宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

水稲の湛水直播栽培播実演会を開催しました

2011年06月16日 10時55分09秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

 美里農業改良普及センター管内では水田作の所得向上に向け,省力・低コスト化が期待できる水稲直播栽培の導入が進んでいます。これを受け今回,岩手県農業研究センターが開発し,(株)岩手クボタが知的財産権の利用を許諾された「水稲湛水直播機のフロートに装着する作溝装置」を搭載した湛水直播機による高効率湛水直播研修会を開催しました。
 この装置の特徴は,「は種と同時に幅,深さとも十分な導水溝を設置する」ことによる出芽率の向上や,出芽ムラの解消による苗立率の向上を図る点にあります。
 研修会では機体や装置について概要を説明した後に,は種作業の実演を行いました。参加した生産者や関係機関からは,明渠のように作成された導水溝を見て「想像していたより深くて広く,効果的に感じられる」「これなら苗立率の向上や,その後の収量向上に期待できる」との声が聞かれました。
  今回,宮城県内で初めて本装置を導入するとともに湛水直播栽培(H23年度:約6ha)の実践者でもある西條靖也氏(涌谷町)は,「これまではほ場の均平度を高める事に神経を使っていたが,本装置の導入によりその負担が軽減された。今後の生育と収量向上に期待したい。」と話されております。
 普及センターでは今後,生育の推移を調査するとともに機会を捉えて情報発信を行いながら,管内の水稲直播栽培を支援して参ります。

<問い合わせ先> 

美里農業改良普及センター 地域農業班   TEL 0229-32-3115

播種作業と作溝の状況

特異な形状の溝切り装置


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登米市生産組織の支援を受けて津波被災地で特産「気仙沼茶豆」を栽培開始

2011年06月15日 11時52分55秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 県営ほ場整備事業が実施された気仙沼市階上地域では,ブロックローテーション方式で大豆や園芸振興作物である枝豆を栽培してきました。枝豆は食味がよい特産の「気仙沼茶豆」で,首都圏にも出荷され高い評価を得てきました。しかし,地域の担い手である階上生産組合では平成23年3月11日の東日本大震災に伴う大津波で農地が被災し,農機具も流失するなど大きな被害を受け,「気仙沼茶豆」の栽培もほぼ諦めかけていました。
 ところが,6月6日に登米市役所から登米農業改良普及センターを通じ,当普及センターに登米市米山町の「西野北部地力増進組合」から支援したいとの意向が伝えられました。栽培に必要な機材をほとんど失っていた階上生産組合では是非ともこの支援を受けたいということになり,さっそく6月8日には播種機とブームスプレーヤを借り受け,さらに9日からはトラクタ3台による作業支援をいただきました。
  これら地域を越えた農業者間の支援により本年度予定していた「気仙沼茶豆」3haの播種は,耕起開始からわずか2日で終了しました。階上生産組合では,今年もおいしい「気仙沼茶豆」を「復興枝豆」として消費地に届けられると期待を膨らませています。

西野北部地力増進組合が現地到着

支援により順調に播種が終了

 

<連絡先(仮)>
宮城県本吉農業改良普及センター    先進技術班
 〒987-0511 登米市迫町佐沼字西佐沼150-5 登米合同庁舎203会議室
    0220-41-0201


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キャベツ・ニンジン栽培講習会

2011年06月14日 09時52分33秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

 平成23年6月7日にキャベツ・ニンジン栽培講習会が開催されました。これは,JAあさひな管内の園芸振興を推進するために,キャベツ・ニンジンを栽培してみようと考えている農業者を集めて開催したものです。
 普及センターからキャベツとニンジンの作型とおすすめ品種,生理生態,発生しやすい病害虫と防除方法について,JAからは栽培に必要な資材や肥料,農薬について説明をしました。この講習会ではパワーポイントを使用して病害虫の写真を見せながら説明を行ったり,資材や肥料,農薬は写真入りの資料や現物を展示してみせたりしたので,参加者は大変わかりやすかった様子でした。
 普及センターでは,今後キャベツの育苗時の巡回指導等の生産支援を行っていく予定です。

