9月25日,「蔵王産梨」のベトナムへの輸出出発式がJAみやぎ仙南蔵王梨選果場で開催されました。式には生産者・関係者およそ70名が集まり,ベトナムへの初めての梨輸出を祝いました。
今年1月のベトナムへの国産梨の輸出解禁を受け,JA蔵王地区なし部会5名の園地で生産された「豊水」5tが輸出されます。販売は現地のイオングループで10月12日にはじまる予定です。
9月は台風被害も少なく天気に恵まれ,蔵王町ではおいしい梨が生産されており,東南アジアの果実では珍しいシャリシャリとした食感がある蔵王産果実の現地での評価が期待されます。
輸出される「豊水」
ベトナムへ出発
〈連絡先〉宮城県大河原農業改良普及センター 先進技術第二班
TEL:0224-53-3431 FAX:0224-53-3138
9月20日,JAあさひな主催の大麦・小麦栽培講習会が開催され,生産組合6組織と個人1名が参加しました。平成29年産麦類については,播種の遅れから初期生育は不良で,その後暖冬により生育は回復したものの,空洞麦や充実不足などが多く見受けられました。
こうした状況を踏まえ,普及センターからは麦類栽培の5つのポイント(排水対策,適期播種,雑草防除,踏圧,追肥)について説明し,特に適期播種と排水対策の重要性について強調しました。
また,農薬メーカーの担当者からは,問題となっているカラスムギやネズミムギについて,非選択性除草剤を用いた麦類耕起前除草の方法を詳しく説明していただきました。
さらに,9月21日にはJA仙台においても麦生産部会協議会が開催され,適期播種に向けて準備が進められています。
宮城県仙台農業改良普及センター 先進技術第一班
〒981-8505 仙台市青葉区堤通雨宮町4番17号
TEL:022-275-8410
FAX:022-275-0296
E-mail sdnokai@pref.miyagi.lg.jp
平成29年9月20日に第2回本吉地区みやぎ農業未来塾を開催しました。
今回は果樹での就農を希望する農業大学校生を対象とし,今後の経営ビジョンづくり,栽培技術の向上,地域農業への理解の深化を目的として,気仙沼市の果樹農家を視察しました。
参加した学生は,現在南三陸町の果樹農家の元で研修していますが,研修先とは違った経営を学ぶことができ,「品種による味の違いは何か」,「なぜ西洋梨の人気が出たのか」など積極的に質問をしていました。未来塾終了後には,「品種の多さに驚いた」,「研修先の経営とまったく異なり,非常に勉強になった」などの感想も聞け,有意義な視察研修となりました。
<連絡先>
宮城県本吉農業改良普及センター 地域農業班
〒988-0341 気仙沼市本吉町津谷桜子20-2
TEL:0226-29-6041 FAX:0226-42-1672
E-MAIL:mynks@pref.miyagi.lg.jp
9月14日,県内最南端の公共牧場である丸森町町営南山放牧場では,今年2度目の入牧が行われました。この日,越冬牛と5月入牧牛135頭の牛たちに,28頭の子牛たちが新たに加わりました。
放牧されている牛たちを観察していますと,ときどき体毛が黒白斑ではなく赤白斑のホルスタイン種を見かけます。ホルスタイン種を改良する時に,体格と肉質の向上を図るためショートホーン種を交配した影響が残り,赤白斑も稀に現れるのです。ホルスタインレッド,またはレッドホスルタインと呼ばれています。
放牧場に放たれた牛たちは,放牧地を駆け回ることで足腰が鍛えられ,強健な身体となります。新たに入牧した子牛たちものびのびと成育し,強健な成牛になることが期待されています。
新たな仲間
赤白斑のホルスタイン種
広々とした草地で草を食べる
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 先進技術第一班
TEL:0224-53-3496 FAX:0224-53-3138
平成29年9月13日(水)に,栗原農業士会(会長:白鳥正文,会員22人)による平成29年度栗原農業士会経営状況相互視察研修会が開催されました。
本研修会は,会員が農業経営の発展に役立てるため,お互いの経営状況を視察しあうもので,今回は志波姫地区の指導農業士・青年農業士3戸を訪問しました。
当日は,栗原市内農家で先進農業体験学習中の宮城県農業大学校の学生や栗原市4Hクラブ員も参加し,農業士の経営状況や今後の営農展望について勉強しました。
