宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

5年前の超新星大爆発

2012年08月10日 | 宇宙 space
超大型望遠鏡VLTが6000万光年かなたの銀河“NGC 1187”の全貌を見事にとらえました。

銀河“NGC 1187”(画像下部の○部分が超新星“SN 2007Y”)

VLTはヨーロッパ南天天文台が、チリのパラナル天文台に建設した望遠鏡です。
口径8.2m望遠鏡4台の総称なんですねー

今回の画像には2007年に出現した超新星の名残りも見られます。

“NGC 1187”は“エリダヌス座”の方向ある銀河です。
地球から見てほぼ正面を向いているので、その構造がよく分かる美しい渦巻銀河なんですねー

大量のガスとチリを含んだ明るい渦状腕が数本見えていて、その中には星間ガスから生れた若い星が青い輝きを放っているのが見えます。

いっぽう銀河の中心には黄金色をしたバルジ(中心部のふくらみ)が見えます。
でも、この部分にあるのは古い星とガスとチリがほとんどなんですねー

バルジは球形よりやや棒状になっていて、腕部分のガスがこの棒構造を通るようです。
そして中心部に流れ込み星の誕生を促すと考えられています。

穏やかで変化がないように見えるこの銀河も、1982年と2007年の2度、超新星が現れたことがあります。
超新星は星の一生の最期に起こる大爆発で、始めはまばゆい光を放ち、その後は数週間から数ヵ月かけてゆっくりと消えていきます。

南アフリカのアマチュア天文家が発見した“SN 2007Y”は、約1年にわたって詳細な観測が行われた超新星です。
この画像は数年経過してから撮影されたのですが、超新星の光はまだ消えずに残っているんですねー