小惑星“ベスタ”を離れて次の目標“ケレス”へ NASAの探査機“ドーン”

NASAの探査機“Dawn（ドーン）”が、
約1年にわたり観測を行ってきた小惑星“ベスタ”の周回軌道を離れました。







北極上空から見た小惑星“ベスタ”




探査機“ドーン”は2007年の9月に、デルタIIロケットで打ち上げられたNASAの探査機です。
ディープ・スペース1号で用いられたキセノンイオン・スラスタ3基を使って、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯へ向かい、2011年7月には小惑星“ベスタ”の周回軌道に入っていました。

探査機“ドーン”が行うミッションの目的は、太陽系初期の状態を残していると考えられる、2つの大きな原始的天体を調べることなんですねー

2つの天体とは、準惑星“ケレス”と小惑星“ベスタ”のこと。
これらは太陽系の別々の場所で誕生したと考えられていて、対照的な違いがいくつも見られるんですねー

“ケレス”は、その形成段階において地下水による「冷たく湿った」状態を経験していると考えられ、
“ベスタ”はマントルや核といった内部構造を持ち、表面にある火山活動の形跡などから「熱く乾いた」状態を経験していると考えられています。

このミッションにより太陽系誕生の謎に迫ることができると期待されているんですねー

次の目標は準惑星の“ケレス”で、到着予定は2015年になります。
そしてミッション終了後には、史上初めて小惑星帯に永久にとどまる人工物になる予定です。