宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

糖分子が宇宙で見つかった?

2012年09月05日 | 宇宙 space
地球から約400光年の距離にある、恒星を取り巻くガスのなか








枠内は炭素(グレー)、酸素(赤)、
水素(白)からなる糖分子のイメージ画像
糖分子が見つかった“へびつかい座”の
ロー星の星形成領域




単純な糖分子が、この中を漂っていることが分かりました。
この発見は「地球以外の惑星にも生命が存在する」可能性があることを示しているんですねー

まぁー 地球以外に生命が誕生しているという証拠にはなっていないので、「誕生していてもおかしくない」と言うことです。
また、この発見では惑星が形成される前の段階で、既に生命の材料となる炭素を多く含んだ分子が存在することが分かりました。

炭素・水素・酸素からなり、炭水化物として知られる有機分子を、おおまかに“糖類”と呼ばれています。
今回、宇宙で見つかったのは、グリコールアルデヒドという最も単純な糖分子なんですねー

グリコールアルデヒドは地球上にも存在しています。
通常は無臭の白い粉末の形をしていて、食物に甘みをつける目的には使われていません。
ただ、すべての生体細胞に存在する重要な生体分子“リボ核酸(RNA)”が作られる化学反応において、主要な役割を果たすと考えられている重要な物質です。

グリコールアルデヒドが宇宙でどのように作られたのか? は今のところ分かっていません。
観測結果からは、恒星間に存在する分子雲の高密度で低温の領域、ここにある氷に覆われたチリの粒の上で作られた可能性が考えられています。

これまでに宇宙で、グリコールアルデヒドが見つかった場所は2つしかありません。
1つは、天の川銀河の中央にある巨大なガスとチリの雲の中心部近く、
もう1つは、地球から2万6000光年離れた巨大な星形成領域の中で、
2つとも今回より遥かに遠い領域なので、観測の解像度もはるかに低かったんですねー
なので、分子が存在する位置を正確に特定することはできませんでした。

今回発見された糖類は、若い恒星“IRAS 16293-2422”を取り巻く、温かいガスの中で見つかったもので、南米チリにある大型の電波望遠鏡“アルマ望遠鏡”によって観測されています。
もし、生命が誕生する前から存在する分子、命の材料となるものが他にもあるとしたら…
恒星や惑星の形成領域を探索する有力な根拠となるはずです。

より複雑な分子が発見されると、生命が存在する可能性が大きくなりますね。