〈連絡先〉
  宮城県仙台農業改良普及センター 地域農業班
  〒981-8505 仙台市青葉区堤通雨宮町4番17号
  TEL:022-275-8320
  FAX:022-275-0296
  E-mail sdnokai@pref.miyagi.jp


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大草原で牛がストレス発散

2011年06月10日 14時21分04秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

 大崎市営鳴子放牧場は,秋田,山形県境に位置し,約158㌶と広大な面積に,毎年,5月から11月までの半年間,1日平均にすると約90頭の繁殖和牛が放牧されています。今年は積雪が多かったこともあり,開牧は5/19とやや遅くなりました。
 この放牧場は,旧鳴子町が開設し,飼養農家の省力化と多頭化による畜産農家の育成と経営の安定化を図ってきました。
 平成18年に,近隣1市6町と合併して,大崎市が誕生したことにより,市全域の畜産振興に放牧場がどのように貢献すべきかを求められています。
 平成21年度から,牧区ごとの土壌分析結果を基にした施肥を行っており,化成肥料の適正な施肥でコスト低減を図っています。
  平成22年度には,先進地から学習するため岩手県滝沢村の相ノ沢牧野を視察したほか,社団法人日本草地畜産種子協会飼料作物研究所の放牧アドバイザー・落合一彦氏から改善指導を受けました。
  それにより今年度は,①石灰による酸度調整を中心に,窒素成分の施肥を控えたスプリングフラッシュの抑制,②簡易な電気牧柵の設置による集中管理,③草地簡易更新による牧草生産力の向上の三点を中心とした取り組みを行うことにしています。
 地域の繁殖牛経営は高齢化が進行しており,労力軽減の観点から見ても,放牧場がこれからも果たす役割は小さくありません。普及センターは,調査研究課題として活動を行い,放牧場の運営について今後も支援していきます。

<連絡先>
 宮城県大崎農業改良普及センター  先進技術班
 TEL:0229-91-0726 
 FAX:0229-23-0910


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マンション管理組合との連携による花壇づくり

2011年06月10日 13時48分15秒 | 競争力のあるアグリビジネス経営体の育成

 先進的なアグリビジネス経営体への発展へ向け,普及センターのプロジェクト課題に位置付け支援している,角田市毛萱の農産物直売所「産直広場あぐりっと」を運営する()あぐりっとかくだでは,仙台市若林区の409戸で構成されるマンション管理組合と連携し, 63日にマンション敷地内で花壇づくりと農産物の販売会を行いました。

(合)あぐりっとかくだの生産したサルビアやマリーゴールド,ベゴニアを利用してマンション居住者約40名による花壇づくりが行われ,生産者と消費者の交流が図られました。

また,販売会ではブロッコリーやトマトなどの新鮮野菜やおにぎり,角田特産のウメを練り込んだ米粉麺などの農産加工品が販売され大好評でした。

()あぐりっとかくだでは,東日本大震災直後の食料が不足する時期にもマンションを訪れ特別販売を行い居住者とのつながりを深めており,代表の三浦徹氏は,今後も継続して販売会を開催し,さらに交流を深めていきたいと抱負を語っていました。

 

 

 

〈連絡先〉大河原農業改良普及センター  先進技術第二班 

       TEL0224-53-3431 FAX0224-53-3138


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柴田町に農産物直売所「結友(ゆいとも)」と農村レストラン「花菜(はな)Cafe」がオープンしました

