宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

重力波を間接的に確認

2012年09月09日 | 宇宙 space
3000光年かなたにある白色矮星の観測から、未だ直接検出されたことのない重力波の放射が間接的に確認されました。

白色矮星とは、恒星が一生の終末期に外層を失って中心核だけになっている天体のことです。
今回、観測されたのは非常に接近した白色矮星のペアが、13分以下という短い周期でお互いの周囲を回っている連星系の姿です。
有名なアインシュタインの一般相対性理論では、動く物体によって空間にかすかなさざ波が立つ“重力波”が発生すると予測しています。
でも、これまでに“重力波”は直接観測されたことはなかったんですねー

お互いがすぐ近くを回り合う連星系では、“重力波”によってエネルギーが持ち去られるので、星同士が徐々に近づき、公転もどんどん速くなります。
アインシュタインの理論に基づけば、この連星系の公転周期は1年に0.25ミリ秒ずつ小さくなるんですねー

この連星系を地球から見ると、正確な時計のように6分ごとに食を起こしています。
最近行われた再観測により、昨年に比べて食が6秒以上早いタイミングで起こっていることがわかりました。
2つの星が接近しつつあることや、さらに公転周期が短くなっている(1年にほぼ0.25ミリ秒)ことが確認されたんですねー

2013年には食が2011年に比べて20秒以上早くなると考えられていて、やがれ2つの星は合体するようです。
今後、公転周期が短くなるようすを観測しつづけることで、星同士の合体に“重力波”がどのような影響を与えるのか? いろいろと分かってくると思います。

今回の連星からの“重力波”を直接とらえるには、
数百万キロの距離にある2つの星が、お互いに向けてレーザーを照射して影響を測定することが必要になるんですがねー
3000光年かなた… どうしたものか

まぁー 間接的とはいえ、今回行われた公転周期の変化の観測ですよねー
“重力波”の放射を簡単に調べられるいい方法です。