美里町小牛田地区の「乾田直播栽培研究会」は現在15名の会員で組織され,地域に合った水稲乾田直播栽培(以下乾直栽培)の確立を目指して活動しています。
12月16日に開催された実績検討会には6名の会員の他,関係機関の担当者が出席し,新しい肥料を使った栽培試験の結果や各会員の収量,品質等について検討しました。
今回の試験では,前年度の試験結果を踏まえ,初期の窒素溶出を少し抑え,施用約1ヶ月後に溶出割合が高くなる肥料を試験に用い,慣行区と比較しました。
その結果,生育中期以降,試験区が慣行区の生育を上回りましたが,収量はほぼ同じだったこと,品質,食味値は試験区の方が良く,試験区の方が後半まで稲体に窒素を供給できたためと思われることを普及センターから説明しました。出席した会員からは,ぜひ新しい肥料を使ってみたいという意見が出ました。研究会員の実績は,収量は天候に恵まれた前年より少なく360~480kg/10aで,ややくず米が多いという傾向がありました。
最後の意見交換では,「除草技術は向上したが,乾直栽培では追肥の効果が分かりづらい」「ブロックローテーションにより毎年違うほ場での栽培となるため,施肥設計が難しい」といった悩みも聞かれました。
普及センターでは,今後も乾直に適した技術情報を提供し,生産技術の向上と普及拡大を支援していきたいと考えています。
<問い合わせ先>
美里農業改良普及センター 先進技術班
TEL 0229-32-3115 FAX 0229-32-2225