2011年06月09日 09時39分03秒 | 農村地域の振興に向けた取組支援

 柴田町では,平成23年5月28日(土),船岡城址公園内の物産交流館内に農産物直売所「結友(ゆいとも)」と農村レストラン「花菜Cafe」を開設しました。
 多くの生産者が,『山(船岡城址)に登らなければならない』と言うように,立地条件が悪いことや売れ残り商品の持ち帰り等を心配し,昨年9月から設立準備委員会を組織して,よりよい直売所を目指し視察研修や話し合いを続けてきました。その後,3月2日に出荷者組合設立総会が開催され,役員のあいさつでは『山の上の直売所で条件が悪いからダメだという人もいますが,みんなが前向きに取り組めば乗り越えられると思います。皆で知恵を出し合い,自分達も楽しめる場所にしていきましょう。』と呼びかけ,出荷者一丸となって開設の準備をすすめました。3月11日の東日本大震災で,家族や親戚を失ったメンバーも,「今は前を向いてすすむこと」と自分に言い聞かせるように農産物直売所と農村レストランに一心不乱に取り組んでいます。
  柴田町の街並みが一望でき,蔵王の山々や太平洋の眺望を楽しめる景勝地柴田町船岡城趾。「樅の木は残った」でも有名なこの地にお越しの際は,多彩な農産物が顔を揃える農産物直売所「結友(ゆいとも)」と農村レストラン「花菜Cafe」に是非ともお立ち寄り下さい。
 定休日は物産交流館が休館となる月曜日,営業時間は月曜日を除く午前10時から午後4時30分までです。

 

     

視察研修での熱心な質疑       農産物直売所「結友」開設

 

 

〈連絡先〉大河原農業改良普及センター  地域農業第一班 
       TEL:0224-53-3516 FAX:0224-53-3138

  

 

 

 


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仙南でそらまめの出荷が始まります

2011年06月09日 09時39分03秒 | 安全安心な農畜産物の生産に取り組む経営

 JAみやぎ仙南の各地区で,高品質なそらまめの生産・出荷に向け,栽培講習会及び目揃え会が開催されました。

 仙南地域は,全国有数の産地である村田町を中心に古くからそらまめ栽培が行われており,JAそらまめ部会では約15haで作付が行われる県内最大のそらまめ産地です。

 栽培講習会では,普及センターから今年度産の生育状況や品質を大きく左右する出荷間際の栽培管理について説明を行いました。今年のそらまめは,低温や乾燥による生育の遅れなども見られましたが,病気も少なく品質の良いものが収穫できると期待されています。また,仙南地域のそらまめは県内の先陣を切って出荷されるため,その年の宮城県産そらまめの市場での印象を決める重要な位置づけとなっており,目揃え会では出荷間際のそらまめを手に取りながら,高品質なそらまめ出荷へ向けて,出荷規格に合わせた選別基準の再確認を行いました。

 収穫されたそらまめは京浜方面へ出荷されるほか,道の駅「村田」(村田町物産交流センター)の農産物直売コーナーでも購入することができます。また,6月10日から12日の3日間,道の駅「村田」では「村田どれみふぁそら豆まつり」で,つかみどりや直売等が開催されますので,ぜひ採れたての旬の味をご賞味ください。

 

  

〈連絡先〉大河原農業改良普及センター  先進農業第二班 

       TEL0224-53-3431 FAX0224-53-3138


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南三陸町からの避難者を雇用し野菜生産を開始

2011年06月06日 14時19分56秒 | 競争力のあるアグリビジネス経営体の育成

  農事組合法人三田鳥営農組合は,組合員の年間就労機会を増やすため,集落営農組織時代から野菜部門に取り組んできましたが,野菜作り3年目となる今年はスイートコーン(ゴールドラッシュ)とかぼちゃ(ほっとけ栗たん)に取り組む計画です。
  今年の野菜栽培では,東日本大震災によりウェットランド交流館(伊豆沼交流センター)に避難している南三陸町の方々に何らかの貢献をしたいということで,5月2日のかぼちゃの播種作業時には避難者をパートタイマーとして5名雇用し,一緒に作業を行いました。
 6月2日には集落内の転作ほ場92aへのとうもろこし播種・かぼちゃ定植作業を行いました。
 当日は集落から男性9名女性8名が参加し,雨上がりということでぬかるみに足を取られつつ,泥だらけになりながらも作業を終えました。
  今回の定植作業には残念ながら都合が付かず参加してもらえませんでしたが,ウェットランド交流館の畑に定植するため,残ったかぼちゃ苗を贈呈するとともに,今後の野菜管理作業にも参加してもらうよう準備を進めています。