はじめに,青年農業士の伊藤紀彦氏を訪問し,酪農と飼料作物の栽培についてお話を伺いました。伊藤氏は近年の飼料価格高騰に伴い,飼料作物の自給に力を入れており,配合飼料以外の粗飼料については自給できているとのことでした。今後は,デントコーンの子実のみを収穫して配合飼料の代替にできないか,その作付のために,連作障害の大豆ほ場を活用できないかを検討しているとのことでした。
次に,青年農業士の佐々木裕章氏を訪問し,水稲と大豆の栽培,大豆乾燥調製,無人ヘリ防除についてお話を伺いました。米はJA出荷と直接販売を併用しているが,近年,旧志波姫町内全域に作付ほ場が広がっているとのことでした。大豆についても同様に拡大傾向とのことでした。また,今年からレーザーレベラーを導入したことから,ほ場の合筆・均平作業を冬期作業として実施していきたいとのことでした。
最後に,指導農業士の氏家豊美氏を訪問し,水稲と大豆の栽培,家族内での役割分担についてお話を伺いました。氏家家では,水稲部門は夫の哲氏が,大豆部門は息子の圭氏が,米の直接販売と経理は豊美氏が分担しているとのことでした。水稲は小区画・不整形ほ場の多い地域であるた規模拡大ができないとのことで,近年は,大豆の作付面積が増加しているとのこと。ただし,今後地域でほ場整備事業が進めば水稲の生産面積拡大も可能となる見込みとのことでした。
研修会終了後は,氏家豊美氏宅の敷地内で情報交換会(4Hクラブの農大研修生激励会と併催)が開催され,農業士や4Hクラブ員,農大生等が地域や世代,作目の違いを越えて栗原農業について語り合い,有意義な交流が行われました。
<視察研修の様子> <経営状況を説明する佐々木氏>
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-6144
<水耕栽培の視察の様子>
平成29年9月6日(水)に,農業や食関連産業への就業を検討している宮城県迫桜高等学校の生徒の農業経営等への理解と関心を醸成することを目的に,栗原市一迫の2つの農業法人を訪問しました。視察研修にはアグリビジネス系列の21人の生徒(2~3年生)が参加し,水耕栽培の仕組みや経営の概要,今後の経営計画等について学習しました。
最初は,「有限会社 耕佑」の常務取締役の伊藤秀太氏を講師に,耕佑で導入している水耕栽培システム(M式水耕研究所)の仕組みやメンテナンスについて見学し,地域の女性労働力を活用した葉物野菜に特化した経営についてお話しを伺いました。(有)耕佑では,サンチュやサラダ菜を中心に栽培しており,経営の基本は,「売り先のある品目を安定供給する」です。最近は,新たにケールやホワイトセロリを作っていますが,中食・外食向けが多いため安定供給が特に重要であり,グローバルGAPの実践が役に立っているとのことでした。
次は,平成28年6月に法人化したばかりの「農事組合法人 ファーム南栗原」の代表理事組合長の松田久義氏を講師に,法人化の経緯や今後の計画についてお話を伺いました。一迫南沢地区は110haの耕地があるものの沢沿いの中山間地であり,地区住民の減少に伴い,地区内ほ場の維持管理が困難になってきたのが法人化の一番の理由とのことでした。現在は水稲中心の経営で,役員の平均年齢は60歳を超えていますが,今後,ライスセンターの整備や園芸品目の導入,基盤整備事業の実施等により経営基盤を整え,若手の役員や従業員を雇用できる経営体にすることが目標とのことでした。
どちらの農業法人も,地域や実需の状況に対応しつつ,今後の目標をしっかり見据えた経営を行っており,参加者は,今後の進路選定に向けて大変参考になったようでした。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-6144
平成29年9月14日にみやぎ農業未来塾「在学者・就農者コース~技術・経営能力向上講座~」を石巻合庁と石巻市内農業法人で開催しました。
9月4日から先進農業体験学習として管内農家で研修をしている農業大学校生5名と石巻地区4Hクラブ員3名の計8名が参加し,農業技術競技と現地視察を行いました。
農業技術競技は,水稲品種や病害虫防除,雑草防除等の栽培技術問題に加え,所得税の確定申告や宮城県の食料自給率に関する問題などバラエティに富む内容でした。
現地視察では,4Hクラブ員の阿部欣悦氏が常務を務める株式会社やまとファーム石巻を視察しました。当法人は津波被害が甚大であった石巻市釜地区の農家5名により設立された法人で,石巻市復興園芸団地須江地区において,ミニトマトの養液栽培とキュウリの養液土耕栽培を行っています。阿部常務から法人設立の経緯や経営概況,きゅうり・トマトの栽培方法や出荷調製方法,パート雇用等について説明がなされました。
