宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

地球よりはるかに明るい星空が広がる惑星

2012年09月25日 | 宇宙 space
星団に属する太陽型恒星の周囲に、初めて惑星が発見されました。
この発見は、惑星探査の範囲を広げる必要性を示すとともに、地球よりはるかに明るく美しい星空を持つ惑星を想像させてくれます。

ただ、新たに発見された惑星“Pr0201-b”と“Pr0211-b”は、主星である恒星に近い軌道を公転している巨大ガス惑星なんですよねー
なので、環境は非常に高温となり、われわれの知るような生命は存在できません。

両惑星が属するのは、地球から約550光年離れた“かに座”のプレセペ星団(蜂の巣)です。
若い恒星1000個ほどからなる星団なんですねー

非常に大きな面積をもつ明るい星団なので、天体望遠鏡よりも双眼鏡が活躍します。
高い倍率は必要なく、数十個の星がにぎやかに見えるので、アマチュア天文家の間で人気の観測対象となっています。

今回の発見は、アリゾナ州にあるフレッド・ローレンス・ホイップル天文台の1.5メートル望遠鏡が使われました。
恒星53個の速度を計測することで、星団内に2つの惑星があることがわかりました。

観測の結果、2つの太陽型恒星に明らかな揺らぎ(ドップラー・シフト)が見られました。
ドップラーシフトとは、軌道を回る惑星の重力によって、恒星がゆるやかに引き寄せられたり、引き離されたりする現象です。
恒星の光の波長がわずかに短くなったり、長くなったりすることで分かるんですねー

2つの太陽型恒星は、年齢・質量ともに太陽と同じくらいで、
エネルギーを数十億年にわたって絶えず放出していることから、生命が生存可能な惑星の形成にもってこいの環境といえるんですねー

また、これまで星団に属する太陽型恒星の周囲に、一度も惑星が見つからなかったのにも理由があります。
単に探索が不十分だった… っと言うか、惑星がそのようなところに形成されるのか分からなかったため、これまで星団に望遠鏡を向ける研究グループが少なかったんですねー

なので今回の発見は、たまたま珍しいものが見つかった事例では無いようです。
プレセペ星団は非常にありふれた星団で、天の川銀河だけでも似たような星団は何千と存在します。

今回の研究成果は、
「星団に惑星があることは、単独で存在する恒星の周囲に惑星があるのと同じくらい一般的なこと」である
可能性が示されたこととなります。

また、新たに見つかった惑星の非常に規則的な軌道から、星団内にある惑星系は安定している可能性が高いんですねー

この安定性は、星団の惑星系に属する惑星が、地球のように比較的小さな岩石惑星である可能性を高めます。
生命が存在しやすい環境といえます。

プレセペ星団のような星団の中心部近くに存在する惑星では、星団に属する数百の恒星が見えます。
地球の夜空で最も明るい星の数倍明るい星が数十個はあり、夜空はすばらしく明るく美しいはずです。

もし、知的生命が存在していれば、天体観測を楽しんでいるのかもしれませんね。