3月の卒業シーズン,4月の入学シーズン,5月の母の日に向けて出荷量が増えていく予定でした。
 しかし,予想をはるかに超える大津波により,パイプハウスはすべて倒壊し,鉄骨ハウスの入り口を押し破って瓦礫や乗用車が流れ込むなど目を疑うほどの被害状況でした。
 震災後は,8名とも親類や避難所に身を寄せていましたが,徐々に自宅の片付けなどもできるようになり,今後の営農再開を考えられるようになりました。
 一時は,小塚原のカーネーションは復興できないのではないか・・と誰もが思いましたが,津波で海水や土砂をかぶったカーネーションは枯れずに次々と新しい芽を出しており,その耐塩性に驚き,生命力の強さに生産者は励まされました。
 施設,機械,運転資金などこれからの課題は山積していますが,残ったハウスの土壌を除塩し,また,カーネーションを作付けできるように皆で頑張っていこうと気運が高まっています。
 残っているカーネーションをゆずってほしいという消費者からの要望,また,閖上地域で命を落とされた多くの方々を花を飾って弔いたいという声もあり,ハウスに残っているカーネーションを束花にしてスーパーの店舗や閖上朝市などで直売を始めました。母の日に向けては秋田県の業者から4000本の注文があり,復興に向けた様々な取り組みを始めていこうとしています。

宮城県亘理農業改良普及センター
989-2301亘理郡亘理町逢隈中泉字本木9
電話:0223-34-1141 /FAX0223-34-1143


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