参加者からは,栽培技術や農業法人としての経営管理等についての質問が出されました。
夜には農業大学校生と4Hクラブ員との交流会が催され,バーベキューをしながら交流を図りました。農業大学校生は各農家での研修内容について仲間と話をしながら鋭気を養うとともに,4Hクラブ員とは就農にあたっての展望等についても意見交換するなど,大変有意義な交流会となりました。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
平成29年9月6日(水),気仙沼市階上杉ノ下地区及び階上公民館を会場として,平成29年度第1回本吉農業改良普及センター普及活動外部評価員検討会を開催しました。
昨年設立したシーサイドファーム波路上株式会社による気仙沼地区ほ場整備事業「杉ノ下工区」で大規模な土地利用型ねぎ生産の取組状況を視察しました。3ha規模のねぎ生産ほ場の広がりに感嘆しきりでした。
その後会場を移し検討会を実施。検討委員として,宮城県農業士,地区生活研究グループ役員,マスコミ関係者,市・町・JA職員等8名に出席して頂きました。
今年度前半のプロジェクト課題の中から,新規設立法人の生産・経営活動への支援とほ場整備地区における集落営農組織への組織運営と会計計処理能力の習得に係る支援活動の推進状況と中間成果について報告し,活動に対する評価と対象への年度後半の活動計画への支援方策に対する助言・意見を頂ました。
新規設立法人及び営農組織に対し,設立初期の生産技術習得支援や組織運営,経営安定への支援が重要であり早期の経営確立が課題であるなどの意見を頂きました。
年度後半への活動方向,支援方策等にいただいた貴重な助言・意見を活かせるよう今後の課題解決に向け活動してまいります。
<連絡先>
宮城県本吉農業改良普及センター 地域農業班・先進技術班
〒988-0341 気仙沼市本吉町津谷桜子20-2
TEL:0226-29-6041・6044 FAX:0226-42-1672
E-MAIL: mynokai@pref.miyagi.lg.jp
去る平成29年8月30日(水)に外部検討委員6名の出席のもと「平成29年度第1回仙南地域農業普及活動検討会」を開催,普及指導活動に関する内容及び方法や今後の普及活動のあり方について幅広い検討を行いました。
今回は「土地利用型園芸に関する普及活動について」をテーマに検討を行いました。
はじめに,ねぎ生産ほ場を視察した後,JAみやぎ仙南の会議室において,3つのプロジェクト課題「園芸部門の拡充による収益性向上を目指す集落営農法人の育成(品目:長ねぎ)」,「町内実需者に向けた地元特産農産物の生産振興(品目:さといも)」,「土地利用型園芸作物への機械化体系導入による産地育成(品目:ブロッコリー,たまねぎ)」について,これまでの取組や今後の活動について検討を行いました。
普及センターでは,今回の検討内容を参考にしながら,効率的,効果的な普及活動を行っていきます。
〈連絡先〉宮城県大河原農業改良普及センター 地域農業第一班
TEL:0224-53-3519 FAX:0224-53-3138
ねぎ生産ほ場の視察
農業普及活動検討会の様子
去る9月7日,登米市でJAみやぎ登米キャベツ部会現地検討会が開催されました。部会員およそ10名が集まり,7月から8月にかけて定植された豊里・米山地区のほ場3か所の巡回を行い,生育状況や病害虫発生状況を確認して今後の対策等を検討しました。
部会員が特に気にしていたのは,今後の病害虫の防除管理についてです。秋雨や台風による悪天候が続く時期に突入するため,防除のタイミングを逃さないよう気をつけなければなりません。そこで,普及センターからは,今後の天候予想と病害虫の生態や防除方法の紹介をし,注意を呼びかけました。
巡回したほ場のキャベツは,濃い緑に色づき,病虫害に侵されることなくきれいに結球が進んでおり,時期に収穫期を迎えるでしょう。検討会は今後も定期的に開催される予定です。普及センターでは,引き続き施肥改善や害虫モニタリング等の技術情報提供を行うことにしています。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター
先進技術班
〒987-0511
宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-6127
FAX:0220-22-7522