宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

連星系で観測された、惑星誕生現場へのガス供給

2014年11月08日 | 宇宙 space
連星系“おうし座GG星A”で、
連星全体を取り巻く大きな環から、
連星の片方の周囲に向かって流れ込むガスが観測されました。

このことは惑星の工場である原始惑星系円盤が維持されるメカニズムを明らかにし、
連星系全般における、惑星存在の可能性を広げる成果だそうです。


450光年彼方にある“おうし座GG星A”は、生まれて数百万年という若い星です。

A星とB星がお互いを回り合う連星で、
さらに“おうし座GG星A”自体も、Aa星とAb星から成る連星なんですねー

今回の研究ではアルマ望遠鏡を用いて、
“おうし座GG星A”のガスとチリの分布を調べています。

すると、“おうし座GG星A”全体を取り囲む大きな環から、
連星の片方であるAa星周囲の小さな環に、ガスが流れ込むのを観測したんですねー
“おうし座GG星A”のイメージ図。
Ab星とともに連星を成すAa星の周囲に小さな環、
そして全体を取り囲む大きな環が存在する。

Aa星の環は木星程度の軽いもので、
環の物質はAa星にどんどん取り込まれているのに、
消えずに維持されていました。

その理由として、大きな環からガスが流れ込んでいることが、
コンピュータシミュレーションで予測されていたのが、
今回の観測で確認されたことになるんですねー

生まれたての恒星の周りに残された物質の環“原始惑星系円盤”は、
惑星が生まれる場所になります。

惑星の誕生には、数千万年かかると考えられているので、
環も同じくらいの期間維持されていないと惑星は作られないことになります。

もし今回観測されたような、
外側の環からの物質の供給が、他の連星系でもよくある現象なら…

これまで考えられていたよりも、
ずっと多くの場所で、惑星が誕生しているのかもしれませんね。