 


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亘理名取地区の関係機関が連携して,東日本大震災の堆積土砂・汚泥をサンプリング

2011年06月03日 14時51分31秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
亘理名取地区では,東日本大震災で多くの農地が津波の被害を受けました。
 亘理農業改良普及センターでは,3月下旬から4月中旬にかけ,浸水被害の境界域を管内関係機関と一体となって調査し,塩害が懸念されるエリアの特定を進めてきました。境界域よりも海に近い地区では,土砂が堆積している農地も多いこと,また,堆積物には,硫化物等の混入も考えられることから,県では,東北大学の協力を得て,県内の津波被害を受けたエリア全域の土壌サンプリングと土砂等の堆積状況の調査を行いました。
 亘理農業改良普及センター管内では,5月16日から18日までの3日間に,管内市町,JA,NOSAI,土地改良区などの管内関係機関に加え,東北農政局阿武隈土地改良調査管理事務所の協力も得ながら,東北大学,農業・園芸総合研究所,古川農業試験場,県庁関係課を含め,のべ約100人で1k㎡あたり3~4か所,合計209か所でサンプリングと土砂の堆積状況等の調査を行いました。
 サンプリングした土壌は,現在,農業・園芸総合研究所,古川農業試験場で,pH,電気伝導度(EC)のほか,重金属等の項目について分析を進めているところです。
 今回調査しました土砂の堆積状況や化学分析の結果をもとに農地の復旧,亘理・名取地域の農業・農村の復興に向けて取り組んで参りますので,今後とも御協力をよろしくお願いします。

連絡先:亘理農業改良普及センター 先進技術班 0223-34-1141

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宮城県を元気に・・岩沼のカーネーションをイベントでプレゼント!

2011年06月03日 14時42分25秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
亘理管内のカーネーションは母の日をピークに出荷終期を迎えています。
3月11日の大震災で名取市小塚原地区のカーネーションは甚大な被害を受けました。東部道路より西側の名取市高柳地区,岩沼市,亘理町のカーネーションは被害が少なく,停電や重油調達に苦慮しましたが,どうにか乗り越え,出荷を継続してきました。
ところが,仙台市場における震災後の花き単価は安値が続き,例年なら3月のお彼岸,卒業,送別会,4月の入学,歓迎会,5月の母の日等,花の収入増が見込める時期であるはずが,今年は大きく収入が減少しています。3月の売上が平年に比べ100万円以上ダウンした生産者もあり,がっくり肩を落としています。
このような状況の中,5月22日(日),観光PRイベント「東北うまいものフェア」が仙台駅で開催され,仙台駅を利用するお客さまに岩沼市の斉藤園芸のカーネーションが配られました。
斉藤園芸のカーネーションハウスは,岩沼市の西側に位置し津波被害はありませんでしたが,地震直後からの停電により温室の天窓が開いたままの状態になりました。雪の舞い散る中,発電機を調達し,カーネーションが凍らないよう天窓を閉め,2重カーテンで保温するなど緊急措置に追われました。
斉藤園芸の斉藤富男さんは,宮城県の方々が一日でも早く元気を取り戻し,生活の中に花を取り入れる暮らしができるよう願い今回のイベント用の花束を作りました。
「花は心のビタミンのようなもの。今後も宮城県が元気になる取り組みに協力していきたい。」と話してくれました。

連絡先:亘理農業改良普及センター 先進技術班 0223-34-1141

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