アメリカのジョンズ・ポプキンス大学の研究チームが発見した、小さくかすかな銀河の光。
この光は宇宙がまだ5億歳だったころの、若い銀河の光なんですねー
132億光年を旅して地球に届いたこの光は、2つの天文衛星の性能に重力レンズという自然の拡大鏡が加わってとらえられたものです。
重力レンズの役割を果たした銀河団(左)と、
それにより15倍も明るく見えた
遠方銀河“MACS 1149-JD”(右)
これは宇宙の歴史において「暗黒時代の終り」というとても重要な時期の光で、
宇宙が星の無い真っ暗闇の広がりから、銀河がひしめく場所へと変化していった頃のものです。
過去にも同じような年代の銀河の候補が検出されていたのですが、単独の波長でしかとらえられていませんでした。
でも今回は、5つの異なる波長で観測できたんですねー
“CLASH”プロジェクト一環として、ハッブル宇宙望遠鏡は4つの可視・赤外線波長域で、
赤外線天文衛星“スピッツァー”は、より長い波長の赤外線で観測と記録を行えました。
極限の距離にある遠方の天体のほとんどは、今の大型望遠鏡では検出することはできません。
なので、天体の姿をとらえるには重力レンズの助けが必要になります。
重力レンズとは、地球から見て手前にある天体の重力の影響で、向こう側にある天体の姿や光が移動したり、変形したりして見える現象です。
今回発見された銀河と、天の川銀河の間に巨大銀河団があるので、小さな銀河からの光が増幅されて実際の15倍も明るく見えたんですねー
一般に支持されている説では、宇宙で最初の銀河はとても小さくて、その銀河同士が合体を繰り返して今見られる大きな銀河に成長していったと考えられています。
今回、発見された銀河の年齢は2億歳以下で、質量は天の川銀河の1%ほどなので説に合うんですよねー
このような銀河は、“宇宙再電離”に大きな役割を果たしたようです。
最電離とは、宇宙で最初に誕生した星や銀河から放たれる紫外線によって、中性水素が再び陽子と電子に分けられ(電離し)、宇宙の暗黒時代が終りを告げた時期のことです。
137億年前ビッグバンによって宇宙は誕生したのですが、その直後の宇宙空間は水素原子が電離した陽子と電子のプラズマ状態でした。
約40万年後には宇宙の膨張により温度が下がり、陽子と電子が結びついて中性水素原子となります。
その後の数億年間は中性水素ガスに埋もれた宇宙の暗黒時代が続くことになるのですが、
約2~5億年後には、水素ガスの濃い部分から宇宙で最初の星や銀河があちらこちらで作られるんですねー
中性水素は作られた星々が放つ紫外線により、再び陽子・電子のバラバラの状態に電離しプラズマ状態になります。
これが太古の宇宙における大イベントの一つ“宇宙再電離”で宇宙の夜明けとも言われています。
この銀河の観測は信頼性が高く、これまでで最も遠い天体です。
宇宙で最初に誕生した天体や、宇宙の暗黒時代がどのようにして終わったのか?
今後、このような銀河の研究が謎を解いてくれるんでしょうね。
この光は宇宙がまだ5億歳だったころの、若い銀河の光なんですねー
132億光年を旅して地球に届いたこの光は、2つの天文衛星の性能に重力レンズという自然の拡大鏡が加わってとらえられたものです。
重力レンズの役割を果たした銀河団(左)と、
それにより15倍も明るく見えた
遠方銀河“MACS 1149-JD”(右)
これは宇宙の歴史において「暗黒時代の終り」というとても重要な時期の光で、
宇宙が星の無い真っ暗闇の広がりから、銀河がひしめく場所へと変化していった頃のものです。
過去にも同じような年代の銀河の候補が検出されていたのですが、単独の波長でしかとらえられていませんでした。
でも今回は、5つの異なる波長で観測できたんですねー
“CLASH”プロジェクト一環として、ハッブル宇宙望遠鏡は4つの可視・赤外線波長域で、
赤外線天文衛星“スピッツァー”は、より長い波長の赤外線で観測と記録を行えました。
極限の距離にある遠方の天体のほとんどは、今の大型望遠鏡では検出することはできません。
なので、天体の姿をとらえるには重力レンズの助けが必要になります。
重力レンズとは、地球から見て手前にある天体の重力の影響で、向こう側にある天体の姿や光が移動したり、変形したりして見える現象です。
今回発見された銀河と、天の川銀河の間に巨大銀河団があるので、小さな銀河からの光が増幅されて実際の15倍も明るく見えたんですねー
一般に支持されている説では、宇宙で最初の銀河はとても小さくて、その銀河同士が合体を繰り返して今見られる大きな銀河に成長していったと考えられています。
今回、発見された銀河の年齢は2億歳以下で、質量は天の川銀河の1%ほどなので説に合うんですよねー
このような銀河は、“宇宙再電離”に大きな役割を果たしたようです。
最電離とは、宇宙で最初に誕生した星や銀河から放たれる紫外線によって、中性水素が再び陽子と電子に分けられ(電離し)、宇宙の暗黒時代が終りを告げた時期のことです。
137億年前ビッグバンによって宇宙は誕生したのですが、その直後の宇宙空間は水素原子が電離した陽子と電子のプラズマ状態でした。
約40万年後には宇宙の膨張により温度が下がり、陽子と電子が結びついて中性水素原子となります。
その後の数億年間は中性水素ガスに埋もれた宇宙の暗黒時代が続くことになるのですが、
約2~5億年後には、水素ガスの濃い部分から宇宙で最初の星や銀河があちらこちらで作られるんですねー
中性水素は作られた星々が放つ紫外線により、再び陽子・電子のバラバラの状態に電離しプラズマ状態になります。
これが太古の宇宙における大イベントの一つ“宇宙再電離”で宇宙の夜明けとも言われています。
この銀河の観測は信頼性が高く、これまでで最も遠い天体です。
宇宙で最初に誕生した天体や、宇宙の暗黒時代がどのようにして終わったのか?
今後、このような銀河の研究が謎を解いてくれるんでしょうね。